葵わかな「ジャンル的にガッツリな『恋愛モノ』も初めてですし、年齢的にも『朝ドラ』以外でまた奥さんの役をいただけると思ってなかったので、お話を頂いた時は驚きもすごくありました。今年22歳になるのですが、割と年齢よりも幼く見られがちというか、『娘っぽい』とか『孫っぽい』って言っていただくことが多くて、あまり大人っぽい役を演じるイメージがないなかで、『奥さん』という要素を私に見出してくださったことがすごく嬉しくて。『大人にならなきゃいけないんだなぁ』と思って、舞衣子役に臨みました(笑)」
竹財輝之助「僕は大好きな廣木(隆一)さんから声かけてもらったので、無条件で『やります!』と。廣木さんとは過去に何度かご一緒させてもらってるんですけど、割とパーフェクトな人物をやらせてもらうことが多くて。今回も台本を読んで『これは大変だな』と思いました。とてもじゃないですけど、僕は晴海みたいな“イケオジ”ではないですから(笑)」
葵「コミカルではあるんですが、ちゃんと“夫婦らしい”シーンも台本にありまして……(笑)。これまでそういったシーンを撮影した経験がなかったので、『どんなものなのかなぁ』って(笑)。『晴海さんと並んだ時に果たしてちゃんと舞衣子が魅力的に映るだろうか……』といった不安もあったんですが、竹財さんは本読みでお会いしたときからすごくフランクで、まさに晴海さんのような柔らかい雰囲気をお持ちの方だったので、あまり自分ひとりで考え込まずに、頼れる部分はしっかり頼らせていただきながらやっていこうと思うことができました」
竹財「僕はとにかくめちゃくちゃ楽しかったです。わかなちゃんのお芝居がしっかりしてるのはもちろんなんですけど、若さなりの勢いもちゃんと出せるし。毎日キュンキュンしてました(笑)。舞衣子は自分がモテているのに気づかないくらい天然っていうのもいいですよね」
葵「世代が違うことでいろんな問題が起きたりはするんですが、『年の差』っていう大きい壁があっても、人と人が付き合う根本ってそんなに変わらないっていうことをずっと説いているドラマな気がします」
竹財「ちょっとファンタジーではありますけど、あるひとつの夫婦の形として描いてあるんじゃないかなと思いました。もちろん『年の差』がメインテーマにはなると思うんですけど、そこをどう理解するのかというか。年の差を感じるのか感じないのか。お互い年の差が障害になるのかどうかがテーマだと思うんですけど。軽々飛び越えていく二人なので(笑)」
葵「興味を持つものとか、面白いと思うものとかって、それぞれの感覚に左右されるじゃないですか。『これ面白くない?』とか『可愛い!』って反応するポイントが似ていると、『あ、この人とは笑いのツボとか価値観が一緒だなぁ』って、距離が近くなるような気がします」
竹財「僕は一緒にいてラクかどうかですかね。『違い』が苦にならない二人であれば、むしろ価値観が違う方が楽しいかもしれない。自分の好きなものをお互いに『好き』って言い合える関係っていうか。やっぱりお互いラクな関係が一番かなと思います」
葵「え~どこだろう? でも、中身を見てくれない人も嫌ですよね。中身も見て欲しいし、でも相手のために頑張ってる部分もきっとあるだろうから、そういう部分も見て欲しいし。これは結構難しい問題ですよね。みんな日常でもああいう会話してそうだなぁって思いました」
竹財「うん。きっとみんなしてるだろうねぇ。でも僕は正直相手にどう思われても構わない。役のままだなぁと思われてもいいし、本当は違うのにと思ってくれる人がいてもいいし。それは見てくれる人の主観のままで。『どう見せたい』っていうのがなさすぎて『セルフプロデュースがなってない!』って、よく怒られるんですけど(笑)。僕のプライベートを知ってもらって、『僕ってこんな人。なのにこんな役をやる』じゃなくて、そのままの印象を受け取っていただいて『こういう人なんだろうな』って思っていただけたら最高ですけどね」
葵「私は一人暮らしで『気が向いたときに食べたいものを作る!』みたいな感じなので、晴海さんみたいにお客さまに手料理を振る舞える自信はないです(笑)」
竹財「僕にとって料理はストレス発散かもしれないです。料理するのは全然苦じゃないし、パートナーが嫌がらなければ僕が料理しますし」
竹財「僕は小日向星一さんが演じた『祥平くん』がすごく印象に残っています。小日向さんの脚本の読み方とか役の捉え方が独特で。僕が予想していた『祥平』とは全然違う『祥平』のキャラで来たのがものすごく面白かったです」
葵「皆さんそれぞれキャラが濃いので、会話するとお互いの関係性がすごく際立つんです。松本若菜さん演じる美雪と晴海さんの3人で会話していると、ふとした時に女性同士ならではの空気感が流れる瞬間があって、晴海さんが思わず『ふぅっ』って額に汗をかきそうな感じが出せたところが面白かったです。晴海さんしかり、舞衣子は年上の方と仲が良いキャラクターなんですが、河井青葉さん演じる職場の先輩の竹田さんも、友だちのような感覚がありつつもすごく包容力があって、『こういう方と同じ部署で働けたら楽しそうだなぁ』って思いながら、OLを疑似体験させていただきました(笑)」
葵「ショーン役の吉野北人さんは、すごくデザイナーとして才能がありそうな感じの穏やかな雰囲気をお持ちの方で『うわぁ、こういうデザイナーさん、いらっしゃいそう!』『素敵なものを作ってくれそう!』って思いました(笑)。でもショーンとは元同級生役でもあったので、遠慮のないやりとりみたいなものもすごく楽しかったです」
葵「女の子の格好をしている小野寺さんがものすごく可愛いんですよ。『衣裳とヘアメイクでここまで化けるって、監督はどうやって見破ったんだろう?』っていうくらい可愛くて。すごくハマってるなぁって感じました」
竹財「晴海は常に一歩引いたキャラクターではあるんですけど、理音の前だけでは唯一晴海が感情を剥き出しにするんです。小野寺くんがちゃんと理音として生きてくれたので、僕はすごくやりやすかった。この二人のシーンはぜひ注目してほしいかな」
葵「私自身も父とすごく仲が良いので、舞衣子とお父さんの関係性は割とイメージしやすかったです。実家に帰った時にお父さんから何か言われて、舞衣子があしらったりするシーンなんかも、すごくリアルな雰囲気が出ていたし。そもそも晴海さんと舞衣子が結婚したのもお父さんがきっかけなので、『偉大なお父さんだな』と感じながら演じていました」
竹財「僕は吹越さんには勝手に威厳を感じているので、妻のお父さんとしての距離感という意味では、僕が吹越さんに対してちょっとびびってる感じがちょうどよかったなと思います。ご本人はお茶目な方なんですけど、お芝居になると吹越さんはちょっと怖いので(笑)」
葵「お仕事でも年上の方とご一緒させていただいて、そのまま縁が続く方も多いですし、年の差を気にせず付き合えるタイプだと思います。お友だちにも年上の方が多いので……」
竹財「僕も普段から年の差を気にしたことはないです。もちろん先輩のことは敬いますし、接する時は緊張感もありますけど、年下にも『すごいなぁ』って思う子も沢山いるし、ベテランだろうが、子役だろうが、僕にとって俳優さんは年齢関係なくライバルなので(笑)。ある意味、子役が一番怖いんですよ。あの子たちは本当にナチュラルに生きているので、何が飛び出してくるか全然わからないから(笑)」
葵「イメージしようと思って読んでいるわけじゃないんですけど。読書と一緒で、読んでいると自分なりの映像が浮かぶじゃないですか。そういう感覚かな。妄想とか空想に近いというか」
竹財「僕も勝手に想像してキャラクターを動かしたりはします。でも大体皆さん僕の想像とは違う動きをしてくれるので、それがまた楽しいんですよね」
葵「舞衣子は24歳の設定で、実際の私よりも年上だったので、『原作に寄せたほうが雰囲気が出ていいんじゃないか』って、髪も切って色も染めました。今回は私にとって“ほぼ初”ともいえる『恋愛モノ』だったので、説得力を持たせるためにも『可愛くならなきゃ!』って思ったんです。『原作の舞衣子の可愛いさをどうやったらリアルな人間で表現できるのかな?』って考えたときに、やっぱりビジュアルを作り込むのが大事なんじゃないかって思ってたので、『舞衣子にはこういう系統のファッションが似合うんじゃない?』とか『これぐらいの色味のほうがいいんじゃない?』って、ヘアメイクさんや衣裳さんと色々と話し合えたのは楽しかったです。『ちゃんと私に務まるかしら?』『何とかして自分を変えなきゃ!』って準備中はすごくドキドキしてたんですけど、自分なりの舞衣子像を作っていきたいなぁっていう思いもあって、家に帰っても一人でメイクの研究をしてみたり。外見にも中身が出るんじゃないかなと思ったんです」
竹財「僕は衣裳に関しては基本的に全部プロにお任せです。今回も『髪切りますよ!』って言ったくらいで『こういうのを着せてくれるんだ!』って感じでした。作り手側がどんなキャラクターをイメージしているのかを読み取るためにも、衣裳合わせの時は僕はなるべくフラットな状態で行くようにしています。自分の印象はあまり伝えずに、監督と衣裳さん、プロデューサーさんが、どんな人物を想像してるのかなって、毎回重視しているというか。主観が出てくると僕になっちゃうので、プロがいるときはプロにお任せしてます」
葵「『年の差』って、自分が一つ年取れば相手も必ず一つ年をとるので、絶対に縮まらないもの。自分が生きていない時代を晴海さんが生きてきたこと自体が、舞衣子にとってはすごく寂しく感じることだったりもして……。もはやどうにもならない壁を目の前にしてはいるんですけど、むしろ壁があるからこそ二人の間で生まれる絆や愛情がすごく素敵なものになるんじゃないかなって。年が違うからこそたくさん話し合って、年が違うからこそいろんなことが面白く感じられる部分もあるわけで……。二人ならではの空気感や生活が皆様の目に少しでも素敵に映ったらいいな、と思いながら演じさせていただきました。ぜひ放送を楽しみにしていただけたら嬉しいです!」
竹財「『年の差婚』というタイトルではあるものの、きっとあまり『年の差』を感じさせないホンワカした夫婦になっていると思うので、そういったところにも注目して観ていただけたら嬉しいです。さらに5話あたりからガラッと展開が変わってくるので、是非そちらもお楽しみに(笑)!」
Writing:渡邊玲子
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12月15日(火)O.Aスタート!
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