「ラブストーリーだけではない、人間ドラマとしての魅力があって、すごく素敵な作品だと思いました。僕が涙したのは、奇しくも自分が演じる司馬のシーン。司馬はお芝居で泣くシーンはないんですけど、泣かせる立ち位置の役だと思いました。どんな思いで好きな女の子を諦め、他の人との恋愛を応援しようとしているのか。司馬の優しさだったり、強さを考えると胸が熱くなりました」
「司馬を一言で表すとしたら、優しい人です。司馬は人を思いやるが故に、自分の心を押し殺し、隠してしまうところがあって、その優しさが本当に不器用だなって」
「僕自身、司馬のこの行動はすごいと思いました。理解はできるけど、あそこまで踏み切れるかと言われたら、自分はできないだろうなって。でも、そこは司馬を演じる上でポイントとなるところなので、大事にしました。この作品では、とても客観的に役を見れた気がします。『君の膵臓をたべたい』の時は主観的に見れた部分もあったんですけど、この作品では共演の二人とたくさん話をして、自分がスパイスになれるよう意識していました」
「僕は直感的になることも場合によってはありますが、基本は物事を分析して考えるタイプです。この役はこういう性格だから、こういうことはしないだろうなど役への理解が自分の年齢が上がってくるに従って冷静になっているし、深まっている気がします。司馬役はそういう意味でしっくりきたし、優しいセリフが散りばめられていて、葵を見る目だったり、声のトーンで優しさを感じてもらえたらいいなって思いました」
「森川葵ちゃん、佐藤寛太くんと普段からも仲が良かったので、アドリブがしやすかったです。寛太くん演じる高千穂に「もっとしっかり葵を見ろ」とぶつかるシーンでは、アドリブを自分で無意識に入れていたみたいで、後で寛太くんに言われました。葵が司馬を思って泣くシーンでは、(森川)葵ちゃんにその場でナレーションを入れていたんですけど、その場で古澤監督と話し合いをして決まったんです。司馬としての想いが溢れてきて、葵と高千穂を応援する気持ちをアドリブで語っていました」
「それはもう是非妄想してもらいたいです(笑)。この作品は胸キュンのある映画ですし、自分がこういう映画をやる以上は僕と寛太くんを見る女性をキュンキュンさせたい。もともとこういう胸キュンものにすごい苦手意識があるんです。DISH//の時は、なるべく他のメンバーにやってもらおうと思うほど(笑)。でも、この作品ではそういう苦手意識を振り切って、使命感に燃えました」
「高千穂は最初は魅力のない人間として映りますが、どんどん成長していくので、僕は高千穂を応援したくなりました。一方の司馬は最初から最後まで芯がぶれないし、優しさも変わりません。映画を観る人が、司馬のその優しさに触れて何か感じ取ってもらえたら嬉しいです。ここまで一人の女性を嘘なく愛することができる、本当に真っ直ぐな人で、男から見ても尊敬できる人ですから。キャラクターの行動という部分では、キスのひとつひとつを見ても、意味があるんです。愛が生まれた瞬間だったり、意味を感じるので、とても美しく、この映画に大きく作用しています。ヒロインの葵に関しては、『恋と嘘』というタイトルだけあって、恋をしている嘘もあれば、嘘のキスもあって面白いなって。本当にキスシーンひとつとっても、こんなに違うんだなって勉強になりました。こういう胸キュン映画を自分にできるかって最初は心配な部分もあったんですけど、飛び込んで頑張りました」
「自分が望まれて、需要があるなら(笑)ぜひやりたいです。現場がすごく温かいのも魅力でした。葵ちゃんは、オンとオフがあって、オフの時はタンポポのような女性ですが、お芝居の時は役になりきって素晴らしかった。寛太くんはクールなルックスとは反してとても明るいというか、お喋りな人でした(笑)。人見知りの僕にどんどん話しかけてくれて、そのお陰で仲良くなりました。そして、古澤監督は、ユーモアのセンスがある優しい方で、カメラの横で生のお芝居を見てくれる監督でした。それだけカメラさんや照明さん、役者を信頼してくれて、それが現場の雰囲気の良さに繋がっていたんだなと。古澤さんは、お芝居だから何が起こるかわからないっていう考えの監督で、僕らもいろいろ試させてくださって、とても感謝しています」
Writing:杉嶋未来
MOVIE
10月14日(土)公開
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