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長崎県の五島列島を舞台に、臨時教員の女性と合唱部の生徒たちのふれあいを描く感動作『くちびるに歌を』。合唱部の生徒たちのひたむきでピュアな歌声が、観る者の心を震わせる。今回は合唱部の生徒たちを演じた葵わかな、柴田杏花、佐野勇斗、高橋奈々ら4人のクロストークをお届け。合唱の楽しさや苦労、撮影のエピソードなど、盛りだくさん。

葵わかな×柴田杏花×佐野勇斗×高橋奈々
映画『くちびるに歌を』Special Interview

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―― 4人は合唱経験はなし。クランクインの3ヶ月前にゼロから練習を始めて、撮影に挑んだ。

葵わかな「腹筋をしたり、合唱部は思った以上に体育会系で大変でした。それに私は最初はみんなと一緒に合唱の練習をしていたんですけど、途中から指揮の練習もやることになって。指揮もまったく経験なかったので焦りましたね。」

柴田杏花「私は歌の経験はありましたが、合唱は学校の授業程度でした。私も体育会系で思った以上にハードだと思いましたね(笑)。あと、みんなで心をひとつにしないと、きれいな歌声はでないんだなと思いました。」

高橋奈々「合唱部はふわりとしたイメージだったんですけど、体育会系で大変でした。悪魔の体操というのがあって、腹筋してから発声練習をするので、最後の方になると声が出なくなるんです(笑)。」

柴田「いろんな種類の体操をいっぺんにまとめてやってました。」

「楽譜と一緒に体操表があって、順々にクリアしてやっと歌が歌えるんです。」

佐野勇斗「あれはすごく辛かったですね。僕はサッカー部で、合唱部は笑顔で楽しそうに歌っているイメージだったんです。やってみて、サッカー部より辛いと思いました。笑顔の裏にはこういう大変さがあるんだって知ることができました。」

―― 「心をひとつにすることで美しいハーモニーが生まれる」…。柴田が言ったようになるまで、実はかなりの時間を必要としたとみな声を揃える。

「みんな人見知りで、最初は共演したことのある同士で固まってしまったんです。女子同士でもそうだったので、男女はもっと距離があって、一緒に歌わないといけないのに誰も目を合わせず、会話もしなかった(笑)。」

佐野「女子が怖かった…いや、強いんです(笑)。僕たち男子も女子とは早く仲良くなりたかったんですけど、なかなか近寄れなくて。でも、一ヶ月半、朝からずっと一緒にいて、合唱の練習をする中で距離が縮まっていきました。今は仲がいいと思っています、僕は(笑)。」

「私たち女子も仲がいいと思っていますよ(笑)。最初は男女別って区別していたけど、同じメニューをこなすことで、男女って分けるのではなくて、一人一人を見るようになりました。それで余計絆が強まったかな。」

高橋「そうそう、一人一人を見られるようになって仲良くなることが出来ました。」

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―― 距離が縮まった“合唱部”の面々は、長崎の五島列島ロケを思い切り満喫。撮影に合唱練習の合間に夏休みの思い出をたくさん作った。

「撮影が休みの日は、みんなで冒険をしたり、美しい海で海水浴をしたり、地元のお祭りにも行きました。」

柴田「毎日にぎやかでしたね(笑)。」

高橋「撮影にも遊びにも全力投球で(笑)。」

佐野「毎日密度が濃くて、ホームシックにならなかったです。」

柴田「これまでの夏休みの中で一番成長したと思います。」

「役としても成長したけど、自分自身としても成長できた夏だったと思います。本当に夏休みっぽい夏休みでしたね。」

高橋「私は親元を離れたのが初めてで最初は不安だったんですけど、みんなに支えてもらって不安はなくなっていきました。みんなで一緒にやることの楽しさや大切さも知って、忘れられない夏になりました。」

―― “合唱部”の絆の深さが伝わる、もう一つのエピソードを。ロケの間、何かあるごとに、“合唱部”のみんなで歌を歌っていたとか。

高橋「なずな(合唱部の部長、なずな役の恒松祐里)が初めに言い出しました。みんなで歌を歌おうって。」

「誰かが歌い出すとみんなでハモるんです。誕生日の子がいると「ハッピーバースディー」の歌ったり。」

柴田「おはよう、とか、ありがとうって伝えるときも歌いました(笑)。」

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―― その“合唱部”にとって忘れられないのが、クライマックスのコンクールのシーン。ここでも観る者の心を動かす合唱を聴かせてくれるが……。

「コンクールのシーンは、みんなと歌うのが最後の日でした。中3の生徒が中学校生活最後のコンクールに懸ける想いと、私たちの気持ちが重なりました。」

柴田「歌いながら何度も泣きそうになりました。」

高橋「会場のロビーでみんなで歌うシーンは前の日に撮影したんですけど、このときからみんな泣いていましたね。」

佐野「そうそう。でも、女子より男子の方が泣いていました。男子弱いなって…(笑)。恥ずかしかったです。」

―― 主人公、柏木役の新垣結衣との共演も忘れがたいものに。

高橋「新垣さんとの共演は、すべてが勉強になりました。台詞が少ない場面でも、表情でいろいろ伝わってきて、やっぱりすごい方だと感動しました。」

佐野「カメラが回っていないところでも、現場に柏木先生として立っていらして、素敵だなと思いました。僕もすべてが勉強になりました。」

柴田「新垣さんからは手紙もいただきました。3枚の紙にぎっしりと書いてくださって、感激しました。」

「自分がこれまで経験したこと、その中で感じたことを書いてくださって、ストーリーでもみんなが悩む中、新垣さん演じる柏木先生が引っ張ってくれるけど、新垣さん自身もそうしてくださって。撮影が終わるとき、寂しいけど、この手紙のお陰で、みんなにまた会えるようにこれからも頑張ろうと思いました。」

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―― 最後にこれから映画をご覧になるみなさんにメッセージを!

「この映画で私は指揮者をやらせていただいているのですが、指揮をやっていながらもみんなの合唱のパワーに圧倒されて、私も頑張らなきゃ、という勇気をもらいました。物語は、合唱部員のメンバーや柏木先生の悩みや想いが交差しながら、皆が合唱を通して成長していくというお話で、これから15歳になる方、今15歳の方、かつて15歳だった方にも、そのときの気持ちを思い出したり、想像して楽しんでいただけると思います。私は、この映画を観終わった後に悩みを解決するための一歩を踏み出す勇気をいただきました。そういったことを、観てくださる方にも感じていただけたらいいなと思います。」

柴田「合唱は、1人ではなくみんなでやらないと出来ないのと同じで、普段も1人では出来ないけれど、みんなでやってこそ出来るということの大切さに気付かされた映画です。「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」という曲自体に勇気をもらって、毎日歌いながら心に刻んでいました。この映画は、どの年代の方にも感情移入していただけると思いますので、ぜひ観てください。」

高橋「「手紙」の歌詞の意味を考えながら歌っていたら、共感して泣いてしまいました。みんながいるから、私はここにいて、成長できていることも感じました。そして、この映画は、観終わった後とてもさわやかな気持ちになれる映画だと思います。合唱のすばらしさや生徒の団結力など、いろいろなことが詰まった映画になっているので、ぜひ観てください。」

佐野「人にはいろいろな悩みがあると思いますが、劇中で歌った「手紙」の歌詞にあるように人生のすべてに意味があります。爽快感にあふれていて、そんな悩みも吹っ飛ぶ映画になっています。この作品に携わることができて本当に幸せです。」


Writing:杉嶋未来

インフォメーション

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(C) 2015 『くちびるに歌を』製作委員会 (C) 2011 中田永一/小学館

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『くちびるに歌を』

2015年2月28日(土)より全国ロードショー

長崎県の五島列島の中学校に天才ピアニストだったと噂される臨時教員の柏木がやって来る。合唱部の顧問となった彼女は、冷めた表情で挨拶をし、「ピアノは弾かない」と言い放ち、生徒たちを戸惑わせる。そんな中、彼女は部員たちに"15年後の自分"へ手紙を書く課題を出す。そこには15歳の彼らが抱える悩みと秘密が綴られていた。その手紙はある理由からピアノが弾けなくなっていた柏木の心を動かしてーー。

▼公式サイト
http://kuchibiru.jp/


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