「まずは二十歳の区切りで作るものなので、今まで見せてきてない顔を見せる。そんな新しい試みを意識して取り組みました。写真選びにも参加させていただいたのですが、普段の俳優の仕事は何かしら作品があって、役柄を通して皆さんの前に立つ仕事。つまり素の自分を見ていただく機会って本当に少ないんです。ところが写真集とBlu-rayでは、そのフィルターが取っ払われた状態で、あくまで自然体で、つくりこまず、背伸びをするわけでもなく、とにかく“ただのハタチの男”がそこにいて。あまりにもそのまんまの僕が詰め込まれているから、これを作品として世の中に見せていいのかな?なんて戸惑いもありました。もちろん、今までも役を通して自分をさらけ出している部分はたくさんあるんですが、とはいえスイッチはONになっている。でも、この作品たちに関して言えばOFFモードなんですね。そのせいか、カメラの前に立つときも、気負う感じもなくって心がすごく楽だった。作品も役も担ってないってこんなに自由なんだって実感できた。だからたぶん、この写真集とBlu-rayを見ていただくと、僕のことを好きになってくれる人もいれば、『あれ?なんかイメージと違う』って肩透かしをくらう人もいるかもしれないです(笑)。なので、手に取っていただいた方の自己責任でお願いします!」
「僕の仕事は、見てくださる方がいないと成立しない。作って、誰にも届かずに終わりになってしまったら、ただの自己満足になってしまう仕事だと常々思っていて。だからこそ、役を介していない僕の姿で大丈夫?なんて思うわけです。どの仕事も同じですが、最終的にお客さんに届くことが仕事のモチベーション。どう届くのかはわからないけど、見てもらわないことが一番悲しいことで、この写真集に関しては、応援してくださる方への感謝の気持ちだったり、これから僕のことを知ってくださる人への自己紹介のような一冊になればいいですね。でも、本音を言えば、役者をしているからこそ僕自身よりも演じた役柄が愛されたり、嫌われたりするほうが嬉しかったりもします。誰かの記憶や印象に残れたら幸せ。そういう意味では、ドラマの役名で声をかけてもらえるとすごく嬉しいんですよ」
「ハワイは初めてだったんですが、行く前は『今さらハワイってベタなんじゃない?』と少々ナメている自分がいました……。ところがいざハワイに行ってみると、あまりの心地良さに『あ、こりゃ正月にみんなハワイに行くわけだわ』って納得しちゃいました。悔しいけど(笑)。景色も空気も居心地もすごく良くて、純粋に感動したし、テンションも上がった。夕日を見て、あまりのキレイさにうっかり泣きそうになったりとか……。ハワイだったから嘘のない感情とかリアクションが引き出されました。五感がすごく刺激された場所でもあります」
「海ではしゃいでるところとか、ぐしゃーっとした顔になってるところとか、写真集じゃないと出せない表情かな。雑誌だったらカットになっているであろう表情がいっぱいあって、でも、それを見せることに意義があるんです。僕が個人的に好きなのは、やっぱり夕日のカットです。日本のそれとは色が違ってすごく濃い色合いで、心が洗われるってこういうことだ!と経験できました」
「撮影はディレクターさんと二人きりでした。ハワイでやってみたいことをやっていくっていうシンプルな企画だったので、僕としてはまるで家族旅行のホームビデオを見ている気分。あまりに自分がありのまますぎて『これ、大丈夫かな?』って今でもちょっと不安です(笑)。ナレーションにも挑戦したんですが、台本は大まかな流れだけで、映像を見ながら自分にツッコミを入れたり、自由にコメントしていきました。自分の映像に自分でナレーションって変な感じでしたね。カメラが回ってる、いないは関係なく、普段からしている“おふざけ”も入っています」
「年齢はすごく意識をしていました。なんでかというと、僕が14,15歳のときに学園ドラマなどで当時20才くらいの人と共演することが多く、撮影を終えて飲みに行ったりする姿を見ていて、すごく憧れを抱いてたんです。僕自身、年齢よりも大人に見られることがあったから、先輩方が近い存在ではありながらも、でも実際には未成年と大人っていう大きな差も感じていて。頑張っても追いつけないけど、でも追いつきたいって思っていたから、ハタチはひとつの特別なタイミングだったと思います。ただ実際になってみると、人って二十歳になったからといって急には大人になれるわけじゃない。根本的なところは小学生のときと全然変わってないなぁって最近よく思います」
「今まで、どの現場にいってもずっと最年少ポジションでした。だから10代であること、年下であることに対して甘えられた部分も少なからずありました。20代に突入して、『まだ中学生なのにえらいね』『まだ高校生なのにすごいね』っていう場所から離れて、やって当たり前、できて当たり前というところに足を踏み込んだ実感があります。気づいたらどんどん年下の人も出てきていますし、改めて帯を締め直してぶっ飛ばしていかなきゃ。それに、同世代には……負けたくないですね。絶対負けたくない。これ、あんまり言いたくないですけど(笑)」
「仕事の抱負は元気に現場に行くこと。風邪を引かずに過ごすのが目標。体調を万全に整えるためには、健康的な食事や習慣が求められると思います。風邪を引くとパフォーマンスに影響が出ちゃうので。将来的に役者としてどうなりたいっていうのは特にないんです。というのも将来どうなっているかわからない仕事ですし、先のことを想像して悩むのは時間がもったいないし、とりあえず目の前のことをひとつひとつ集中してやっていくだけだと思うから。1年後、2年後どうなってるかわからないっていうのをネガティブに捉えず、楽しみにするためにも“今”を大切に。理想をいえば、役者をやりたいと思っている間は演じ続けられたら嬉しいです」
「来年は旅行に行きたいです。毎年思っているだけだったから。空き時間があるとスマホで旅行サイトをチェックするのが好きで、良い旅館、素敵な温泉をチェックして、『ここなら車で2,3時間かなぁ』とか『2日休みがあったら行けるじゃん』って妄想しながら。そういうのを妄想で終わらせず、きちんと実現して、充実させたいですね。こういうのって、“できそうか、できなさそうか”じゃなくて、もう“やるかやらないか”なんですよね。自分の意志次第。どうにかスケジュールをこじ開けて、来年こそは決行したい。いや、します! 普段からも、なんとなく過ごしてしまう時間を減らしたいと思っていて、観たい映画や舞台、行きたい場所や買いたいもの、勉強したいことを最近はメモするようにしています。仕事の合間の時間も充実させて、『今日のあの時間、何してたっけ?』とならないような一日を積み重ねていけたらと思っています」
Writing:長嶺葉月
BOOK
1月14日(月・祝)発売
PHOTO EXHIBITION
Blu-ray
2月14日(木)発売
※2019年1月14日(月・祝)のイベントにて先行販売
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