「やっと公開されることになって、まずは一安心です。このような状況のなかで、劇場で映画が上映できる環境を整えてくださった方々に本当に感謝しています。やっとみなさんに観ていただけることが本当に嬉しいです」
「僕は声の仕事の専門ではないけれど、そこでやらせてもらうからには、『役者が声優をやっている』という言い訳や、『初めての経験をさせていただく』という甘えは許されないと思います。お引き受けした以上は、結果を100パーセント出さなければ、専門職である声優さんにも、お客さんにも失礼になってしまうので。そのために、120パーセントの結果を出すつもりで取り組みました」
「このソニックという役は高い技術が求められる役だったので、経験がそれほどない自分にどこまでやれるのかという不安はすごくありました。だから、『絶対無理です』と、一度断ってしまったんです。でも、子供の頃から慣れ親しんだキャラクターが映画になって、そのキャラクターの日本語の吹替えを誰にやらせようとなったときに、僕に話が回ってきたと考えると、ものすごい奇跡なんですよね。お断りしてからもソニックのことがどうしても頭から離れなくて。『これはやらなかったらいつか後悔するかもしれない』と思ったので、飛び込む決心をしました」
「これまでゲームやいろいろなところで描かれてきた、カッコよくて足が速いソニックのパブリックなイメージはもちろん、アメリカ版のソニックの声からも、表現の豊かさなど、たくさんのヒントをもらいました。でも、演じる上で一番軸となったのは、ソニックの生みの親である、セガのチームの人たちからいただいた、『ソニックは、子どもたちにとって、近所の憧れのお兄ちゃん。「あのお兄ちゃんについて行ったらなんか面白いことが起きそう!」と思われるような存在』という言葉でした。いつでもどんな状況でも飄々としていて、どんな状況も楽しむ余裕がある、クールでおちゃめなイメージが浮かびました」
「ソニックの生い立ちやパーソナルな部分が、作り込まれたビジュアルで、たくさん描かれているのは、映画ならではだと思います。僕自身、ソニックのことをより知ることができたし、さらに好きになりました。だからこそ、彼の繊細な表情や感情を、声で表現できたらいいなと思いながら演じました」
「ソニックは地球でやりたいことリストを次々と実現していくんです。その1つがスポーツで競うことでした。他のお客さんと揉め事が起きたときに、高速で移動できるソニックならではの戦い方をするシーンは、音楽も最高ですしカッコいい! お芝居としては、ソニックが楽しんでいていつもよりテンションが高いので、そこを意識しました」
「とても完成度が高い、劇場で観るのにぴったりなアトラクションムービーだと思います。映像も音楽もカッコいいし、ストーリーもテンポが速いけれど、すごく丁寧に描写されているので、気づいたらソニックに感情移入してるはず。『楽しい映画』と言うとありきたりですけど、本当にそうなんですよね(笑)。ちっちゃい子も、大人も、絶対に観て損はない映画になっていると思います」
「ステイホーム中に、エンタメの意義を考えさせられました。たいへんな状況ですけど、音楽もドラマも映画も雑誌もないと寂しい。なくても死なないんだけど、ないと困ると思っていただけるものを作りたい。それくらいの意味をもたせたい。昔からそう思ってはいましたが、改めて強く思うようになりました。6月から現場に立って思うのは、『あー、やっぱり楽しいなー』と。基本的にやることは変わらないんですけど、状況は変わっています。新しい当たり前がいろいろできているので、僕もそこには徐々に慣れていかないといけないと思っています。止まっちゃったら何もできないので。何より、観てくださる人たちがいての僕らの仕事だということは、忘れずに届け続けたいです」
Writing:須永貴子
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