「出来ることなら、私自身もうちょっと早く『男性脳』と『女性脳』の違いについて知りたかったなぁって思いました。知っていたら、未然に防げたトラブルが沢山あったはずだから(笑)。この映画には結婚式場で巻き起こるさまざな事件が登場するんですが、たとえ全く同じシチュエーションではなかったとしても、きっと多くの人が『あ~、こういうことあるよねぇ』って感じるようなエピソードが、沢山詰まっているんじゃないかなって思います」
「私自身は日ごろから『男性って、余計な一言が多いな』って感じてしまうことがあるんですが、この映画の中にもそういったエピソードが至る所に出てきます。例えば、披露宴の直前にウェディングドレスに汚れが見つかり、ショックを受ける花嫁に対して、新郎が『値段は気にしなくていいからね』って、別のドレスを提案するシーンがあるんです。でも、『値段は気にしなくていいよ』って、いま言う必要ありますか?って(笑)」
「恋愛とか家族に関する部分では、私自身もがっつり『女性脳』だと思いますが、仕事モードの時は『男性脳』なのかもしれないなって、最近思い始めました。というのも、もともと男性は外に狩に出て、女性は家を守っていたから、男女の脳に違いが生まれたそうなんです。だから、仕事をするときは女性も“狩に出ている”と考えると、『男性脳』でもおかしくないのかなって思うようになったんです」
「私の場合は『聞いていてもらえるだけでいんです。あとは自分で決めますから!』みたいなところがあって、男性に対してアドバイスまでは求めません(笑)。最初から答えは出ているんだけど、そこに辿りつくまでに全部話しながら自分の頭で整理していくようなところがあるから、『こうした方がいいんじゃない?』といった見当違いのアドバイスで思考を遮られたくないって思ってしまいます。でもそれはあくまで男性に限ってのことであって、女性同士の場合は多分『ちゃんと分かってくれている』っていう大前提があるからなのか、アドバイスされても全然嫌じゃありません」
「この作品は結婚式の披露宴が舞台となっていることもあって、出演者の年齢層が幅広いんです。普段は会話の糸口を掴むだけでも結構大変だったりもするんですが、『“男性脳”と“女性脳”の違いとは?』みたいなことって、年齢にかかわらず誰もが経験しているから、話題には事欠かないんですよね。『昔こういうこと言われちゃってさ』とか、『あの時こんなこと言っちゃったんだよね』みたいに、普段だったら絶対に口にしないであろう過去の恋愛話で盛り上がったり……。披露宴会場の外に置いてあるソファーにギュウギュウ詰めになりながら、皆でおしゃべりする時間がすごく楽しかったです(笑)」
「あのセリフ、すごく効いてますよね(笑)。青柳さんは空気が読めないところもあるけど、“幸せな披露宴にしたい”っていう思いだけは、人一番強く持っていて、本当にいいキャラクターだなって思います。きっと演じている平岡さん自身がすごくキュートでチャーミングな方だからこそ、ああいう青柳さん像になったんじゃないかな」
「たとえ最初は上辺をなぞるだけだとしても、絶対に試してみる価値はあると思います!実戦していくうちに本当になればいいのでは(笑)? この映画には『女性がこういう時は、男性はこうすべし』って指南される部分が多いんですが、女性の視点で見ても『あぁ、私ってまわりからはこんな風に見えてるんだ』って、気づかされたりもするんです。『男性には余計な一言が多い』って感じるのも、あくまでも女性側からの意見であって、男性にしてみれば『この場をどうにかうまく収めたい』っていう気持ちがあるからこそ、発してしまう一言でもあるんですよね。基本的には善意のもとに解決策を提示したつもりが、女性の癇に障るっていうだけのことだったりもするわけで……。だからこそ、私たちも女性も『は?』って怒るだけじゃなくて、その男性がなぜその言葉を発したのか、その発言の真意とか裏側に隠されている気持ちについても、ちゃんと考えないといけないなって、思います」
「撮影したのは結婚して割とすぐのタイミングだったんですが、私たち夫婦の間では既に『喧嘩するのがめんどくさい』っていう段階に入っていて……(笑)。役に立つとすればこれからかもしれません。それこそ、『男性脳』や『女性脳』の違いについてもっと早い段階で知っていたら、面倒なトラブルを起こさず、スムーズに関係性を築くことができたのに……と思う反面、もしかしたらあの時沢山喧嘩したからこそ、結婚まで行き着いたっていう側面もあるのかも。ダメなところもそのまま受け入れる覚悟がお互いにできたからこそ、結婚したっていうところもあると思います」
「“幸せのいいとこ取り”って呼んでいるんですが、この映画の中で起きるような舞台裏については全く知らずに、幸せな気持ちだけをいただいて帰ることができるから、友人の結婚式に出席するのは大好きなんです。とはいえ、私自身は親や祖父母のために『やるべきだ』とは思いつつ、結局いまだに何も動けていないんですよね(笑)」
「おそらくそういった部分もあるとは思うんですが、そもそも私には“お姫様願望”みたいなものがないんです。だからウェディングドレスも別にモフモフじゃなくていいし、結婚式もいろんなものをギュッて削ぎ落として、シンプルなもので充分かなって思っています(笑)」
Writing:渡邊玲子
MOVIE
6月15日(土)公開
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