「台本を読む前、監督がリョウに思い入れがあるとおっしゃっていたので、その視点で読ませていただきつつ、なんだか苦しくなったのを覚えています。みんなの思いもですし、リョウに感情移入しました。藤井さんの作品は観ていたので、藤井さんのトーンというか、藤井さんらしいと思いました」
「結婚をしたり、東京に出たり、みんながいろんな人生を歩んで環境が変わっていく中、自分も何かやりたいと漠然と考えているけど、実は自分が空っぽだなと思う部分や、そこで感じた焦りを周りに見せたくないと考えるところは、すごく共感しました。常に何かできると思って生きているけど、空っぽだな自分って。今は違いますが、僕は台本を読んだ当時、仕事をしているけど、部屋に帰ってから一人で今後どうしよう、どうなっていくんだろうっていう思いで悶々としていたんですよね。周りと比べてしまって、自分は空っぽだなって思ってしまったり。それだけに、この作品で描かれていることは、自分の中ですごく刺さりました」
「僕自身、中高でちょっとやんちゃしていたので(笑)、そのときのことを思い出したり、周囲のやんちゃな友人を参考にして作り上げていきました。撮影当時、20歳になったばかりで、タバコを初めて吸ったんですけど、クラクラして大変でした。監督が実際の煙を感じたいとおっしゃったので頑張ったんですけど、テイクを重ねれば重ねるほど気持ち悪くなりましたね(笑)。普段飲まないので、ノンアルコールのビールも大変でした。自分以外の6人が役としていてくれたこともあり、リョウとしていられました。やんちゃで愛くるしいリョウとしていられたのは、みんなのお陰です」
「みんなすごく仲が良かったんです。地方ロケが多かったので、撮影中ずっと一緒にいて、他愛のない話をして、ごはんを食べに行って。今でもみんなと監督と連絡を取り合って、夏前に「ニッポン・コネクション」でドイツに監督と行ったときも、「頑張れー」って応援してくれました。大切な仲間です」
「みんなと力を合わせ、2年間かけて作り上げた作品です。キャスト、監督で再結集して、今後どうしようと話し合って、そのとき、お互いに本音でぶつかりあいました。そして、みんなで完成させたいと監督に気持ちを伝えて、次の夏のスケジュールは絶対に空けると約束しました。実際、2017年、去年の夏に撮影が始まって、戸塚(純貴)くんが新たに入ってくれて、キャストスタッフ一同がそういう思いで諦めずに作った作品です。僕個人から見ても、青春の日々の中、人の感情に重きを置いた作品をなかなか演じてこなかったので、観てくださる方々に新しい顔を見せられるのがすごく嬉しいです。僕自身、こういったジャンルの映画は好きですし、すごく勉強させてもらいました」
「今は作品を通して、青春させてもらっていますが、個人的には12、3歳のころですね。空手をやっていたし、友達とやんちゃして先生に叱られて。あの頃はギラギラかつキラキラしていました。今は丸くなり、あの頃を振り返ると、ギラギラしていて良かったなって思いますし(笑)、懐かしく思います」
「7人いろんなことがあって変わっていきますが、最終的には根本的なことは変わっていません。僕はキリの母親を演じる工藤夕貴さんがキリに「失敗したっていいじゃない。それがあなたの人生なんだから。5年も頑張ったんだから自信を持ちなさい」って言うシーンが好きです。僕自身、背中を押された気持ちになりました。人生歩む中、失敗してもいいんだ。失敗したからこそ、今の自分があるんだって。みなさんにも、失敗を恐れていても、一度きりの人生がもったいないので、どんどん挑戦して人生を大切にしてほしいです。自分の役としては、初めてのことにいろいろ挑戦したので、すべてを楽しんでいただきたいです」
Writing:杉嶋未来
MOVIE
12月7日(金)公開
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