2014年11月4日更新
2014年は自身初となる時代劇『銀二貫』で過酷な運命に翻弄されながらも成長していく男を一途に、また、犯罪の多様性に対応するために新設された架空の組織の活躍を描いた『ST赤と白の捜査ファイル』では出世頭のエリート管理官と様々な役柄を演じている林遣都。現在放送中のドラマ『玉川区役所 OF THE DEAD』では、打って変わって、ゾンビに感情移入してしまう心優しい主人公に挑戦している。
人はなぜゾンビにハマるのか?
その理由がわかる作品です
── 物語のはじまりは、16年前にメキシコ西部で“死なない人間”=ゾンビが発生したことから。しかし、動きが遅く力も弱いことから、ゾンビはそれほどの脅威にはならないという認識が一般化し、その存在が日常化していった現代日本が舞台となっている。
「僕が演じているのは玉川区役所の特別福祉課に勤める赤羽晋助という男。特別福祉課はダメな人の吹きだまりみたいな場所で、晋助はその一員です。主人公ではあるけれど、25才という設定にしては世間知らずで、人間関係をうまく築けないし、精神年齢も低い。撮影当初、監督の河原(雅彦)さんから“もっとダメでいい” “もっと幼くていい”“もっとヘタレになって”と指摘され、演じるごとにダメな男に……。常にアタフタしているし、髪型も寝癖がついたまんまです。でもオーバーにならないように気をつけながら演じました。基本的には何も誇れる武器を持っていないけれど、気持ちだけは本当に優しくてイイ奴なんです」
── 晋助の主な仕事は、街中にいるゾンビの管理と捕獲。作中ではゾンビは野良犬のように扱われているが晋助は人と違った感覚を持っているそう。
「ストーリーでは16年前からゾンビが増えてきて、人はゾンビを恐れて、ゾンビなんて退治してしまえ!という風潮がありました。現在ではゾンビが弱いことが発覚して子供でさえゾンビを野良犬のように扱うようになっていますが、晋助はゾンビ発生当初の少年時代から“ゾンビだって人間なのにどうして?”と葛藤し続けてきた。細かくは描かれないけれど、自分がゾンビを守らなきゃいけないという他の人とは違った正義感の持ち主で、それが原因で自分自身がいじめられたり、傷ついた過去もある。すごく不器用なところもあって、少し自分と晋助を重ねるところもありました。僕も初対面の人とコミュニケーションをとるのが苦手だし、あんまりちゃんと目を見れないところもあって。晋助を演じながら、僕もダメ人間だな?なんて感じることもしばしば…」
── ゾンビのことで悩んだとき、晋助はそのモヤモヤを晴らすためにひたすら走る。その他、出勤も走って通うなど“走るシーン”が作中の見どころのひとつになっている。
「晋助は目標もなくて、なんとなく毎日を生きている。毎朝、職場まで走っていくんですがそのタイムを縮めることが最近の楽しみ。やることがないからそうやって楽しみを作っている。区役所の仕事も人並みはずれて足が早いのを買われて、ゾンビに捕まらないという理由だけで今の部署に配属されています。晋助は走ることがストレス解消だけど、僕の場合は寝ることかな。寝て起きたら“ま、いいか!”と割り切れる」
── ただ走る姿だけはダメ男らしからぬ美しいフォームが印象的。
「最初は晋助らしく“ダメな感じのフォーム、でもすごく早い”という走り方を考えていました。けど監督に相談したところ、何か本格的にスポーツをやっていたんじゃないか?と連想させる走り方に。晋助の秘められた本質のようなものが垣間見えるし、あんだけダメなのに走り方だけは美しいっていうギャップも面白いですよね。昔、箱根駅伝をテーマにした映画「風が強く吹いている」に出演したこともあって、フォームは自信があります。当時は“その足の着地ができるのは高橋尚子選手以外に、お前しかいない”と陸上競技連盟の方に絶賛されたフォームです。その映画でさんざん走ってきたので自信があるカメラとの並走にもぜひ注目していただければ!」
── 数多く見どころがある中で、林自身のお気に入りシーンについて聞いてみると……?
「シーンではないかもですが、ナレーションがお気に入りです。“主人公の成長記っぽい物語……”と紹介していて、たしかに本人は成長しようとして成長しているわけじゃないからと納得がいったというか。そんなラフな感じがツボでしたね」
── 最後に改めて『玉川区役所 OF THE DEAD』の見どころを。
「ストーリーの最初のほうはコメディタッチのゆるいゾンビドラマですが、後半に向かって予想を裏切る展開になっていきます。物語にはツッコミどころ満載のキャラが登場するけれど、その世界観はリアルです。ゾンビはありえない存在なのに、なんでこんなにゾンビに見入ってしまうのか考えてみると、きっとゾンビは病気や自然災害と同じことで“もしかすると本当に起こるかもしれない”と心のどこかで思っているからかも。作品の中でもゾンビをちょっとバカにしながらも、病気などと同じような危機感を持ってゾンビを描いています。感染してしまえば死を宣告されたのと同じことだし、ゾンビが日常の中で描かれることによってより現実感がある。ゆるい雰囲気だけどかなり真面目につくっている作品なので、心を動かされる場面がたくさんあるはず。色んな楽しみ方をしてもらえれば嬉しいですね」
Writing:長嶺葉月
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ドラマ24『玉川区役所 OF THE DEAD』
毎週金曜深夜00:12~テレビ東京系列にて放送中!
本作は、ゾンビの存在が日常化した世界が舞台。各地の自治体ではゾンビの管理・捕獲する特別福祉課が設置され、林遣都が演じる主人公・赤羽晋助は人並みはずれて足が速くゾンビにつかまらないという理由で配属される。実は“それほど人類の驚異とならない”ゾンビが巻き起こす騒動を描いた、ゆるいホラー系ヒューマンコメディー。監督は俳優・演出家・脚本家と、様々な顔を持つ演劇界の異才・河原雅彦が務める。
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