「演じていくうちに、てんちゃんはすごくハートが強い人なんだと感じました。藤吉さんと駆け落ちをし、北村家に身を寄せますが、その時にいろんな人にいじわるをされて辛い状況に陥っても、マイナスの感情をプラスに変換して明るく発散できるんです。それは多分、人としての器の広さだったり、他人を受け入れて許すことができる心の強さがないとできないことだと思います。だから、てんちゃんはただ明るくて朗らかなだけでなく、根っこはものすごく強くてしっかりした人なんじゃないかと。息子ができて、寄席が大きくなると、夫婦の間や仕事上でもいろんなことが起こるんですけど、そのときのてんちゃんの対応の仕方を見ると、じつはすごく変わった人なんじゃないかと思うようになりました(笑)。藤吉さんはすごく馬力のあるエンジンを積んだ、無鉄砲なところが魅力の変わっている人です。そんな夫に寄り添ってついていくてんちゃんも相当なものだと思います。歳を取って会社での立場もどんどん変わっていくのに、笑いと藤吉さんを信じる気持ちだけはずっと揺るがない。初めて藤吉さんに出会った9歳から今演じている40代までの間、ずっと忘れずに思い続けてこられた、信じる力というか、ある種、前のめりな気持ちがあったからこそ、てんちゃんは藤吉さんと一緒に北村商店をここまで大きくできたんだと思います」
「例えば喋り方や声のトーンは意識して変えていますが、一番大事なのは自分がその年齢だと本当に思い込むことだと思っています。(息子の)隼也が大きくなるにつれて自分がその年齢に追いついていないんじゃないかと戸惑うこともありました。衣装やメイクでとても上手に歳をとらせてもらえるので、大丈夫かなと甘えたくなりますが、自分が母親だと言い聞かせる、その思い込む強さだけは忘れないように心がけています」
「最初の頃は正座から手をつかずにすっと立ち上がることができませんでした。また、お辞儀をする時は膝を曲げる、物を取る時は袂を持つなどいろいろな作法があり大変だったんですけど、自然にできるようになりました。最初は所作の先生から何度も注意を受けていたのですが、今では暇だなぁって仰ってます(笑)。今は洋服より着物を着ている方がしっくりくるかもしれないです」
「今回の作品では私が一番年下で、松坂(桃李)さんや濱田(岳)さんとは10歳くらい違うんです。できないことが多い私に対してやきもきされることもあると思いますが、私のやりたいことを尊重してくださるのがすごくありがたいなと思いますし、カッコいいです。だからこそ、困ったことがあったら助けてくださいとお願いできる素敵な環境です。そのうえ、藤井(隆)さんや内場(勝則)さんを始めとする笑いに長けたムードメーカーの方が多いので、リラックスできる笑いが絶えない現場です。本番でも濱田さんや藤井さん、内場さんがアドリブで笑わせようとされるので最初は笑いをこらえるのが大変でした。撮影スケジュールはハードですが、そんな先輩方にすごく助けていただいてます」
「時間があったら寝る、とにかく楽しむ、そしてみんなを愛することですかね。昼と夜に休憩が1時間ずつあるんですけど、扮装準備に30分かかるので、自由時間は30分しかなくて、10分でご飯食べて、10分寝る。目を閉じるとすぐに眠れるようになってだいぶ楽になりました。初めての1人暮らしの部屋に宝塚歌劇のカレンダーや猫のクッションを飾ったりして楽しんでいます」
「出来事が多すぎて迷ってしまうんですけど、やっぱり逆プロポーズのシーン(第8週)です。いつも先行して走っていく藤吉さんを追いかけるてんちゃんという印象が強いですが、唯一、てんちゃんが物語の大きな展開のスタートを切るようなシーンでした。てんちゃんの笑いにかける思いや藤吉さんを信じる気持ちを精一杯ぶつけるセリフがあったので、すごく印象に残っていますし、とにかく大事なシーンだったので久しぶりにすごく緊張しました。寄席を始めた時の笑いが好きで、笑顔が好きで、藤吉さんが好きという純粋な気持ちで突っ走っていた頃の、てんちゃんの初心に戻れるという意味でも私にとっては大事なシーンです」
「今後も新しいレギュラーキャストが登場したり、その週だけの特別なゲストの方がいらっしゃるので、毎週物語の印象が変わるのが演じていても楽しいですし、視聴者の方にも楽しんでいただけると思います。また1月は物語の大きな節目が訪れます。新章の始まりという感じです!てんちゃんが仕事や家族の問題に対して、勇敢に立ち向かっていきますのでハラハラドキドキしながら、応援モードで観ていただきたいです」
Styling:岡本純子/Hair&Make-up:吉田美幸
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