「台本を読みながら、大筋はすごくわかりやすい作品だと思いましたが、プラスされていく要素が多く、先が読めませんでした。サスペンスなんですけど、1番最初に主人公が殺されることを言ってしまうんです。そして、誰が殺したのかという構成にするところが面白いなと思いました。また、女性陣は表の顔、裏の顔がある設定にして、それぞれの物語を持たせています。この話は一体何と言うのか。どういうサスペンスなのか。恋愛ドラマなのか、ドキュメンタリーとドラマなのか、すごく複雑で隠し扉みたいな作品だと思いました。こうなるだろうと予測したところから違うところにいってしまう違和感というか、いろんな人間のいろんな感情が感じられる作品だという印象です。個人的には、全6話でよくおさまったなと思います(笑)。本当に要素が多いので、どうやって6話で完結に向かっていくのか。撮影が終わってから客観的に振り返ると、ものすごい勢いで進んでいく物語だと感じています」
「台本を読んでいる時、自分の名前が役名でもそんなに気にならなかったんです。でも、現場に入ってスタッフさんに役名で呼ばれるとドギマギしました(笑)。現場に入ると今まで役名で呼んでいただくことの方が多かったので、普段は自分の名前を呼ばれないんです。でも、この作品ではずっと下の名前で呼ばれていて、例えば『若菜さんの立ち位置はここです』という感じで常に呼ばれていたので、最初はドキドキしました。後半になると慣れてきて、こんなに名前を呼んでもらえる事はないのでうれしいと思いましたが(笑)。現場では役者同士でも下の名前を呼ぶことが多いので、その点でも新鮮でした。女優キャストの役名がみんな下の名前になってるのは、リアル感などの演出だと思うんですけど、斬新ですよね」
「本当に無口な役で、前半はほとんど話していないと思います(笑)。衣装合わせの時、監督から若菜は口数が少ないから目線で表現してもらえたら嬉しいと言っていただいて、なるほどと思いました。実際、若菜は表情だけのお芝居や女性同士の目くばせがあったり、何を考えているのか、何を感じているのか、視聴者のみなさんに感じていただくお芝居が多かったです。監督と深く話し合ったわけではないんですけど、自分の思っていた若菜象と、監督が考えていたものが近くて、シーンの撮影の度、迷っていること、感じていることなど話し合いができて、いろいろな発見があって面白かったです」
「朝ドラの「わろてんか」以降明るい役をいただくことが多くて、今回のような静かな役は10代の時以来となります。外に出していく役が多かった中、久しぶりに胸の内に何かを秘めている役を演じて、以前はこういう役が多かったことを思い出し、懐かしい感覚になったりして(笑)。前より胸の内でぐるぐるしている感じの表現が増えていたらいいなと思いながら演じました。私自身若干ドキドキというか、難しさを感じながらやらせていただきましたが、その分やりがいを感じました」
「古川さんとは毎年何かしらでご一緒しているんですけど、1番最初の共演が舞台「ロミオ&ジュリエット」でガッツリとやらせていただいていたのが今でもすごく大きくて、お芝居の感覚や雰囲気が私もわかっていて、古川さんもわかってくださっていると思うので、今回はドラマですが対峙したときにこういう感じだったなという懐かしさ、波長の合う感じがありました。それは舞台で長い期間ご一緒していたことが大きいのかなと思います。また、3度目の共演で地方でのロケということもあって、以前よりお話もできました。毎回恋愛が絡んでくる役で、「なんだか面白いね」なんて話もしました(笑)。舞台の「ロミオ&ジュリエット」を見てくださった方々には、私と古川さんが今回どんな形で絡んでいくのか楽しんでいただけるかもしれません(笑)」
「地方ロケが久しぶりで、濃密な時間でした。休館中のホテルを貸し切り撮影をしたのですがコロナ禍で外出ができないなど制限はありましたが、ロケ地のレオマワールドが遊園地もある複合施設ということ、また現地のスタッフさんのお心遣いで、私たちが遊園地に行けるようにしてくださったりして、撮影がない日は女性キャストみんなで遊びに行きました。温泉にも入らせてもらって、リフレッシュする時間もいただけて良かったです。ソーシャルディスタンスを守りながらもみんなで和気あいあいと楽しみました。ロケ地としてテーマパークを貸していただいて、ゴージャスな雰囲気が映像に出ていると思います。また、女性7人は着るドレスも素晴らしくて、その他の衣装のバリエーションもたくさんありました。私はイメージカラーが緑だったんですけど、とても華やかで素敵でした」
「タイトルからしてもですが、どんな話なんだろうって思っていただけたらいいなと思っています。実際お話が進んでも、見えない感じもあって、ジェットコースターのような展開が待っています。全6話というコンパクトなお話ではありますが、いろんな物語を持っている女性が7人もいるので、その7つの物語と、古川さん演じるバチェラーの哲也さんの物語がどう交錯していくのか。そして誰が哲也を殺してしまったのか、予測していただきながら楽しんでいただけたらと思います」
Writing:杉嶋未来
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