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1987年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載がスタートした荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』(通称“ジョジョ”)は、現在第8部が連載中。その第4部が、連載30周年を記念して『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』として初めて実写映画化された。三池崇史が監督するこの超大作で、主人公の東方仗助を演じた山﨑賢人が撮影を振り返る。

三池組でジョジョという作品を経験して
『なんでもできんじゃねえか』という気持ちになりました

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――謎の連続変死事件が発生している架空の街“杜王町”で、“スタンド”という特殊能力を持つ高校生の東方仗助が、正体不明の犯人に立ち向かう。山﨑賢人にとって、少年マンガのレジェンドともいえる「ジョジョ」に主演することは、当然のように覚悟が必要なことだったが、大きな喜びも伴うものだった。

「30周年の『ジョジョの奇妙な冒険』は、自分よりも長く生き続けている、たくさんの人に愛されている作品なので、お話をいただいたときはものすごいプレッシャーを感じました。原作を読んでみると本当に面白くて、仗助をはじめ魅力的なキャラクターが活躍するジョジョの世界にハマってしまって。三池崇史監督ともご一緒したかったのでお引き受けしました。先輩の俳優さんたちとジョジョという作品を一緒に作れることも安心感でしかなかったです。原作ものを実写化するということで、いろいろな声をいただくことは覚悟しつつ、マンガとアニメをしっかりと見て、ジョジョの世界をリスペクトした上で、仗助の内面的な部分を大切に現場に入りました」

――山﨑が仗助に魅力を感じた部分とは、曰く「すごく人間ができているところ」。

「例えば、空条承太郎(伊勢谷友介)さんが突然現れて、『自分は仗助の父親のジョセフ・ジョースターの孫で、自分たちには“スタンド”という特殊能力があって、ジョセフには莫大な遺産があって……』というように、一度にたくさんの情報を与えられても、仗助はお金とかにまったく心を動かされずに、礼儀正しく対応する。頭が切れるし人間ができているなと感じました。自分を助けてくれた恩人への尊敬の思いから、その人のヘアスタイルを真似するところや、そのリーゼントに誇りをもっているところも筋が通っている。対立していた虹村億泰(新田真剣佑)に『何も死ぬことはねえ』と言えるところも格好いい。それでいて、テレビゲームに夢中になっちゃうところなんかは高校生らしいんですよね」

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――撮影に入る前には、原作をひたすら読み込んでジョジョの世界に浸り、トレーニングを積んで身体を大きくした。

「できるだけ大きくしたくて、赤身の肉をたくさん食べるようにしたり、ベンチプレス、腕立て、懸垂、スクワット、ダンベルなどを一通りやりました」

――岡田将生、新田真剣佑、山田孝之、伊勢谷友介ら豪華キャストが“スタンド”の使い手として登場する。

「伊勢谷さんも孝之さんも三池組の経験者なので、本当に心強かったです。孝之さんと将生くんは今回初めてお会いしました。『スターダストだな』と声をかけていただいて、同じ事務所の後輩として、僕の存在を気にかけてくださっていたことが嬉しかったです。孝之さんは記者発表でお会いしたときに、緊張している僕の背中を叩いて『(山﨑にとってこの作品は)俺でいう「クローズ」みたいな作品になるから頑張れ』と言ってくださって、感動しました。伊勢谷さんは、生き方そのものが格好いい方。そういう人が仗助を導いてくれる承太郎さん役を演じるという関係性が、お芝居をする上でありがたかったです」

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――『殺し屋1』や『無限の住人』など、“実写化不可能”と言われるマンガを次々と手がける三池監督との仕事は、山﨑に“自由”を感じさせたという。

「三池組でジョジョという作品を経験して、『なんでもできんじゃねえか』という気持ちになりました。自分のなかで、お芝居に対する楽しみの幅や欲が増えて、未来への可能性が広がったというか。原作という枠があるはずなのに、身体の動かし方や、感情の表現の仕方など、すごく自由にできたんです。それは、三池監督が基本的に、役者に自由にやらせてくれる方だからだと思います」

――あるシーンでは、三池監督のアドバイスに救われた。

「アンジェロ(山田孝之)のラストのシーンで、撮影が深夜だったこともあって時間を気にしてしまい、力みすぎてしまったんです。そのとき監督から、『キレすぎて一周回ってサーッと血の気が引いた感じで』という言葉をいただいて、すごく納得できました。そのとおりにやったものを、映像で見たら『ああ、こういう意味だったんだな』ともう一度納得できた。指示を細かく言われすぎると『ああしなきゃこうしなきゃ』とガチガチになってしまうけれど、監督のかける一言は、わかりやすくてしかも役者のテンションを上げてくれるので、すごくやりやすかったです」

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――杜王町という架空の街を作り上げるために、本作はスペインで一ヶ月に及ぶロケ撮影を行った。そのことも、芝居にプラスの影響を及ぼしたと実感している。

「ジョジョという世界を表現するために、見慣れない景色を杜王町として捉える作業に意味があったと思います。やはりジョジョを撮るために行っているので、オフの時間でも、常にジョジョのことを考えていた気がします。東京だと、自宅に帰ると日常がそこにあるから、どうしても作品以外のことに気が紛れてしまう。それがいいときもあるけれど、今回は作品と役に集中できて本当に充実していました」

――今までにないタイプの作品と役柄に挑戦し、主演として真ん中に立ち続けたこの経験から、たくさんのことを学んだ。

「こんなにもCGが使われる大作やアクションに、どう切り込んでいったらいいのかを学びましたし、先輩や同世代で頑張っているキャストのみんなから刺激を受けました。海外に一ヶ月以上滞在するという経験から学ぶものも大きかった。自分にとってジョジョは大きな作品です。今までとは違う、新しいイメージを見せることができているとも思います。でも、自分のことはさておき、とにかくスタンドがすごいんです! 出来上がったものを見たときに素直に『かっけー!』と興奮したし、世界観もちゃんとある。老若男女に愛されているコミックを、生身の人間がやる意味のある実写になっていると思いますし、先が読めないストーリーや、予測できない表現方法にびっくりすると思うので、ジョジョの世界に映画館でぜひ浸ってほしいなと思います」

――続編は? との問いかけには「あります! あると思います!」と、目を輝かせながら、前のめりで反応する。

「ぜひやりたいです。やりたいなー。今からウズウズしてます!」


Writing:須永貴子

インフォメーション

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(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会
(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』

2017年8月4日(金)全国超拡大ロードショー


コミックの売り上げがシリーズ累計で売り上げ1億部を突破している大人気作品を三池崇史監督が実写化。2年連続住みたい町ランキング1位に輝く、日本M県S市杜王町を、連続変死事件が発生し、住民を震撼させていた。スタンドと呼ばれる特殊能力を持つ高校生の東方仗助は、謎の殺人者たちと壮絶な戦いを繰り広げる。その戦いに、杜王町に越してきたばかりの高校生・広瀬康一が巻き込まれていく。

▼公式サイト
jojo-movie.jp

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