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STARDUST DIRECTORS film fes. 2022開催!
スターダストに所属する映画監督らによるイベント「STARDUST DIRECTORS film fes. 2022」が、…

2012年4月12日更新
原作は1200万部を超える大ベストセラーとなった少女マンガ『僕等がいた』。高校生の切なくも甘酸っぱい初恋を描いた前篇が公開となり、早くも話題に。三木孝浩監督と主人公・矢野を一途に思い続ける山本有里を演じた本仮屋ユイカが撮影秘話を語ってくれた。

── 今回の作品が初顔合わせというふたり。お互いの印象を聞くと―。
本仮屋「撮影前に作品についての勉強会のようなものがあり、その時に初めてお会いしました。現場に行ったら、若い方がすでに座っていてスタッフさんかなと思っていたんです。気さくに話しかけていただき、他愛もない世間話をしていたら『今回の監督です』と紹介されたので驚きました(笑)」
三木「僕の中では全国信用組合のCMでの笑顔のイメージが強くて。これまで演じてきた役も明るいイメージですから、影のある山本有里をお願いするのはどうなのかなと正直思っていました」
本仮屋「私自身も驚きがありました。でも、この役が与えられたのは、きっと私の中にもそういう影の部分があって私が演じることで山本有里が意味のあるものになるんだろうなとポジティブに考えました」
三木「実際、モチベーションが高くて、本読みの段階から山本有里を作ってきてくれたので、撮影に入ってからも微妙な感情の違いについてもしっかりとディスカッションができてやりやすかったですね」
── 前篇では山本有里(本仮屋ユイカ)の感情はなかなか見えてこないけれど、後篇では彼女が変わっていく様子がわかり、ていねいな感情の作り方が見て取れた。ふたりのなかではどう作り上げていったのだろうか。
三木「やはり本仮屋さんが原作を読みこんでいたことが大きいと思いますね。矢野(生田斗真)と七美(吉高由里子)が主役だけれど、前・後篇通して影の主役が山本有里だと僕は思っていて、大事なポジションなんです。その彼女がしっかりとした感情の変化を読み取り、演じてくれたことがこの映画にとってプラスになりました。本仮屋さんが山本有里のことを愛しているなってすごく伝わってきましたね。原作のファンだったの?」
本仮屋「作品自体は知っていましたが、しっかりと読み込んだのは出演が決まってからです。でも、私以上に監督のほうが原作を知り尽くしていますよね。お芝居をつけてくれるときに、監督自ら演じてくれるんですよ。矢野も七美も竹内もすべてやってくれて。とてもお上手なんです」
三木「ひとり、『僕等がいた』ですね(笑)」

── ベストセラーのマンガを実写化するというプレッシャーがある中で、何を心がけて作品づくりに挑んだのだろう。
三木「どんな原作を映像化するときも同じですが、100%同じことはできないので、作者がどうキャラクターと向き合っているか、どう描こうとしているかを大事にしています。『僕等がいた』を読んだときに、キャラクターそれぞれに小畑先生がよりそっているなと感じたんですね。些細な感情の変化を逃さないように、わりとアップのシーンが多くなりました。マンガで描かれている距離感(作者とキャラクターの寄り添い方)が間違っていなければ、『僕等がいた』の作品性は失われないのかなと思っていましたね」
本仮屋「原作が愛されているからこその実写化だと思っているので、まずは原作を大事にしようと決めていました。だから撮影がはじまるまでは寝ても覚めてもずっとマンガを読んでいましたね。山本有里のセリフだけをノートに書き出して、キーとなる場面は絵も描いたりして現場にも持って行くほど。すっかり山本有里マニアです(笑)。台本ができあがったときに、『あのセリフがない』というのがなかったのですんなりと撮影にも入れました。それに、原作はビジュアルがあるのでゴールが見えますよね。目指しているものがみんなと一緒だという安心感もありました」
三木「本仮屋さんは特に声のトーンにこだわっていて、感情の出し加減をさぐっていましたね。山本有里の人物像がわかっていたからこそのことだと思うんです」
本仮屋「セリフ自体が少ないし、山本有里の感情を追っていく作品でもないので、ひとつひとつのセリフを大事にしていました。どこで息継ぎしようかってことまで」
三木「マンガではわからない部分だからこそだよね。矢野に対してのいびつだけれど一途に思う気持ちをどう伝えるかが難しい部分でもあり、大事なことだったので毎回、お互いにチェックしましたね」

── 前篇では山本有里の出番は少ないものの、作品に大きなインパクトを与えていた。完成した作品を見たときの心境はどんなものだったのか。
本仮屋「試写を見てこんなにへこんだ作品は初めてです(笑)。私は山本有里が大好きで演じていて、みんなは有里のどこが嫌いなの?と思いながら過ごしていました。でも、試写を客観的に見たらなんてイヤな子なんだろう!と思えて」
三木「それは大成功だよ。でも、前篇でそんなイヤなやつが後篇で……ね。これは見てのお楽しみですね」
── そう語るふたりから作品への強い思いが伝わってくる。それぞれどんなところにほれ込んだのだろうか。
本仮屋「人を一途に思う気持ちとか、絶対や永遠ってないけれど、どこかに絶対ってあると信じたいピュアな気持ちがこの作品にはあるのでそこが好きですね」
三木「恋愛でそれぞれが成長していく過程ですよね。傷つかないように軽い恋愛をしている若い人たちって今は多いと思うんだけれど、それでは成長できない。本気で人を好きになったからこそ人として成長できると思うんです。僕個人でいうと、感情移入ができたのが有里なんですよ。ゆがんでいるけれども一途な思いがあって成長の幅もあり応援したくなるんです」
本仮屋「そうだったんですね! 確かに、監督の有里像というか、有里への理解は深いものでした。私のなかでどうして有里はそこまで矢野に執着するんだろうという迷いがあったんですね。そんなとき監督が『有里は矢野を通して世界を見ているんだよ。彼女は一人の世界しか知らなかったけれど、矢野と出会って彼を通して初めていろいろな世界を見れた。彼としかつながれないと思ったときに、ひとつの望みだからこそ突き進んでいくんだ』と話してくれたのが印象的でした。この話をうかがったときに、監督についていこう!と思いましたね」
── 今回の撮影は前・後篇と長く、釧路での長期ロケもあった。作品からも現場のチームワークのよさが感じとれるが、実際にはどうだったのだろう。
三木「本当に現場はみんな仲が良くて、よく一緒にご飯を食べに行っていましたよ。1カ月半も釧路で撮影だったので、合宿状態でした」
本仮屋「釧路で高校生時代を撮影できたのが本当によかったですね。大人になるとできてしまう、殻のようなものが自然とはがれおちて、柔らかい空気のなかで演技ができたのですっと高校生になれました」
三木「地方ロケはそのシチュエーションにずっといられるというのが大きなメリットですね」
本仮屋「そうですね、釧路では役に入りやすかったし、実は夢に生田さんが出てきたほど矢野のことを思っていたんです。教室で給食を食べていて、私が嫌いなものを残そうとしていたら「俺が全部食ってやるよ!」って(笑)」
三木「それはいつも受け入れてもらえないから、夢の中だけでも受け入れてもらいたいっていう願望の表れだね(笑)」
本仮屋「ただつらかったのは、あまり仲良くなってしまうとお芝居に影響が出てしまいそうだったこと。有里はみんなと離れたところにいますから。特に吉高さんのことは大好きなのに、仲良くしてたらダメだな……って」
三木「そこは意識しているんだろうなって感じていましたね」
本仮屋「あまり気づかれないようにしていたのですが、バレていたみたいです。撮影が終わってから『山本有里として僕たちとの距離感をはかりながら過ごしていたのはわかっていたよ。お疲れ様』と生田さんからメールがきたときは、驚きました。常に現場を端から端までみているんですよね、生田さんって」
三木「そういうところも含めて彼はイケメンだよね」

── 最後に、前・後篇合わせてそれぞれのお気に入りのシーンについて語ってもらった。
本仮屋「前篇の文化祭のシーンです。矢野に『そろそろ手放そうよ』と言いに行くところですが、有里にとっては告白なんですよね。そのシーンはギリギリまで悩んでいたもので、乗り切れた時の達成感がとても大きいものでした。有里が何を考えているかわからないなかで、やっと本心が見えてくる大事な場面だと思っています」
三木「たくさんありますけど……。ひとつは有里が姉・奈々(小松彩夏)の赤いマフラーをして教室にいるところですね」
本仮屋「そうなんですね。あのシーンは演じるうえでも難しくて私も印象に残っているんです」
三木「セリフはないものの、強がっているところが目の表情で伝えられたならと思っていたんです。あのシーンがあるからこそ、有里がただの敵役で終わってないと思っているんですよ。後篇でいうと、矢野を追いかけて札幌のバーに行くところかな。眼鏡をはずして、メイクをして服装もいつもとガラッと変えて。そこまでしないと生きていけない有里のことを考えると思わず涙が出そうになりますね」
本仮屋「すごい、そのシーンも私のなかで難しかったところなんです。うまく感情がつかめなくて迷っているときに監督が『一瞬でいいからうつむいてみて』と言ってくれて。そうしたことで、すーっと有里の感情が入ってきたんですよ」
三木「え、本当? 全然覚えてない(笑)」
取材・文/岩淵美樹


前篇:公開中!後篇:4月21日(土)公開!
累計発行部数1200万部を超える大ベストセラーとなった小畑友紀の少女マンガを前後篇の2部作で実写化。高校生の切なくも甘酸っぱい初恋を描いた前篇。後篇は矢野元晴(生田斗真)が東京へ引っ越してから6年、高橋七美(吉高由里子)の前から姿を消していた。七美は東京の大学を卒業し、出版社で働きはじめ彼女のそばには竹内匡史(高岡蒼祐)が。音信不通となった矢野に何が起こったのか? そして山本有里(本仮屋ユイカ)も釧路から姿を消していた。それぞれが想いを貫き大人へと成長していく姿を描く純愛ラブストーリー。(敬称略)

(C)2012「僕等がいた」製作委員会 (C)2002小畑友紀/小学館

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