2014年3月24日更新
1975年から続くスーパー戦隊シリーズの最新作「烈車戦隊トッキュウジャー」で、常に冷静な判断を行うクールガイ、ヒカリ(=トッキュウ4号)を演じる横浜流星。子どもの頃は「忍風戦隊ハリケンジャー」に夢中で必殺技を真似していた。今はオフの日に買い物をしていても「ついグリーンのものを見ちゃうんですよね」と笑う彼が、オーディションや現場の秘話をたっぷりと語ってくれた。
もっとアクションをやりたいので
とにかく監督にアピールし続けます!(笑)
── 今回のキャスティングはオーディションで決定。印象に残っていることは?
「何回かオーディションがあったんですが、途中からずっとヒカリを固定してやってて。自分の中ではうまくいったなとは思ったので、あとは結果を待つだけでした。最終オーディションでは、トッキュウ1号(=ライト)を演じている(志尊)淳くんと3号(=ミオ)の梨里杏ちゃんがまさかの同じグループだったんです。淳くんは可愛らしい感じだったんですけど、頼れる感じはありましたね。ライトを演じるのを見ていても、やっぱりなんかレッドっぽい。梨里杏ちゃんは、ホントにお姉ちゃんという感じ。演じてるミオもしっかり者の役なのでぴったりハマってましたね」
── トッキュウジャーのメンバーの中ではブレーン的な役割を担う。オーディション時から役作りしていたというヒカリを横浜はどのようにとらえていったのだろう。
「オーディションのときは台本を事前にもらえなかったので、会場に早く行ってとにかく覚えて、いろいろと書き込んでいました。演じる時間は短かったんですが、クールでちょっとツンツンしてるけど優しいところもあるなとその時点では思ってて。そのときは僕が感じたヒカリをどう演じようかということをずっと考えていました。でも今思うと、オーディションではカッコつけすぎちゃってたかな(笑)。ツンツンはしているけどホントは素直な子なんですよ、ヒカリって。でもあまりみんなの前では素直な自分を出せないんです。物事をじっくり考えているし、どんな時でも冷静でいられるし。出演が決まってからもこんなところもあるんだと新しい発見がありました」
── 登場するアイテムや必殺技には、列車にまつわる楽しい仕掛けが満載だ。トッキュウ4号の基本カラーはグリーンだが、他のメンバーとカラーを電車のように"乗換”することができるので、いつの間にかスーツの中のキャラクターが変わっていることも多々。
「乗換変身は実は僕も分からなくなります(笑)。アフレコのときは、戦っていくうちに『あれ、今どの色だっけ?』って(苦笑)。だからここ(胸)の1号2号っていうところを見ながらやってますね。今までになかった乗換変身とか連結とか手を組みながら戦ったりだとか、列車と絡めてるところがいっぱいで。合体するときに「ドア、開きまーす」っていうアナウンスが流れて、ロボットができあがるところとかは列車ならではだと思うし、変身も独特で「白線の内側に下がってくださーい」っていうのに合わせて、敵も白線までちゃんと下がるところとかも面白い(笑)。台本だけ読んでいるとシリアスな、重い話っていう感じがするんですよ。それこそ第1話から出てきた『死んでるも同然』っていうセリフとかもあるので。でも映像で観たり撮影をしていると、コミカルな場面もあるし、深い場面も描かれていますし、1話1話に伝えたいことがちゃんとあって、いいバランスでそのふたつが混ざっているのがすごいですよね」
── 初回は「6回くらい観ました」と明かす。反省点や課題を自身の中で反芻し、次の芝居へ活かすためだ。現場にはそんな若い役者陣に檄を飛ばしてくれるベテランスタッフがいることも横浜にとっては心強い様子。
「カメラマンの松村(文雄)さんっていう方がいらっしゃるんですけど、"ザ・男!”って感じの方なんですよ。『そこ違ぇよ!』とか『芝居ヘタクソ!』とか言われるんですけど、逆にそれが良くて。それって僕たちのことをホントに愛してくれているからだと思うので、とても感謝しています。あと以前松村さんと話したときに、『ここは学校なんだ。だからいろんなことに挑戦して失敗していいんだよ。学校を卒業したときが本番だから』って言われたことがあったんです。その言葉がホントにグッときて。今までは恐る恐るやってたことがいっぱいあったので、もっと挑戦していこうって思いましたし、これからヒカリとしても役者・横浜流星としても頑張って、この作品を通して成長していきたいと思います」
── 小学生の頃、軽い気持ちで始めたという極真空手では中学時代に階級別で世界一になった経験を持つ。今後、劇中でアクションを見せてくれるのも楽しみなところだ。
「つらくて辞めたくなったときもありましたけど、空手のおかげで体が動くし、自信にもつながっているので今はやってて良かったなって思います。3月公開の映画では、ちょっとだけ素面でアクションをやりました! 動けるっていうことをアクション監督の福沢(博文)さんが知ってくださって、カッコいい動きを付けていただいたんです。あとはテレビでも空手を活かせたらと思います。トッキュウ4号のスーツアクターの竹内(康博)さんがすごい動きをされる方なので休憩時間に教えていただいたり、福沢さんにも積極的にアクションやりたいですって言ってますね。ヒカリはあまり動き回るキャラではないんですけど、実は強くてテクニックがある設定なので、とにかく言い続けます!(笑)」
── 子どもたちの新たなヒーローとして奮闘する横浜だが、彼にとってのヒーローとは?
「やっぱり両親には憧れるというか、一生背中を追い続ける存在だと思います。先ほどカメラマンさんが"ザ・男!”って話をしましたが、僕のお父さんもそんな人なんです。大工をずっとやっていて自分よりも若い時から働いているんですが、弱いところを見せないんですよ。それに普段は無表情であまり笑わないんですが、このオーディションに受かったときは笑ってくれました、『よかったな!』って。嬉しかったですね。空手をやっているときは大声で応援してくれたりちゃんと褒めてくれたり、弱音を吐かないのも男って感じがして、尊敬しています」
── 今後、ヒカリのキャラクターを知る上で外せないのがけん玉。寡黙でマイペースな彼の心情に寄り添う重要なアイテムの存在は気になるところだ。
「初めて台本を見た時に、"ヒカリ、けん玉をやっている”と書いてあって。あれ? 特技けん玉って言ってないぞって思っていたんですけど(笑)。脚本の小林靖子さんにうかがったら、子ども時代のヒカリたちと成長した彼らの間には記憶がない空白の時間があって、それが一致していないといけない部分があるので、みんなと離れて一人遊びをしていることが多いヒカリはけん玉を持っていることにしたんだそうです。これからなぜヒカリがけん玉を持っているかも分かりますし、だんだん物語も広がってきます。最後の展開は小林さんもどうしようかまだ何も考えてないとおっしゃっていたので、僕もドキドキです! ぜひヒカリにも注目してください!」
Writing:林田真季
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『烈車戦隊トッキュウジャー』
毎週日曜07:30~テレビ朝日系にて放送中
夢と想像力を持つ者だけが見える光り輝く線路「レインボーライン」と、その上を力強く走る正義の軌道車輌「烈車」。一方この世界を闇で包み込もうと敷かれた路線「シャドーライン」と悪の軌道車輌「クライナー」。かつて二つの路線は互いの線路に乗りいれ激しく戦った結果、レインボーラインは多くの烈車を失った。
そして時は流れ――。ある日、悪の化物「シャドー」は子どもたちを乗せたクライナーの中に紛れ込んだ一人の青年を見つける。「ライト」と名乗る青年は、生身のままシャドーと戦い始める。さらに烈車から姿を見せる4人の戦士たち。ライトが仲間になり5人となった正義の戦士「烈車戦隊トッキュウジャー」。虹の線路を走る夢の特急列車、運命の出会いが物語の幕を開ける!
(C)2014 テレビ朝日・東映AG・東映
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