「前作を観たときにとても面白くて、物語に引き込まれていきました。だからこそ、僕がこの中に入って大丈夫なのだろうかという不安がありました。原作の漫画もそうだし、映画としても人気の作品なので、新入部員が入るとなれば注目されますよね。まだ芝居経験も少ないし、もちろん競技かるたも初めて。素晴らしい作品に参加する喜びや楽しみはあるけれど、正直、9割は不安でした。その不安を感じ取ってくださったのか、みなさん気にかけてくれて、話しやすい環境を作ってくださったのが嬉しかったです。特に“机くん”を演じた森永悠希くんはクランクインのときに食事に誘ってくれて、自然と距離を縮めてくれました。今でも遊びに行ったり、仲良くさせていただいています。撮影中も、僕の心の支えというかよりどころでした」
「筑波は競技かるたの経験者でそれなりに強くて、プライドを持っている男なので、練習はいっぱいしました。かるた部がある学校で一緒にやったり、競技会に参加したり。もちろん家でも練習しましたし、アプリで百人一首を覚えたりもしました。芝居でカバーできることではないので、かるた競技をやっている人が見ても、原作ファンが見ても納得してもらえるように必死で頑張りました。少しでも原作ファンの方に失礼がないよう、原作がもつ雰囲気を壊さないように努力は惜しまずに臨んだつもりです。かるたって地味なイメージがあったけれど、やってみるとスポーツなんですよ。体力も使うし、集中力も必要。札が取れたときの爽快感や喜びは、サッカーでゴールを決めたときと同じくらいに大きい。個人戦もありますが、団体戦でのチームワークの重要性はサッカーや野球と同じだと思います」
「最近は俳優として個人活動をしていますが、自分にかかる責任が大きいですよね。もちろんM!LKとして活動しているときも責任は感じるけれど、困ったときにはメンバーに相談できるし、パワーが5倍になる。お芝居も楽しいけれど、M!LKのメンバーに会うとグループで良かったなと思うんです。映画のなかでも、個人戦はまわりに仲間がいても1対1の闘いで、自分自身が責任を追うもの。チーム戦は声をかけあったり、5人でつながっているなと感じるんです。何気ないひと言で冷静になれたりして、絆を感じる瞬間でもありました。チーム、仲間っていいなと思える作品です」
「同世代ですが、みなさん役者としてキャリアがあって、とても刺激を受けた現場でした。最初は緊張しましたが、徐々に慣れて撮影の合間に一緒に遊んでいましたね。カードゲームやジェンガをしたり、M!LKのことを知ってくれていて『ダンス教えてよ』とか声をかけてくれたり。本当に学校みたいで、新入生を迎え入れてくれた先輩たちという感じでした。休日にカラオケに行ったのも楽しかったです。驚くのが、みなさん休憩中は楽しくはしゃいでいるのに、本番になるとキリッと切り替わること。空気がかわるのを肌で感じることができました。学ぶことの多い作品でした」
「自信家で強気なところをどう表現していいのか、筑波は本当に悩みました。普段は盛り上げ役で自信ありそうに見える僕ですが、実は内気なほうなんですよ。今までは内にこもる役が多かったので、どちらかといえば自分に近いところがあり演じやすかった部分ですが……。筑波は僕なりに態度が大きい感じを出したつもりだったけれど、初日は小泉徳宏監督からダメ出しされました。僕なんかがこんなにガツガツやっていいのかなという気持ちがあったのか、どこか気がひけていたみたいで。監督に呼ばれて『もっと声を出してみようか』とアドバイスをいただきました。そこから、筑波をつかめたような気がします。同世代の人たちが楽しそうに芝居をしているのを間近で見ることができ、『芝居を楽しむってこういうことか』と少しだけわかった気がしました。芝居に正解はないからこそ、トライしてみることって大切だなと感じました。筑波を演じ終え、次の作品に入ったときに自分でも驚くほど楽しめていたし、自由に演じることができました。たくさん刺激を受けて成長できたのかなと思います」
「『上の句・下の句』からの3年分の思いがつまっている作品になっていると感じました。僕が演じた筑波も、新入部員として新しい風を吹かせたかなと思います。漫画でもおなじみの舌をペロっと出すシーンもありますので、ぜひチェックしてください。足にあざができるほど競技かるたの練習もしました。かるたのシーンは迫力があるし、決勝戦のシーンは手に汗握るほど。演じていても感極まってしまいました。みんなの思いがつまった作品なので、ぜひ劇場で見届けてください」
Writing:岩淵美樹
MOVIE
3月17日(土)公開
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