「大好きなミステリー作品に主演としてオファーをいただいたことは嬉しかったんですけど、それと同時に不安もありました。好きだからこそしっかりと表現できるのかという不安と、緊張感みたいなものを感じました」
「まずは報道記者がどういう仕事をしているのか勉強しました。報道記者の一日のスケジュールだったり、基本的にどういう仕事にどう関わっているのかということを知って、私自身、報道記者について詳しく知らなかったので、そんなことまでするんだと驚いたのを覚えています。報道記者は、自分でスクープを取りに行くだけではなく、現場でキャスターとして報道することもあり、臨機応変にいろんな仕事をこなさなければいけないので、本当に大変だなと。スクープが撮れたらすぐ持って帰って報道しなくてはいけないので、そのために原稿を用意したり、いろいろな準備もしなきゃいけない。寝る時間があるのか心配になるぐらい、ずっと動いているので、体育会系のイメージがつきました」
「撮影に入る前は、社会人2年目で24歳の役なので、もっとフレッシュだったり、ガツガツした役柄を想像していたんですけど、撮影が始まってみると、もちろん熱量はあるのですが、達観している部分も感じられました。演じる前までは感じられなかった多香美の強さを、演じることによってより感じることができたのが面白いなと思いました」
「多香美はある辛い過去があって、それによって正義感が高まって、正しいことを突き詰めている性格だと思うんですけど、一方で、何かに追い込まれるように、持たなきゃいけないと、すごく頑張っている苦しいイメージがあります。私自身も正義感は強い方だと思いますがそういうところでは、同じ正義感でも、また少し違うのかなと思います」
「現場の説明、被害者、加害者の名前や住所を説明するという説明台詞がすごく多かったので、そこは大変でした。感情を入れるわけではなく、事実を覚えて説明するというのが難しかったです。感情を込める台詞なら、長台詞でも頭に入りやすいんですけど、住所や人の名前は完全に記憶力を問われる台詞だったので、どうやって自分に落とし込むのかというところに苦戦しました」
「現場はすごく刺激的でした。ミステリーって見る側は犯人がわからない状態で進んでいくから、見る側の楽しさというものがあると思うんですけど、撮影する側は全てを知った上で撮影しているからこそ、役者さんのちょっとした仕草から、なぜそうしているのかというのが分かるというか、裏側を見れているような気がしてすごく面白かったです。池内さんをはじめ、皆さん私が思っていた以上に、素敵なキャラクターとして現場にいてくださったので、すごく楽しかったです」
「多香美も報道記者になってから2年目の新人で、やっと仕事になれてきて、これからどういう報道記者になりたいかと考えたり、駆け出しの一歩を踏み出しているという役でしたが、自分も多香美を通して、この作品の中に存在することが出来たと思っています。私も、いろんな作品でいろんな役をやらせていただいて、様々な職業・性格のキャラクターを演じてきました。これまで、作品を一つ終えるたびに、一つずつ成長できていると思っていましたが、まだまだ成長段階だったのかなと、改めて気づくことができました。これからは年齢的にも、誰かに教える立場の役だったり、ひとつ成長した状態から始まる役も増えていくと思うので、そんな役柄に近づきたいと思いますし、自分はまだまだ成長している途中だと気づけたことが、この作品で得たことだなと思います」
「ミステリー作品なので、もちろん犯人がいて、真相がわかり、それが誰かわかるという楽しみもありますが、それ以外にも、キャラクターひとりひとりに個性があって魅力的です。ミステリー好きの方にももちろん観ていただきたいですし、これまであまりミステリーに触れてこなかったという方は、逆にこの作品で衝撃を受けてミステリーにハマってしまうんじゃないかと思うぐらい楽しんでいただける作品だと思います。また、報道サスペンスというジャンルはあまりないと思うので、新鮮に楽しんでいただけたら嬉しいです。ミステリー部分も、本当に深いというか、真相がわかったあとに改めて考えさせられるような内容になっています。私自身もこの作品をとおして、正義についてすごく考えさせられました。正義は、人によって感じ方、考え方も違うし、声に出していかないと伝わらないもの。自分の良いように捉えていないかと考えるキッカケになれたら嬉しいです」
Writing:makie enomoto
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