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週刊ヤングマガジンに連載中の『監獄学園−プリズンスクール−』(平本アキラ)が、アニメ化に続き実写ドラマ化される。男女比1:200の全寮制の高校に入学してきた主人公のキヨシら男子5人だったが、女子風呂をノゾこうとした罪で学園を支配する裏生徒会に懲罰棟(通称プリズン)に入れられてしまう。脱獄を目指し共に戦うなかで育む友情(と恋と欲望)を描く青春ストーリーで、中川大志は主人公のキヨシを演じている。

演じるうちにだんだんと、キヨシが他人じゃなくなる感覚がありました

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第一話を観て手応えが確信に変わった
―― 原作は、累計700万部超、第37回講談社漫画賞を受賞した大人気コミックス。これまであまり漫画全般を読んでこなかったという中川は、キヨシを演じるにあたりコミックスを一気読みし、その世界に衝撃を受けたという。

「最初はこのタイトルなのでシリアスな作品だと思って読み始めたら、キヨシたちは真剣にすごくバカバカしいことをやっている。その緊張感と臨場感、そして画力がすごいなと思いました。読み終わったときにはすっかり原作の大ファンになっていました」

―― 中川が演じるキヨシは、学校にわずか5人しかいない男子生徒の一人。強烈なキャラ揃いの仲間のなかで、もっとも“フツー”の男子ではある。

「キヨシたち5人は、僕たちを含む世の中の男子高校生の代表というか、僕らをそのまま詰め込んだようなキャラクターだと思うんです。それぞれキャラが濃いんですけど、キヨシはピュアで可愛くてちょっと抜けている。でも、正義感や行動力もあるので、5人のなかでだんだんとリーダーシップを発揮していくようになっていく。そのギャップや、いろいろな表情がキヨシの魅力だと思ったので、そこを意識して演じました」

―― これまで漫画原作の作品に出演した経験がそれほど多くない中川にとって、熱烈なファンが大勢いる作品で主人公を演じることは、相当の覚悟を要したという。

「漫画のキャラクターに近づきたいという思いが強かったです。入り口はキヨシのファンだったんですけど、漫画に描かれた表情やポーズをヒントにして、自分のなかにキヨシを落とし込めていけたらいいなと思って頑張ってやっていたら、だんだんとキヨシが他人じゃなくなっていく感じがありました。難しくもあり、とても面白い経験でした」

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―― キヨシだけでなく、各キャラクターのビジュアルの再現度の高さはすでに各方面で話題になっている。中川はキヨシが恋をする“千代ちゃん”を初めて目の当たりにしたときに、「漫画から飛び出てきた!」と本気で驚いたという。

「副会長も花ちゃんもみんな再現度がすごいんですけど、なかでも千代ちゃんの衝撃度はすごかった。目の前に千代ちゃんがいたので、千代ちゃんのことを好きなキヨシにすんなりなれました。その気持ちに関しては、役作りはいらなかったです(笑)」

―― 現在、鬼才・井口昇監督が絶賛編集作業中。オンエアに先駆けて第一話を観た中川に感想を尋ねると嬉しそうに微笑んだ。

「こりゃやっちゃたな、と(笑)。撮影を終えたとき、ものすごくいいものができるんじゃないかなという手応えがあったんですけど、完成したものを観て手応えが確信に変わりました。想像通りの部分もあれば、想像を超えている部分もたくさんあって、ちょっとホッとしました(笑)」

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キャストもスタッフもギリギリのラインで勝負した
―― 主人公のキヨシはいくつもの試練や困難を乗り越えていくのだが、それを生身の身体で演じる行為は相当ハードだったという。

「第一話でキヨシが千代ちゃんに手をひかれて女風呂に入るシーンは、台本を読んだときに『このシーン、どうやるんだろう!?』って思ったし、現場であんなに偉い大人たちがモニターの前で、真面目な顔で待機している光景を初めて見ました(笑)。『ちゃんと泡つけて』とか、『どうする?』とか、ギリギリのラインで勝負をしている。お風呂にお湯を張っているし、裸の女性がたくさんいるし、暑さと熱さで熱気がすごかった。いつもは男5人の仲間がいるけれど、あのシーンはキヨシ一人の戦いだったので、気持ち的に相当疲れました(笑)」

―― 原作の人気キャラ、裏生徒会の書記・花との絡みのシーンは作品全体を通して「戦ったシーンです」と振り返る。

「この漫画の魅力は、手に汗握るような臨場感や緊張感だと思うんです。そのドキドキ感が一番詰まっているのが、花とキヨシのシーンのような気がします。花ちゃんはキヨシへの恋心をうまく表現できないがゆえに、キヨシとのバトルが続くんですけど、それを生身の人間が演じることで、ドキドキ感が生々しくなったと思いますし、この漫画を実写でやる意味はそこにあると思いました」

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―― 花を演じた森川葵とは今回の共演を経て、同志のような関係になったという。

「いろいろなラインのなかで、できるだけ妥協せずに攻めたいという共通の意識があったので、本気でぶつかり合いました。真剣勝負ができたと思います」

―― そして、髙嶋政宏が演じる理事長とキヨシたち5人が初めて対面するシーンシーンは、役者・中川大志にとって忘れられない体験となった。

「あの日は髙嶋さんにとって撮影初日だったと思うんですけど、役の作りこみ方、集中力、気持ちの入り方のどれもがすごかったですし、理事長そのものだったんです。髙嶋さんとは初対面だったので、お互いにどう演じるのか様子を見る空気があったんですね。それがキヨシたちが退学を阻止するために理事長と繰り広げる駆け引きとかぶる感じがあって、芝居をしていてものすごく楽しかったんです。基本的に和気あいあいとした現場でしたが、あの日の現場の緊張感と、撮り終えたときの開放感は忘れられません」

―― 11歳からこの仕事を始め、途切れることなく作品に取り組んでいる中川にとって、この役と作品は、大きな挑戦だったという。

「この仕事を始めてからずっと、常に新しいことにチャレンジしたい、常にイメージを壊し続けたいと思っているので、キヨシのように三枚目のキャラクターに挑戦できて嬉しかったです。なかなか17歳でこういう過激でぶっ飛んでいる作品はやらせてもらえる機会はないと思いますし、周りから『あれやんの!?』って言われたときも嬉しかった(笑)。女性の方がどんなリアクションをしてくれるのかも楽しみでもあり不安でもありますが、ぜひ楽しんでいただければと思います」


Writing:須永貴子

インフォメーション

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(C)2015 平本アキラ・講談社/「監獄学園」製作委員会・MBS

TV

ドラマ『監獄学園−プリズンスクール−』

MBS 10/25より毎週日曜24:50~(※初回は深夜25:05~)
TBS 10/27より毎週火曜25:11~(※初回は深夜25:13~)ほか


全寮制の元女子校・私立八光学園に、藤野清志(キヨシ)ら5人の男子生徒が入学する。1:200という男女比に甘い期待を抱くキヨシたちだったが、ある日、女子風呂をのぞこうとした罪で、学園を支配する“裏生徒会”により懲罰棟(プリズン)で1ヵ月間の謹慎生活を強いられる。あの手この手で脱獄を試みるキヨシたちを、裏生徒会は退学させようとするのだった。

出演:
中川大志 山崎紘菜 森川葵 護あさな
ガリガリガリクソン 宮城大樹 武田玲奈 新木優子
矢野聖人 柄本時生 髙嶋政宏(特別出演)
原作:平本アキラ『監獄学園』(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:井口昇
脚本:井口昇、北川亜矢子

▼公式サイト
http://prison-school.com/

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