── 女子中高生たちを中心に注目を集めている渡辺あゆによる人気少女マンガ『L?DK』を映画化。このタイトルは“ラブ同居”の略で、高校生の超王道ラブストーリー。山﨑が演じるのは、学校一のモテ男でツンデレ王子の久我山柊聖（くがやましゅうせい）。

「川村（泰祐）監督と、原作の柊聖を大切にしたいという話をしていて、撮影に入る前に筋トレをしたり、髪の毛を伸ばしたりとまずは外見から役に近づくようにしました。“イケメン”と呼ばれるからには、まずそこかなと（笑）。特に話し方や佇まいには気をつけましたね。狙ってカッコよくしようとすると不自然になるし、柊聖のカッコよさとは違う気がして。飾らない、自然体を意識しました。姿勢も監督からアドバイスをいただき、ピンっと背筋を伸ばして立つように心がけていました。なるべく、撮影以外では役を引きずらないようにしているのですが、今回はどこかに柊聖がいた気がしていて、“今の柊聖っぽかった”と思われることもあったみたいです」

── 女の子から憧れられる王子様のような存在。そこばかりクローズアップしてしまうが、川村監督から「ひとりの普通の男子高校生だから」と言われたことを山﨑は大事にしていたという。

「イケメン役と言われるとプレッシャーがとてもあるのですが、柊聖も普通の高校生なんだと思うと演じやすくなるというか、共感できる部分もたくさんありました。好きな人に素直に気持ちを伝えられないっていうのはすごくわかりましたね。監督は、撮影前にシーンの説明をこと細かにしてくれるんです。なぜ柊聖はそう思ったのか、葵はどんな気持ちなのか。脚本にはない部分を丁寧に教えて下さったのですっと入りこめました」

── 葵（剛力彩芽）が起こしたボヤ騒ぎから同居を始めることになったふたり。徐々に距離を縮めていく葵と柊聖と同様、山﨑と剛力さんの関係も近づいていったとか。

「やっぱり最初はうまく話せなかったんですけど、この物語はふたりの距離感がとても大事になってくるので、ちゃんとコミュニケーションを取ろうと思っていました。距離があるシーンでは、撮影前はあえてあまり話さなかったり、近づくときはよく話したり。葵と柊聖のままだったのかな……。 女性が多い現場だったので、撮影の合間にみんなで恋バナをしているんですけど、そこに一生懸命入っていきました（笑）。記録的な暑さだった昨年の夏に撮影をしていたのでロケは大変でしたが、現場の雰囲気もよくて乗り切れました。みんなで、次の日に着てくる私服のテーマを「海に行くときの服」、「モノトーン」とか決めたりして。それはけっこう盛り上がりました 」

── 甘酸っぱいラブストーリーを見事に演じきった山﨑本人の恋愛観とは？

「うーん。まだよくわからないけれど、お互い正直にまっすぐでいたいですよね。それは、恋愛だけじゃなく、人として大切な部分なのかなと思います。好きな女の子のタイプですか？　そうだな……。よく笑う人！　自然体な人がいいです」

── 好きだからこそ素直になれなくて冷たくしてしまったり、今の関係を壊さずに友達のままでいいと思ったり。現役高校生でなくても、誰もが経験したことのある青春の１ページ。憧れのデートシーンも満載でキュンとすること間違いなし。

「僕自身はあまり青春らしいことはできなかったので、撮影をしながら青春の疑似体験ができて楽しめました。同居という特別なシチュエーションではあるけれど、なんでもない日常を楽しく過ごしている葵と柊聖の関係性に注目してください。物理的な距離は近いんだけど、心の距離がなかなか近づかなくて切ないんですよね。恋愛だけでなく、友情もこの映画のひとつのテーマ。僕は友達に相談とかはしないけれど、なんとなく一緒にいる時間が好きで、一緒に楽しめることで日々友情を感じています。
ふたりを支えてくれるまわりの友達や家族の大切さも見どころです。ドキドキ、キュンキュンの青春ラブストーリーなので、恋がしたいな～と思ってもらえたら嬉しいです。クライマックスのシーンは何回も何回も頑張ったところなので、ぜひチェックしてください！」

── 最後に、今年20才を迎えるにあたり抱負を聞いた。

「きっと20才になってもまだまだ子どもだと思うんです。だけど、どんな些細なことでもカッコよくありたいですね」