「いろいろ思い返すとすごく大変ではあったのですが、クランクアップの時にみなさんが寄せ書きをしたアルバムをプレゼントしてくださって、そこに写っている自分が笑っている写真しかなくて。現場は楽しかったのですが、自分の中で笑えているイメージがそんなになかったので、意外と楽しんで現場にいたんだなと思いました。終わってから撮影現場に行けないロスに襲われるかなと思ったんですけど、襲われたのはクラックアップの日だけでした。今は次のことを考えたりしているからなのか、もちろん「半分、青い。」の現場もみんなも大好きですけど、けろっとしていて(笑)、でもいつでも鈴愛に戻る自信はあります」
「先日もお母ちゃん(松雪泰子)と一緒におじいちゃん(中村雅俊)の舞台を観に行って、その後お母ちゃんが食事に連れて行ってくださったんですけど「鈴愛は芽郁ちゃんしかできないよね」と言ってくださって。私にしかできない役がこの世に存在しているのがすごく嬉しくて、それが鈴愛で良かったと思いました」
「壁を感じていないと言った2週間後くらいにすごい壁がきました。その頃、ちょうど壁を感じていないと言った記事が出ている頃だったので“永野芽郁、余裕でやっているのか”と思われていた時が、実はすごくきつかった。言わなきゃ良かったと後悔しました。10ヶ月間、同じ人を演じて自分でいる時間もなかったし、実際の家族と一緒にいるより楡野家のみんなと一緒にいる時間の方が長かったので、自分の想いとか生きている時間の中に鈴愛をどう落とし込んでいいかとか、他人とどう接していいかが分からなくなって、その期間が一番大変でした」
「鈴愛は泣くことが多くてなかなか目の腫れが引かないこともあって、泣いているシーンはどれも印象に残っています。特に秋風羽織先生とのお別れのシーンは監督に“鈴愛がいたところに水たまりができていた”と言われたくらい泣きました。律とのシーンは好きなシーンがたくさんあるんですけど、1回目のお別れの七夕の日のシーンは印象に残っています。律がいなくなったら、自分はどうやって生きていこうと思って、カットがかかっても涙が止まらないくらい泣きました。その日は自然と健さんと距離を置いていたので健さんに「なんで避けるんだよ」と言われましたけど(笑)、いろんな思いを削って臨んだあのシーンは結構好きです」
「年齢を重ねても口調や勢いが変わらないのは良い時もあれば、大人になっていく鈴愛を演じる上で引っかかってしまう時もありました。見た目も特殊メイクをするわけではなかったのですごく難しかったです。でも、娘の花野(かの)が本当に可愛くて、自分が辛くても彼女を全力で守ろうと思いました。何かあったら支えてあげたいし、お芝居のことでもし悩むことがあれば、納得するまで一緒に話し合いたい。子供としても1人の女の子としても、ちゃんと向き合って一緒に過ごせたらいいなと思っていました。鈴愛が大人に見える瞬間があったり、1人の女性として成長したと思えたのは、花野がいてくれたから。自分よりも何かを捨ててでも守りたい花野という存在にとても助けられましたし、花野と一緒に少しずつ成長していくお母さんを演じていきたいと思えました」
「鈴愛が実家に帰ってきた時に、お母ちゃんが“宝くじに当たったような気分やった”と言うセリフがずっと好きで、北川さん自身もお母さんだから生まれたセリフだと思います。言う側にもなりたいし、言われて泣くシーンじゃないのに、感情が高ぶりましした。お母ちゃんのところに生まれ、愛情をもらえて本当に幸せだなと思いました」
「“飛べない鳥が飛べる鳥を見上げて 下を歩くのはごめんだ。・・・私は、自分の人生を晴らしたい。”というところのセリフです。相当な挫折をしたり、苦しいことがあった人じゃないと言えない言葉。鈴愛はとても苦しかったと思います。言うのも辛くて重い言葉ですが、共感できる方たちもいらっしゃるのではないかと思います」
「みんな“こうしたほうがいいよ”とか“頑張ろうね”って声はかけてこないんです。頑張っていることを分かってくれている人ばかりでそれがすごく居心地良くて、“おはよう”って普通に始まって、“また明日ね”で終わっていくのが楽でした。私の立場に立ってくれる人が側にそっと寄り添って一緒に戦ってくれる現場でした。この現場で一番年下ですけど、頼らせてくれたり、一緒にふざけてくれたり、私のことを全力で受け止めてくれる人がこの10ヶ月間途切れることなくずっといてくれたのが奇跡だと思いました。幸せものだと思います」
「すごくわかりやすい人だと思います。真っ直ぐだし、タフだし。“社長になる”と言ってみたり、“漫画家になる”って言ってみたり。きっとやりたくてもできない人が多い中で、何を言われてもやると決めたらやる所は鈴愛のすごいところだと思います。本当に全力だからパワフルなんですけど、それがいい方に回る時もあれば、悪い方に回る時あって、そこがすごく人間らしい。北川さんの台本には良いことだけ書かれているのではないのでそれがすごくリアルで、人間力が溢れていると思いました。でも、鈴愛とは友達にはなれないですね。菜生ちゃんも裕子もボクテも偉いなと思いました(笑)」
「女優さんというお仕事がすごく大好きになったし、誰かと目を合わせてお芝居することが楽しいことだと思えました。逆に女優さんという仕事がとんでもなく辛いとも感じ、この仕事の魅力を改めて再確認しました。今までは目標を考えたことはありませんでしたが、この作品で一緒に演じてくださった方々と違う役で向き合ってお芝居できたらいいなと思います」
「律とどうなるのかは気になりますよね。いつも台本はソファーで覚えるんですけど、その回の台本は気分転換にお風呂で読んでいて、“ふぎょぎょ”とびっくりして台本をお風呂に落としました(笑)。私は衝撃的でしたけど、みなさんはどう感じてくださるんですかね?ぜひ最終回まで楽しんでほしいです」
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