「時代も設定も違う“新しいジョゼ”とタムラ(コータロー)監督からも伺っていたので、原作も実写も見ずにアフレコに臨みました。なので、僕にとっては台本がすべてでした。恒夫とジョゼ、この二人の繋がりがすごく好きです。二人が一緒になるからこそ行ける場所、見えるものがあって素敵な作品だと思いました」
「監督の細かなリクエストに応えながら、納得のいくまでストイックに突き詰めて、キャラクターを掴むまで何度も演じていました。ジョゼはとても難しいキャラクターですが、繊細で弱い部分もとても丁寧に表現していて、清原さんが演じるジョゼと、監督がイメージするジョゼがひとつになっていく様子を見ることができました」
「管理人なのに恒夫がジョゼに引っ張られ、振り回されるところにおもしろさを感じていました。でも、監督からは、そういう面も恒夫の魅力ではあるけれど、ジョゼからの攻撃に気づかない鈍感さも恒夫らしいところ。マイペースさや自分の世界観を持っている男の子でいてほしいというリクエストがありました」
「どれだけマイクの前で涙を流しても、その感情が声にのらないと意味がない。そこが一番難しいところでした。キャラクターを掴み、恒夫とジョゼの二人の関係性が出来上がるまで、特に序盤には演じる難しさを感じていましたが、役が出来上がり恒夫とひとつになっていた後半では、意識しなくてもすんなり気持ちをのせることができました」
「普段の芝居なら、自分一人で成立させなければいけない。アニメーションでは何人もの人の力で恒夫が動き、表情ができて、声がのることで、恒夫の生きている感情が出来上がる。聞こえてくるのは自分の声だけど、いろんな人たちの結集したものが恒夫という人物を作り上げていると思うと、すごく感動しました。何十人、何百人で一人のキャラクターを作ることって大変な作業だけど、自分がその一部になれたことはとても幸せで光栄だと思いました」
「アフレコが終わるたびに「二度とやりたくない」と思うほど、満身創痍な状態になります。今回は監督からのリクエストも多く、朝から晩までずっとスタジオの中で映像を観ながら集中してやったので、修行のようでした(笑)。慣れないことをやっているというのも理由の一つですが、声の仕事は文字通り、身を削りながら挑んでいます。でも、完成したものを観ると感動するし、しばらく時間が経つと素敵な経験だなって思えます。お話をいただけるのはとても光栄ですし、機会があれば今後もチャレンジしていきたいです」
「計算がなくて、いやらしさもない。常に自然体というところがすごく好きです。それがジョゼに居心地の良さを感じさせていたのだと思います。似ているなと思ったのは、負けず嫌いなところ。僕自身も、自分の決めたことは納得いくまでやりたいタイプなので。共通点を感じる一方で、本当の意味でどうしようもない壁にぶつかったとき、恒夫のように立ち上がれるだろうか、好きなものへの原動力、エネルギーは僕にあるのだろうかと考えさせられました。一人で乗り越えるのは絶対無理。だからこそ、自分にとっての大切な人、支えてくれる人って誰だろうと思い浮かべてみたりもしました」
「素敵な家族を作ることです。家族と過ごす時間がとても楽しいので、僕自身も子どもと一緒に釣りに行ったり、キャンプに行ったり。いろんなところに行ってたくさんのことを教えられる親になりたいと思っています。趣味が多いので、いろいろと役立つ気がしています(笑)」
「恒夫とジョゼを見ていると、自然体でいられて居心地がいいって大切だなと思いました。自分ができないこと、自分では見えない世界を見せてくれる人には憧れるし尊敬もします。リスペクトはとても大事だし、自分にはないものを持っている人にも惹かれますね。ジョゼのように普段ツンツンしている子が、ふとしたときに素直な部分を見せたときには、ギャップにキュンとして、もっと知りたくなります」
「ただファンタジックなだけじゃない、リアリティや生々しさも描いている作品です。映画館ではジョゼのあたたかくて優しい世界観に浸っていただきたいです。観終わった後には、あたたかい気持ちで帰っていただけるんじゃないかなと思っています」
Writing:タナカシノブ
MOVIE
12月25日(金)公開
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