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横浜流星 映画「流浪の月」ティーチイン!
同作は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。
9歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(広瀬すずさん)、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(松坂桃李さん)。いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印を背負い、息を潜めるように生きてきた2人。誰にも打ち明けられない秘密をそれぞれに抱えたまま、15年後に再会した2人が選んだ道とは-?
横浜が演じるのは、家内更紗の婚約者・中瀬亮。更紗を愛しながらも、彼女の過去を受け止め切れず自分を見失ってしまう、生々しい“人間”を感じさせる役どころとなっている。
上映後に行われた舞台挨拶に登壇した横浜は、「皆さん、本日はありがとうございます。こういう映画について語るトークショーはないので、皆さんがどういう質問をされるのかドキドキしていますが、楽しんでいただけたらいいなと思っています。短い時間ですが、よろしくお願いします。」と挨拶。
「流浪の月」撮影前後での心境の変化について、「今までも作品と役に自分の中で全力を注いてきたつもりですが、「流浪の月」前はまだまだ駆け出しで作品を並行してやることも多くて、十分な準備期間がなく大丈夫かなという不安もありながらやっていたのですが、「流浪の月」は、その準備期間をたくさんいただけて幸せな環境を監督が用意してくれたおかげで、より魂を込めて、命を懸けて、作品や役に熱く向き合わなければいけないなとより感じましたし、その後の作品はすべてそういう思いでやっています。」明かした。
亮という役は、嫌悪感を抱かれる部分もあり、役を引き受ける上で何かを失う恐怖心はなかったですか?という質問に、「あまりなかったです。たくさんの方に知っていただけたのは『初めて恋をした日に読む話』というドラマだったのですが、その前から僕は居たし、でもそこでたくさんの方に知っていただいて、自分の中でうわっとなってしまう部分もありました。ということは、移り変わりが激しい世界だなと十分感じたし、ずっと人気があるという保証はなくて、自分の代わりはいくらでもいるからこそ、本物にならないといけないなという思いがありました。亮は嫌悪感を抱かれるような役だし、現にインスタグラムのフォロワーが277万人から274万人に減って(笑)、でもそれは自分にとって役者冥利に尽きるなという風にも思いましたし、もちろん悲しい思いもありますが、それでも自分を応援しようと思ってくれる人を大事にしたいなと思っています。」と真摯に語った。
数々のインタビューで、広瀬すずさんとの関係性を築くのに苦労したと明かしているが、「撮影までに関係性を作れるようにたくさん会ったり、待受にして目につくようにしたり、とにかくずっと更紗のことを考えることによって、自分の中で気持ちがどんどん芽生えていきました。」とコメント。最後の更紗との別れのシーンはどのような気持ちで演じていましたか?という質問には、「人にのめり込んでいるときって、自分が分からなくなるじゃないですか。でも会わなくなって我に返ったとき、いろんなことを感じると思うんですけど、最後に更紗に会ってもう無理だって思ったわけですよね。それを受け入れたくないけど、ずっと執着してきたけど、最後に形はあれですけど訪ねてきてくれて話したとき、でもやっぱり好きな人で、散々なことはあったけど、自分の心ももたないし…。せめてもの償いじゃないですけど、そういう気持ちがすごくありました。」と語った。
李監督や広瀬すずさんに引き出されたシーンは?という質問には、「つまらない答えですが、すべてです。相手がすずちゃんでなければ、李さんでなければ、こうなっていなかったです。こんなに準備期間をいただいて、作品に入ってすごく濃い時間だったのに、その期間のことをほとんど忘れているんです。それぐらい分からない感情になっていたんですけど、それをすべてコントロールして、引き出してくれたのはお二方です。今までで一番周囲から観たよと言われるんですけど、それは有難いですけど、全部が自分の力ではなくてお二人の力なので本当に感謝しています。」と話した。
最後に、「皆さんの満足がいくトークが出来たのかは分かりませんが、少しでも皆さんがこの時間を良いと思っていただけたなら嬉しいです。たくさんの方からこの作品を観たという言葉が多くて、自分の中でも挑戦であり、転換期になりました。本当にたくさんの方にこの作品を観てほしいです。まだ周りにこの作品を観ていないという方がいたら、ぜひ観てねと伝えてください。本日は本当にありがとうございました。」とメッセージを送った。
映画「流浪の月」は、絶賛公開中!
ぜひ劇場でご覧ください!
<ストーリー>
雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて…