「脚本を読んだときから、とてもピュアで温かい心をもった登場人物たちに惹かれました。なんていうんだろう、角がなくてやわらかいんです、みんな。僕が演じた清太郎も、その人が犯した罪は恨むけれど、その人のことは恨まない。どんなことがあっても人を信じ続ける男。そして、その人の悪いところではなく良いところを見つけようと努力する。傍から見たらバカなヤツかもしれないけれど(笑)」
「似ているのかな…。自分も生まれ育った場所や仲間への恩は忘れたくないという思いはあります。悪人がいないお話で、清太郎もとってもピュアなんですよ。だから、細かいことは置いておいて、10代の頃の気持ちで演じようと心がけました」
「難しいですよね。父親の目線で見ると、25年会っていなくても娘であることは変わらなくて、愛情も変わることはないと思うんです。でも、新しい家族、娘も大切に思っていることも事実。どんな理由で別れることになったのかは本人(六郎)にしかわからないけれど、自分の娘には嫌な気持ち、つらい思いをしてほしくないというのは親なら誰もが思うことではないでしょうか。さつきの立場からすれば、どうしてこうなってしまったのか事実の向こう側にある真実を知りたいけれど、知ることが怖いという気持ちもあると思います。会いたいけれど会うのが怖い、色々な思いが募って葛藤があったはずです。思うのは、会いたい人には何年経っても会いたいし、大切にしている人への思いは何年経っても変わらない。家族の絆は何事にも代えがたいものだなと感じられる作品だと思います」
「シンプルに家族が笑ったときに自分も笑えたら幸せだと思うし、その人の幸せを自分の幸せだと感じられる人と一緒にいられることですかね」
「単純に嬉しかったですね。宅間さんの舞台は観に行くと、毎回泣いちゃうんです。泣けるけれど、お腹が痛くなるくらい笑える素敵な作品が多くて大好きです。撮影現場も、スタッフやキャストとの距離感が心地よくて、仕事仲間というよりは家族みたいな存在でした。芝居をしに行くというよりは、スタッフや共演者に会いたくて現場に通っていた感じ。撮影方法も1シーン1カットの長回しで、舞台のようで僕にとっては新鮮でした。居酒屋の場面では倉科カナさん演じるさつきの感情があふれて、とても生々しい迫力あるシーンですし、さつきが六郎さんに会いに行く前の表情も印象的です」
「自分が大切にしている人、大切にしたい人と観ていただきたい作品です。自分のなかに無意識にたまった汚れみたいなものが洗い流されていく感じがします。嫌なニュースが多い今、優しくありたいと思えるし、こういう世の中であってほしいと思える世界観。観終わったあと、大切な人をより大切にしたいという思いが芽生えてくるはずです」
Writing:岩淵美樹/Cover Photo:笹森健一
MOVIE
10月26日(金)公開
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