(C)道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズ
2012年11月13日更新
大きなスクリーンの中でもひときわ存在感を放つ小柳友。それは187cmを超える身長だけではなく、彼から発している独特のオーラが見ている人を惹きつけるからだ。最新作『カラスの親指』でも、つかみどころのない石屋貫太郎を演じ、新たな魅力を発揮している。
素晴らしい役者のみなさんに囲まれ、その中でもしっかりと印象に残るように演じきりました
── 今作のために減量ではなく、増量。10kg以上も体重を増やすという過酷な役作りからはじまったという。
「あの日々を思い出すと正直つらいですね(笑)。ダイエットもしたことはないのですが、痩せるよりも太るほうが大変じゃないかと思うほど。他の作品も撮っていたので、一気に太るのも難しく、3カ月前から準備をして、2か月で5kg、最後の1カ月で5kg増やしていきました。最高で12kgまで増えたときは、もう顔がパンパンで(笑)。毎日、お米を3合炊いて、チャーハンにしたりしながら体に押し込んでいた状態です」
── 夜はラーメン、朝からチャーハンととにかく食べる毎日。食べては寝ての繰り返しで頭がボーっとしてきたとか。しかし、その成果はきちんとスクリーンに現れている。
「完成した作品を見たときに、僕であって僕じゃない貫太郎がいて、そのおかげかわりと客観的に見ることができました。今は体重も戻っているので、自分じゃない気がするんですよね。原作では太ったマジシャンという設定ですが、映画では元相撲取りみたいに見える時計職人という設定で(笑)。なんだか不思議ですよね。そんな得体の知れない、ちょっと変わった人というのも僕なりに演じきれたと思っています。共演者の方たちは素晴らしい俳優さんばかりで、その中でもしっかりと印象に残るようにしたかったんです。そういう部分でも、作品を見たときに『あいつ、変なヤツだな』と思えたので、演じ切れたと思うし、いい作品に出会えたなと改めて思いました」
── 二人のサギ師の家に転がりこむ美人姉妹とその彼氏・貫太郎。5人の奇妙な共同生活は、撮影現場でもちょっと似た関係だったようで……。
「僕の立場としては、ちょうど中間。ストーリーのなかでも阿部(寛)さん演じるタケと(村上)ショージさん演じるテツの大人二人に対して、姉妹をつなぐ役割というか……。現場でもそんな感じがしましたね。彼女役の石原(さとみ)さんは、僕が演じやすいように休憩時間でも役のノリで話しかけてくれましたし、芝居の面でも常にひっぱってくれて。周りをよく見ている方で、少しでも元気がないと気遣ってくれたり。年はそれほど変わらないけれど、尊敬する女優さんの一人になりました。(能年)玲奈ちゃんは本当に可愛くて。一番年下なので、なんとかコミュニケーションをはかろうと頑張らなくちゃと思ったら、意外とすぐに打ち解けられて。彼女が大人だったのかな(笑)。ショージさんは、そのままというかリアクションがさすがで。僕がいうのはおこがましいけれど、いい芝居なんですよ。重要な役でもありますし。そこは要チェックです」
── 阿部さんとは、ある共通点で盛り上がった。
「初めて人の後ろに隠れるという経験をしまして……。そして、初めて人を見上げました。素敵な先輩ですから、少しでも話がしたくて、つい『洋服の袖丈が足りないですよね』なんて、芝居とは関係ない話で勝負をかけてしまい……。そこから色々と話ができたので、つかみはよかったのかな。阿部さんがよく行くお店も紹介していただいて、行ってみたんですよ。サイズはあったのですが、懐事情とはあわなくて残念ながらあきらめました(笑)」
── 現場の雰囲気のよさが、スクリーンからも感じられる。原作とは少し設定が異なるものの、スピード感ある展開、スリリングな騙し合いはそのまま。2時間40分という長さを感じさせないストーリー。
「撮影前に原作を読みまして、一気にファンになりました。だからこそ、原作ファンの期待を裏切りたくないし、いい意味で裏切りたいなという思いがありました。太るという見た目の役づくりから、ちょっと変わった存在感。やひろ(石原さとみ)との強いつながり。自分の中で考え、そして、共演のみなさんと作り上げた貫太郎なんです。途中、キーパーソンとなるのですが、内容を言ってしまうとつまらなくなるので、ぜひ劇場で確かめてください。たぶん、2回は見たほうがいいですね。いや、2回は見てください。きっと、あー、なるほど、と思えるところがたくさん出てくると思うので」
── だましたり、だまされたり……。実生活ではどちらが多いのでしょうか。
「そんなにはないですけど、誕生日のときは友達がサプライズでパーティーを開いてくれました。なぜか、兄も母もいて。何となくは勘づいていましたが、まさか家族までいるとは。僕も、サプライズするのは好きですが、されるのは照れくさくて…。」
── ドキドキのサプライズは年末年始までつづく。初めて舞台に挑戦するのだ。
「緊張しすぎて、気持ち悪くなってきました(笑)。これから稽古なので、まだ何もわかりませんが、先輩たちからたくさんのことを吸収できたらいいなと思っています。舞台に立つのはひとつの夢でもあるので、終わったあとに一回り大きくなっていられたらいいですね。終演後の達成感を早く感じたい。『お疲れさまでした』って爽やかに言えるよう準備はしっかりして挑みます。実はロンドン公演もあるので、緊張は続きますが、楽しみながら頑張ります。映画と合わせてぜひチェックして下さい」
Writing:岩淵美樹/Styling:津野真吾
衣装協力
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「カラスの親指」
11月23日全国ロードショー
直木賞作家・道尾秀介の本格ミステリーを映画化。悲しい過去を背負い、サギ師となったタケ(阿部寛)とコンビを組む新米サギ師・テツ(村上ショージ)。ある日、二人のもとに美人姉妹(石原さとみ、能年玲奈)と、一人のノッポ(小柳友)が転がり込んでくる。他人同士の奇妙な共同生活から、一世一代の大勝負へ。ラストまで気が抜けないハラハラドキドキの展開! はたしてその結末は……!?
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