「原作も読ませていただき、映画は原作とは違った結末の迎え方をするんですけど、市井(昌秀)監督らしいほっこりするエンディングになっているなと思いました。二人の7年間の純愛は、壁ドンなど、今ドキの衝動的な描写があるわけではありませんが、二人が思いあっている気持ちがしっかり伝わってきました。私が演じた小春は、高校生の時から一人の人を一途に思うエネルギーを持っていて、自分が秘密を抱えていても、相手を思いやれる優しい女の子だと思いました」
「市井監督からは、今回の作品では、演じるのではなく、『自分の中に、そして中島さんの中に、それぞれ小春と亮太がいるから、自分との共通点を探して、拡大してほしい』という言葉をいただきました。そこでまず小春のポジティブで明るいところ、強いところを探しました。その次に自分との共通点を探して、ポジティブで明るいところがすごく似ていると思ったので、寄り添っていくことができました。でも、自分だったら秘密を抱えたとき、相手に打ち明けてしまうかも。小春は相手のためにグッとこらえて言いません。そこに彼女の強さが見えたので、私も見習ってこういう女性でありたいと思いました」
「中島さんは、とても気さくで、明るくて優しい方。レディファーストですごい紳士なんです。現場で女性のスタッフさんが重たいものを持っていたら、自然に手伝っていたり、こんな紳士的な人本当にいるんだって(笑)。自分では亮太のようにたそがれたりすることがあるとおっしゃっているんですけど、私は気さくな中島さんしか知らなくて、全然イメージがわきませんでしたね。実は最初はお互い人見知りで1枚壁を感じてしまったんですが、すぐに打ち解けました。インした日が節分で、に恵方巻きを用意してもらっていて、中島さんがお昼に先に食べていらして、私は後ろで食べたんです。恵方巻きって、食べながら話せないじゃないですか。それをわかっていて、中島さんは私にたくさん話しかけて、笑わせようとして(笑)、それをきっかけに自然に話せるようになっていました」
「こんなに自分を思ってくれる男性ってなかなかいないと思います。事情があって一瞬それたりしましたが(笑)、それでも小春のことを思ってくれている。こんなに一途な男性は女性にとって理想だと思います」
「中島さんとやりとりをする中で自然と生まれました。自然と亮太と小春になっていましたね。改めてお芝居やシーンについて話すわけではなかったんですけど、中島さんは亮太っぽいなって思いましたし、私は小春っぽいと言ってもらえることが多くて。亮太と小春が待ち合わせをしていて、小春が来て、今日はどこどこに食べてに行こうっていうシーン。横断舗道を渡っているとき、つまづいて亮太にぶつかる。今の転んだでしょ?ってやりとりは、私と中島さんの自然なやりとりなんです。まさかあそこが反映されるとはいうシーンで(笑)、自分が見ていても亮太と小春っぽいなって思いました」
「最近は壁ドンなど印象的なラブストーリーが多くてこういうラブストーリーも素敵ですが、この作品は日常のリアリティあふれる恋愛を描いています。恋人らしい描写が少ない分、二人が触れ合ったり、抱きしめあったりするシーンがすごく際立ってお互いのことを思いあっているんだなって感じ取れると思います。完成した作品を観て、二人が抱きしめ合う恋人らしい描写を初めて観たとき、実際日常の中で恋人らしいことを感じるのって、こういうときだけだろうなって。日常の中に埋もれて、忘れていた“キュン”が映像で現されていて、今までにないラブストーリーになったと思います」
「一緒にごはんを食べる人もすごく大切だなって、この映画を通して思いました。ここにごはんがあって、一緒に食べる大切な人がいるというのも当たり前のことではなくて、奇跡なんだなって。ごはんといえば、フライドチキンを作るシーンがあったんですけど、このシーンは楽しかったです! 小春だったらこういうことしそうだねってありえない工程をふみながら、撮影して。亮太がそのチキンを食べてくれているのを見て嬉しかったですね。こんなチキンも食べてくれるんだなって思うと、すごく亮太が愛おしくなりました。このシーンは、二人の恋人らしい描写があるので印象にも残っていますし、感情がグッと入りました」
「私はべとべとの無造作なチキンを作ってしまって、それでも亮太はおいしく食べてくれるんですけど、小春が別れを告げたあと、亮太にはえみりちゃん(美山加恋)という新しい彼女ができて、彼女にもチキンを作ってもらいます。その彼女の作るチキンのほうが、おいしそうなんですよね。亮太とえみりちゃんのシーンでは、私はもちろん現場にはいないわけで、今二人が撮影しているんだって思ったらそわそわしてしまって(笑)。オフの日はアクティブに外に出たいタイプなんですけど、この日はオフながらも、家から出られなかったです(笑)」
「ケツメイシさんが大好きで、夏になると「夏の思い出」聴いて浸ったりしていたので、まさか主題歌を提供してくださるなんてと嬉しかったです。映画を観て書いてくださったと伺っているんですけど、エンディングにケツメイシさんの曲が流れ、映画の中のシーンが点々と重なる中、二人の関係性を温かく包み込んでくれている楽曲だなと思いました。MVにも小春として出演させていただいて、コマ撮りという新しいことに挑戦させてもらいましたが、高校時代のシーンで出演いただいたエキストラのみなさんにもまた出演いただいて懐かしく、楽しく撮影することができました」
「柴咲コウさんが大好きで、女性としても、女優さんとしても、アーティストとしても、才能が豊かで魅力的な方なので、憧れであり、目標です。今まではただ憧れるだけでしたが、これからは私が柴咲さんを目標とするように、私も誰かにとってそういう存在になれたら素敵だなと思うようになりました。そのために自分がやったことのない役やいろんなことに挑戦して、自分を磨いていきたいです。普通の女の子を演じることが多いので、極度な悪役とかを演じてみたいですね。そういう役を演じることによって、どんな自分が見られるのか、どう成長できるのか、興味があります」
Writing:杉嶋未来
MOVIE
2017年1月7日(土)公開
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