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2月21日(金)より公開となった映画『Red』。直木賞作家・島本理生の原作を三島有紀子監督が映画化、主人公・塔子を演じるのはさまざまな作品で幅広い役柄を演じて来た夏帆。かつて愛した男との再会で、心も身体も解放し、自由にそして美しくなっていく女性を繊細かつ大胆に演じている。本作で、さらなる新境地を切り開いた夏帆に、役作りや撮影現場の様子、女性として塔子にどのような感情を抱いていたのかを聞いた。

夢を見る感じで、映画の中で疑似体験してもらえれば

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―― 30代に向けて、大人な役もやっていきたいと思っていたという。

「過去にご一緒した三島監督が主演としてオファーしてくださったことが、とても嬉しかったと同時に、三島さんの強い覚悟のようなものを感じたんです。とても難しい役だと思いましたが、そんな強い想いを持ってくださっている三島さんとだったら、また新たなものが見えるのではないかと、オファーをお受けしました」

―― 実は、いろいろな想いを秘めていて、さまざまな表情を持っている塔子にどのような感情を抱いていたのだろうか。

「塔子は、自分の気持ちを優先するより、相手から求められるものに応えてしまう女性です。そこで割り切れればいいのですが、彼女はそこまで器用ではない。そんな彼女がとても人間らしいと感じました。ただ、今まで塔子のような女性を演じたことがなかったので、なかなか彼女のことを掴めず、演じていてとても苦しかったです」

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―― もどかしさを感じるキャラクターへのアプローチについては、監督や共演者と話しながらの手探りだったと振り返る。

「真(間宮祥太朗)との結婚は、安定があって絶対的な幸せがある。でも実際に満たされているかというとそうではない。自分の世界には家庭と子育てしかなくて、それを窮屈に感じています。真とのコミュニケーションがうまくいってなくて、もう女として一生見てもらえないという葛藤がある中、鞍田(妻夫木聡)さんと出会って、鳥かごの中にいた塔子が解き放たれていきます。いろんな世界を見ることで自分自身を探し出していくのですが、塔子の演じ方に悩んだときはその都度、立ち止まる時間を頂いて、監督や共演者の方たちと話しながら演じていました」

―― 時系列での撮影ではなかったことも、感情のコントロールに難しさを感じた点だという。

「物語のクライマックスとなる新潟パートから撮影がスタートしました。妻夫木さんとは初共演で、塔子と鞍田さんの関係を、お芝居のなかで築きあげる前から、演じなくてはならなかったんです。最初のリハーサルのときに戸惑ってしまって、監督からも「ふたりの関係が見えない」と言われてしまいました。そこから撮影が始まるまで、監督や妻夫木さんと話しあう時間を設けていただいて、自分がいかにこの作品の世界に身を置けるのか、なりふり構わず覚悟を決めて撮影に臨みました」

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―― 鞍田、真、小鷹(柄本佑)というタイプの違う3人の男性を、塔子そして夏帆自身はどのように見ていたのだろうか。

「まったくタイプの違う、それも魅力的な3人ですよね。正直、塔子が羨ましいと思いました(笑)現場でも女性スタッフとよく3人のなかで選ぶなら誰にする?という話をしていたのですが、個人的には小鷹さんが好きです。
小鷹さんとだったら等身大の自分で居ることができそうだから。鞍田さんに絶対的に惹かれてしまう塔子の気持ちは痛いほどわかります。でも、鞍田さんと一緒になると困難な道を辿ることになりそうで、、
考えだすといろいろ妄想が膨らんで止まらなくなりますね(笑)」

―― 居心地の良い人を選ばず、安定を与えてくれる人を捨て、鞍田の元へ行く。塔子にとっての鞍田とは?

「きっと初恋であり、忘れられない人だと思います。別れた後も夢に出てくるくらい、ずっと塔子の中に鞍田さんの存在があって、それは何ものにも代えがたい。真とうまくいってないときには、思い出すことも多かったと思います。そんな人がいきなり目の前に現れて、手を引っ張られたら……。どうしても抗うことはできないのではないでしょうか」

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―― 塔子の決断をどう感じたのだろうか。

「きっと受け取り手によって様々な意見が飛び交いますよね。でも、周りから求められるもののなかで自分を押し殺して生きてきた塔子が、彼女の人生においてきっと初めて本気で選び取ったものだと思うんです。そこには想像を絶するような葛藤があったと思いますが、自分自身で決断をしたということに意味があるのかなと思いました」

―― もし、結婚生活がうまくいっていたら、塔子の決断は違っていた?

「どうなんでしょうね。なんにおいてもタイミングなのではないかと思います。生きていて、もしも、なんてことはないじゃないですか。このタイミングで再会したのも、すべてこのふたりの運命だったんじゃないかなと思います」

―― 公開を待つ皆さんにメッセージを!!

「恋愛映画でありながら、塔子というひとりの女性の生き方を描いた作品です。
人生において様々な選択に迫られる瞬間があると思うんです。そこで何を選びとっていくのか、ご自身のRedとはなんなのか、この作品が考えるきっかけとなっていただけたら嬉しいです」


Writing:タナカシノブ/Styling:清水奈緒美/Hair&Make:石川奈緒記

インフォメーション

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(C)2020『Red』製作委員会

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『Red』

2月21日(金)公開


大雪の夜、車を走らせる男と女。
先が見えない一夜の道行きは、ふたりの関係そのものだった。

 誰もがうらやむ夫、かわいい娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子。10年ぶりにかつて愛した男・鞍田秋彦に再会をする。鞍田は、ずっと行き場のなかった塔子の気持ちを、少しずつほどいていく…。しかし、鞍田には“秘密”があった。現在と過去が交錯しながら向かう先の、誰も想像しなかった“決断”とは――。

▼公式サイト
redmovie.jp

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