「非日常の世界観だからこそ楽しめた気がします。頭脳戦、心理戦にハラハラドキドキするし、騙し合って、またさらに騙し合うという駆け引きの連続で、読んでいて引き込まれました。プラス、アクションもあり、それぞれのキャラクターの強い個性も魅力の一つだと思いました」
「原作でもすごく人気のある部分を抜粋していて、僕も原作を読んでいておもしろい、楽しいと感じていたエピソードでした。原作を大事にしている印象もあったし、だからこそ、気合を入れて撮影に臨まないといけない、という気持ちになりました」
「貘には絶対的な自信があるので、そこは常に意識していました。原作は漫画ですが、演じるのは僕ら生身の人間です。僕たちが演じる意味を考え、ただかっこよくて、頭がキレて、ギャンブルに強いというだけのヒーローではなく、人間味というのかな、人間臭さのみたいなものを足していきたいと思っていました。貘は常に勝負のときには覚悟を決めているし、“もしかしたら、負けてしまうんじゃないか”というところも含めてポジティブに楽しんでいる男なので、狂気的な部分だけでなく、あえて、弱さや脆さ、怖さを感じる部分を表現したいと思っていました」
「貘は自分らしく自分の思うままに生きている男で、カリスマ性があるから人がついてきます。でも、無意識に人を振り回してしまうこともあるから、結局1人なんですよね。だけど、梶はずっと慕って付いてきてくれる。まあ、何度か離れられそうにはなったけれど(笑)、貘は自分が好き勝手に動いても付いてきてくれる信頼感、絆のようなものを梶に感じていると思います。だから、梶を放っておけなかったんじゃないかな。漫画を読んでいるときには気づかなかったけれど、演じていて貘はそんな気持ちだったんじゃないかな、と感じていました」
「撮影の合間に、他愛のない話はずっとしていました。内容が全く思い出せないくらい、多分、どうでもいい話ばかりしていた気がします。今思うと、それが、演じ方を細かく相談しなくても自然にバディ感を出せた理由なのかもしれません」
「役を自分に持ってくる人と、自分が役に行く人がいるけれど、勇斗は前者。子犬のような親しみやすさ、明るさ、楽しいことが大好きという彼のキャラクターが、梶の中に垣間見えてくるんです。それがすごくおもしろいなって。僕は極力(自分)を消したいほうなので、役を演じるうえで、自分の性格や今までの経験とかも役を演じるうえでは別に要らないけれど、彼はそれを役に入れている気がします。入っちゃっている感じなのかな。それは梶なの?勇斗なの?という瞬間をおもしろく感じながら演じていました」
「主に貘についてのすり合わせです。中田監督の頭の中には、すでに“画”があることが、話す中で伝わってきました。お互いに本当にいろいろと意見を出し合いました。押し通しすぎればただのわがままになるけれど、お互いが納得するまで話し合った結果、2人でいいと思ったものを掬い上げて一緒にシーンを作ることができました。充実した時間でした」
「うれしいです。そういう意味で言うと監督も頑固でしたけれどね(笑)。映画にしては珍しいくらいカットを割っていたのが印象的でした。普通に何カットも撮るのではなく、ちょっと特殊で、かっこいいカットを模索しているのが伝わってきて。最初は戸惑いもあったけれど、話していくうち、やっていくうちに、監督の頭の中のイメージに近づいているんだろうな、というのをなんとなくですが感じていました。出来上がった画がすごくかっこよかったので、“なるほど”と納得しました」
「普段、自分が生きている世界とは違う世界線ではあるけれど、貘にとっては当たり前の世界なので、自信を持って緊張せず、飄々としてそこに立っていました。死を前にしても表情には恐怖感なんて微塵も出さない、そんなところは、作品を通してずっと大事にして演じていた部分です」
「現場で監督から“もっと声を大きくしてほしい”とリクエストされたときには、正直、自分の中に違和感があったのですが、効果音やBGMが入った出来上がった映像を観て、その理由が分かりました。僕は、現場で監督にリクエストされた時点ではそこまで自分で計算できていなくて、いい勉強になったと思います」
「明るい役を演じるときは“スタート!”のタイミングでテンションをしっかり持っていけるような準備が必要です。器用なタイプではないので、演じる役によって普段から心がけることが違ってきます。貘のように自信もないし、なんなら日陰で静かに暮らしていたいタイプで明るくもないので、『嘘喰い』の撮影中はネガティブ要素を減らして普段からポジティブにいること、意識的に自信を持つようにすることを心かげていました。なので、撮影中はいつもより明るかったと思います。もう今は、戻っていますが(笑)」
「メインの賭けのシーンのひとつである“ハングマン”の撮影では、カットがかかるたびに佐田国一輝役の三浦翔平さんと台本と原作、アニメをチェックしながら作り上げました。台本にない部分を、原作やアニメから足したりもしました。人気があるエピソードですし、原作ファンの方にも楽しんでいただけるように丁寧に作りました。個性的なキャラクターもたくさん登場するので、ぜひ、楽しんでください!」
Writing:タナカシノブ
MOVIE
2月11日(金)公開
pagetop
page top