「僕が演じた渡は、普段はお調子者だけど、俯瞰(ふかん)で物事を見られる大人の部分を持っています。ムードメーカーでテンポ感や空気を変える人物でもあると思い、そこは十分にはじけさせてもらいました。新城毅彦監督も“好きにやっていいよ”って言ってくださったので、自由にやらせていただきました」
「一見何も考えていないように見えますが、誰よりも一番に仲間のことを考えているヤツ。そういうところが好きなんです。ふざけるところはふざけて、そういう芯が出る部分もきちんと出して、変化をつけていきました」
「この名言の部分では悩みました。原作を読んでも、そのシーンがきちんと成立していて、このセリフをどう言うのか考えました。かっこいい人はさりげなく口にするじゃないですか(笑)。普段は口にしないようなセリフでしたが、構えすぎず、ニュートラルなテンションでさらっと言えるように心がけました。ちゃんと真っ直ぐに、公生、そして観ている人に伝えたいと思いながら。でも、賢人とか、共演者のみんながこのセリフをいじってくるんです(笑)。賢人なんて“女の子が教えてくれるっしょ”ってふざけてきたりして(笑)。彼とはプライベートでも仲良くしているので、撮影する前からそんな感じでいじられていました」
「役やシーンについて、二人で真面目に話し合いました。賢人とは普段はよくふざけあっていますが、やっぱりすごいなって。楽器を弾く賢人と広瀬すずちゃんは、半年ぐらい前から練習を始めていたんです。現場に入ってからも常に演奏シーンに向けて楽器を持ち歩いて。僕はずっとその姿を間近で見てきたし、そのストイックさ、本番できっちり仕上げてくる意識の高さに触れて、刺激を受けました。完成した作品で、演奏シーンを観たときは、心から感動して鳥肌が立ちました。主演の二人が揺るぎなく真ん中で立ってくれていたので、僕は自由にやらせてもらえたのかなって思います」
「そうなんです、偶然にも僕は3人全員と共演経験があって、現場では率先していい雰囲気をつくれたらと思っていました。結果、3人と仲がいいはずなのに、僕が人見知りしてしまって、率先はできなかったように思いますが(笑)、4人とも気がついたら仲良くなっていましたね。みんなフィーリングが合って、居心地がすごくよかったです」
「そう思ってもらえたら、最高に嬉しいです! 4人で自転車で走るシーンとか、屋上のシーンとか、現場の“青春”の雰囲気、楽しくて濃密な時間がぎゅっと詰まった作品になりました」
「この作品のように、自転車に乗って、みんなで海辺を走るとか、学生時代にしかできないと思うんです。学校の男友だちとはすごく仲がいいので、卒業を考えると寂しくも。どうでもいいことで友だちと笑いあって過ごす。そういう時間を大切にしたいです」
Writing:杉嶋未来
MOVIE
9月10日(土)全国東宝系ロードショー
pagetop
page top