「過去にご一緒した三島監督が主演としてオファーしてくださったことが、とても嬉しかったと同時に、三島さんの強い覚悟のようなものを感じたんです。とても難しい役だと思いましたが、そんな強い想いを持ってくださっている三島さんとだったら、また新たなものが見えるのではないかと、オファーをお受けしました」
「塔子は、自分の気持ちを優先するより、相手から求められるものに応えてしまう女性です。そこで割り切れればいいのですが、彼女はそこまで器用ではない。そんな彼女がとても人間らしいと感じました。ただ、今まで塔子のような女性を演じたことがなかったので、なかなか彼女のことを掴めず、演じていてとても苦しかったです」
「真(間宮祥太朗)との結婚は、安定があって絶対的な幸せがある。でも実際に満たされているかというとそうではない。自分の世界には家庭と子育てしかなくて、それを窮屈に感じています。真とのコミュニケーションがうまくいってなくて、もう女として一生見てもらえないという葛藤がある中、鞍田(妻夫木聡)さんと出会って、鳥かごの中にいた塔子が解き放たれていきます。いろんな世界を見ることで自分自身を探し出していくのですが、塔子の演じ方に悩んだときはその都度、立ち止まる時間を頂いて、監督や共演者の方たちと話しながら演じていました」
「物語のクライマックスとなる新潟パートから撮影がスタートしました。妻夫木さんとは初共演で、塔子と鞍田さんの関係を、お芝居のなかで築きあげる前から、演じなくてはならなかったんです。最初のリハーサルのときに戸惑ってしまって、監督からも「ふたりの関係が見えない」と言われてしまいました。そこから撮影が始まるまで、監督や妻夫木さんと話しあう時間を設けていただいて、自分がいかにこの作品の世界に身を置けるのか、なりふり構わず覚悟を決めて撮影に臨みました」
「まったくタイプの違う、それも魅力的な3人ですよね。正直、塔子が羨ましいと思いました(笑)現場でも女性スタッフとよく3人のなかで選ぶなら誰にする?という話をしていたのですが、個人的には小鷹さんが好きです。
小鷹さんとだったら等身大の自分で居ることができそうだから。鞍田さんに絶対的に惹かれてしまう塔子の気持ちは痛いほどわかります。でも、鞍田さんと一緒になると困難な道を辿ることになりそうで、、
考えだすといろいろ妄想が膨らんで止まらなくなりますね(笑)」
「きっと初恋であり、忘れられない人だと思います。別れた後も夢に出てくるくらい、ずっと塔子の中に鞍田さんの存在があって、それは何ものにも代えがたい。真とうまくいってないときには、思い出すことも多かったと思います。そんな人がいきなり目の前に現れて、手を引っ張られたら……。どうしても抗うことはできないのではないでしょうか」
「きっと受け取り手によって様々な意見が飛び交いますよね。でも、周りから求められるもののなかで自分を押し殺して生きてきた塔子が、彼女の人生においてきっと初めて本気で選び取ったものだと思うんです。そこには想像を絶するような葛藤があったと思いますが、自分自身で決断をしたということに意味があるのかなと思いました」
「どうなんでしょうね。なんにおいてもタイミングなのではないかと思います。生きていて、もしも、なんてことはないじゃないですか。このタイミングで再会したのも、すべてこのふたりの運命だったんじゃないかなと思います」
「恋愛映画でありながら、塔子というひとりの女性の生き方を描いた作品です。
人生において様々な選択に迫られる瞬間があると思うんです。そこで何を選びとっていくのか、ご自身のRedとはなんなのか、この作品が考えるきっかけとなっていただけたら嬉しいです」
Writing:タナカシノブ/Styling:清水奈緒美/Hair&Make:石川奈緒記
MOVIE
2月21日(金)公開
pagetop
page top