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ドラマや映画への出演が続く北村匠海が、初めてアニメーションの声優に挑戦したオリジナル劇場アニメ『HELLO WORLD』が公開。子供の頃からアニメーションが好きだったという北村にとって、念願の声優の仕事が実現した。16歳の内気な青年を声だけで表現する難しさ、共演者やスタッフへの想い、そしてアニメーション好きの北村の目に映る『HELLO WORLD』の魅力とは。

SFラブストーリーでありながら、勇気をもらえる映画になりました

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―― 『HELLO WORLD』をこの取材の直前に観てきたばかりという北村に、まずは作品の感想を聞いた。

「日本のアニメーションは『君の名は。』以降、『AKIRA』や『攻殻機動隊』のようなサイバーパンクと言われるカッコいいアニメーションが盛んだった時代がリバイバルしてきている風潮があるんじゃないかと僕の中では感じていて。『HELLO WORLD』も、一見普通のラブストーリーとして始まるけれど、世界がひっくり返ったり、ぐるぐる世界が回ったりするSF映画でもあります。そこにカッコいい音楽が流れてくるので、大きなスクリーンと良いスピーカーのある映画館で観ると、非現実の世界に没入できる。アニメーションの良さを実感できる、実験的で新しい映画だと思いました」

―― 『HELLO WORLD』の舞台は2027年の京都。北村が演じる16歳の堅書直実の前に、10年後の未来からやってきたナオミと名乗る26歳の自分が現れる。そして、直実が交際することになる一行瑠璃を救うために、2人は力を合わせる。

「『HELLO WORLD』に描かれる“クロニクル京都”という世界観は、僕からすると、『AKIRA』の“ネオトーキョー”に対する絶妙なオマージュに感じました。東京とは違う古都の雰囲気に、温かみのある太陽の光が差し込む感じがすごくきれいで。直実とナオミがタッグを組むシーンで、徐々に夕陽が指していくところも美しかったし、明るい未来を感じました。自分が暮らす世界を直実が飛び出して、記憶の狭間にいるときの、鳥居をモチーフにした不思議な空間の映像もすごく好きです。“記憶装置アルタラ”“グッドデザイン”“無限の記憶装置”“この世界はデータだ”といったSF的な肉付けに、アニメやSFを見慣れていない人は頭がぐちゃぐちゃになるかもしれないですが、まずはいい音楽と、美しい映像と、直実(ナオミ)と瑠璃の一途なラブストーリーを追っていただけたらと思います。僕自身、SFを好きになったのは、一発で理解できなかったから。2回、3回と観ることで、作品の世界を貫く軸みたいなものがわかってくるとより面白くなると思います」

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―― 過去に、細田守監督作品のオーディションに落ちたという北村は、本作のオーディションに合格し、やっと夢を叶えることができた。

「初挑戦だった上、アフレコではなくプレスコという手法だったので、右も左も分かりませんでした。キャラクターデザインと台本をもとに、監督の演出を受けつつ、自分の想像だけで台詞を吹き込んでいったものに、絵や色や音をつけて命を吹き込んでいただきました。取材を受けるために完成度が30%や65%のものを観ていたので、監督さんやスタッフさんと一緒に経過を見守っている感覚を味わえて、今日、完成した作品を観て達成感がありましたし、本当に感動しました。『やっと世に出せるんだ』という嬉しさと、ストーリーへの感動とが相まって、最後にNulbarichさんの「Lost Game」が流れるところでうるっときました。自分の声に関しては、反省点がたくさんあります。でも、監督やプロデューサーさんが信じてくれたものを、僕も信じます。もしもまた声優をやらせてもらえることがあったら、この経験を生かして、全然違うアプローチができると思います」

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―― 声を含む肉体を使って表現するのが役者の仕事。今回、声だけで役を表現したことで、大きな気付きを得たという。

「声だけで伝えられる情報ってたくさんあるんだなって。自分はそんなに台詞の言い回しが上手でもないし、滑舌が特別に良いわけでもなかったので、違うところで勝負しようと思っていたんです。目線とか、歩き方とか。でも今回、直実の声を作るために自分の普段の声と向き合ったことで、今一度、言葉の大切さを感じました。その後の実写の作品では、声のトーンみたいなものを、改めて考えるようになりました」

―― 直実は本が好きで内向的な16歳の男子高校生。その声を、どのように作っていったのか。

「僕だと思われたくなかったので、トーンを上げて、常に弱々しい感じを意識しました。松坂桃李さんが演じる10歳上のナオミがすごく強くてカッコいい人だったので、対比として、僕はダサくてボロボロでもいいのかなぁ、と。ナオミの10年間を回想するシーンがすごく切ないんです……。ナオミがこの10年をどんな想いで生きてきたのかを知ると、直実とナオミはかけ離れていたほうがいいなと思ったんです。でも実は、僕と桃李さんの声質はわりと似ていて、「そのままの声でいい」と言われていたんですけど、最終的には、初めての声優の仕事ですし、直実のキャラを考えた結果、声を変えました。弱々しくてかっこ悪い直実が、瑠璃のために立ち向かって、強くなっていく姿を表現したかった。そういう身近なヒーローのほうが、中学時代の僕のような男の子たちの背中を押せると思うんです」

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―― ナオミを演じる松坂桃李とは『ゆとりですがなにか』、一行瑠璃を演じる浜辺美波とは『君の膵臓をたべたい』以来の共演となる。浜辺とはこの作品の後に映画『思い、思われ、ふり、ふられ』でも共演した。

「2人ともお久しぶりでした。桃李さんは相変わらず落ち着いた温かい雰囲気で、懐かしかったです。3年ぶりの美波ちゃんははつらつとしていて、そして快活になって驚きました。最近、作品に入るとどの現場に行っても、過去に仕事をした方が必ずいるんです。『重力ピエロ』の音声さんやメイクさんとは9年ぶりに再会しましたし、『FLY! BOYS,FLY!僕たち、CAはじめました』のプロデューサーさんは違うドラマの助監督さんとして以前ご一緒させて頂きました。そういう意味で、美波ちゃんとこうして一緒にお仕事をできるのは役者としてすごく嬉しいし、お互いの成長を感じられるのは面白い瞬間です。僕はたいてい『変わらないね』って言われます(笑)。でも、『子役の頃はめちゃくちゃうるさかった』とも言われます。14年前のことだからか、全然記憶にないんですけどね(笑)」

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―― 『HELLO WORLD』は中高生男子の背中を押すだけなく、サイケデリックなビジュアルで目の肥えた映画ファンを驚かせつつ、想像力への信頼なども描かれており、見る人によって響くメッセージが異なる作品だ。直実は選ばれし者として「グッドデザイン」という想像力で物を作り出すことができるアイテムを与えられるが、それを行使するには鍛錬を必要とする。

「直実がグッドデザインを使うために努力をするのは、瑠璃を救うため。僕はそんなふうに誰かを強く想う覚悟や純な愛情に惹かれました。自分に自信がなかった主人公が、一歩踏み出して、自分を信じるようになる姿を見て、信じる力の大きさや強さをすごく感じました。そういう意味で、この作品はSFラブストーリーでもありながら、人間の強さ弱さにも触れられる、勇気もらえる映画になったと思います」



Writing:須永貴子

インフォメーション

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(C)2019「HELLO WORLD」製作委員会

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オリジナル劇場アニメ『HELLO WORLD ハロー・ワールド』

公開中!


細田守監督作品『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)で助監督を務め、『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』を監督した伊藤智彦の、長編アニメーション監督作。16歳の内気な男子高校生が、好きな女のコを助けるために努力し、成長する、SF青春ラブストーリー。2027年の京都に暮らす男子高校生・堅書直実(北村匠海)の前に、10年後の自分を名乗る青年・ナオミ(松坂桃李)が現れる。ナオミによると、直実は後に図書委員仲間の一行瑠璃(浜辺美波)と付き合い始めるが、瑠璃はその後事故によって命を落としてしまうという。瑠璃を助けるために協力することになった直実は、ナオミを「先生」と呼び、想像力で物を生み出す「グッドデザイン」のトレーニングを重ねる。後に、直実はナオミの真の目的や、自分が暮らす世界に隠された秘密を知ることになる。キャラクターデザインは『けいおん!』の堀口悠紀子。OKAMOTO’S、Official髭男dism、Nulbarichがそれぞれに主題歌を担当。

▼公式サイト
https://hello-world-movie.com/



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