「出演のお話をいただいたのが、『銀魂』が映画化されると発表された後だったと思います。原作は読んだことがなかったのですが、人気の作品だということは知っていたので『今、話題になっているあの作品に出られるんだ』と驚きました。熱狂的なファンが多い作品なので、映像化にあたって賛否両論あるのは当然なことだと思うんです。その声を気にしすぎるのはよくないし、役者としては元となるキャラクターがいるのであれば、それにいかに近づけていけるかを一生懸命考えて演じるだけ。原作があっても、演じることはいつもと変わらないんです」
「鉄子は内気でとにかく声が小さいんです。人を護る刀を作りたいという信念を持っているけれど、どこか弱気。普段の私は、ハキハキと大きな声なので、下を向いてぼそぼそと小さな声で話すように心がけていました。でも、ヤスケンさん(安田顕)が尋常じゃない声の大きさで演じられていたので、あえて声を小さくしなくても口を動かさずぼそぼそとしゃべるだけで自然と差が出ましたね。また、声の大きさだけでなく、刀に対する思いの対比を大切にして演じました。ただ、マジメなシーンでもヤスケンさんが面白いことをするので、笑わないようにするのが辛かった(笑)。本番はなんとか我慢できるのですが、リハーサルのときはゲラゲラ笑ってしまいました。私はマジメなシーンが多かったので、コミカルな芝居をされているみなさんがうらやましかったんです。本当に楽しそうに演じられていて、ああ私もやりたい!って思っていました。福田(雄一)監督にも私にもやらせてくださいってお願いしちゃいました。映画の撮影後、すぐにドラマ『サラリーマン左江内氏』が決まって、ご一緒できたのが嬉しかったです。思いっきりコメディを楽しみました」
「職人さんの動きを見ているとできそうな気がするのですが、実際に鎚を持ってみるとかなり重量があり、思うように動かすことができませんでした。気づけば太ももに大きなあざができていたほど! 工房内は常に火が焚かれているのでとても暑くて、汗だくになりながら練習をしました。真剣も見せていただき、その迫力に圧倒されました。撮影では刀を打つ鎚は軽いものにしてもらいましたが、現場に行き職人さんに教わったことでリアリティが出せたと思います。私は刀鍛冶の練習だけでしたが、小栗(旬)さんをはじめ他のキャストはアクションがあるので、現場でも撮影後に練習をしたり、動きを細かくチェックしたりしていたのが印象的でした。殺陣やアクションのシーンはただカッコいいだけでなく動きがとってもキレイなんですよ。(橋本)環奈ちゃんもあんなに小柄で可愛いのに、ワイヤーアクションをカッコよくこなしていて、すごいなって思いました」
「福田監督はキャストとの距離が近いので、とても演じやすかったし、もがき苦しんで芝居をするというより、心の底から楽しんで演じることができました。アクションシーンがある人達は大変だったとは思うのですが、現場は面白いものをみんなで作ろうという気持ちであふれていて、ワクワクとした高揚感がありましたね。きっとスクリーンを通じて、その楽しさが伝わるのではないでしょうか」
「最初から最後までその瞬間を楽しめる映画だと思います。私も内容を知っているのに、ハラハラドキドキしたし、笑わせてくるポイントも知っているのに思わず笑ってしまい素直に楽しめました。もちろん、迫力があってカッコいいアクションシーンも見逃せません!人を護る刀をつくりたい鉄子と、強い刀をつくりたくて悪の道へと進もうとする兄とのすれ違いも見どころのひとつ。お互い、途中で進む道が分かれてしまったけれど、行きつく先は人を護る刀だったというところが切なく、印象に残るシーンとなりました。出演が決まってから原作を読んだので、『銀魂』の魅力について私が語るのもおそれ多いですが、いい意味で普通じゃない感じがいいなって思いました。あのギリギリを攻めているパロディは映画でも楽しめます。怒られないかしら!?と思うようなところもありますが、そのさじ加減が福田監督のすごいところ。難しく考えず、わき出た感情を純粋に楽しみながら観てほしいです」
Writing:岩淵美樹
MOVIE
大ヒット公開中!
pagetop
page top