── 忙しい撮影の合間をぬって行われた今回のインタビュー。全身ブラックの衣装に身を包み、小町としてあらわれた本田翼。普段のナチュラルな魅力が封印され、ちょっとダークな雰囲気が印象的だ。

「普段はまったく着ることがないジャンルのスタイリングなのですごく新鮮です。着てみるとかわいいと思う反面、コルセットが意外と苦しくって(笑)。お仕事で着るならいいけど、普段はちょっとツラいかも。主演の大政絢ちゃんの衣装と比べると、小町の衣装はショートパンツやキュロットを取り入れたマニッシュなスタイルがほとんど。男気のある性格が反映されていると思います。ヴァンパイア役なので、牙もつけることもあるんですよ」

── 本人にとっては初のヴァンパイア役。人間界では20才、実年齢は165才ということでどんな役作りを心がけたのだろうか。

「実際は165才なので江戸時代生まれっていうことになるんですよね。でも、そこは置いといて20才の女のコを強く意識して演じました。物語自体もヴァンパイアではあるけれど、そこを感じさせるよりも、胸キュンするようなラブストーリーがメインですから。小町は恋愛と友情の間で揺れ動く役どころ。女のコのそういう気持ちってきっと普遍のものなので、あえて現代の女のコとして演じるのがしっくりきたんです」

── 本作で描かれるのはラブストーリーだけではなく、他のヴァンパイアと戦うシーンも満載だとか。

「第5話ではヴァンパイア伯爵とのアクションシーンがあります。１日がかりで深夜までロケをしたので体力的にしんどかった！　小町は強いキャラクターという設定なので余計に(笑)。筋肉痛になったし、知らないうちにアチコチにアザもできていてびっくりしました」

── ドラマでは人間界に初めて降り立ち、新しい環境の中で人間と出会い恋をしていく。そういった生活の変化や不安、喜びは私たちの日常においてもそばにあるもの。新しい環境に踏み込んだり、新しい人間関係を築くことについて、本田の考えとは？

「学生時代に入学や卒業、クラス替えがあったように、仕事柄新しい現場や人と出会うことは多々あります。人見知りだし、すぐなじめるタイプではないけど、無理してとけ込もうとはしないんです。仲良くなれる人とはきっといつか仲良くなれるはずという考えだから。気が合ったらいいなぁくらいで、かなりのんびりしてますね。ある程度時間をかけて築く友達関係のほうが私には心地いいんです」

── 今回は事務所の先輩であり、『non・no』モデルの仲間でもある大政絢との共演。人見知りな本田にとっては心強かったとのこと。

「絢ちゃんと一緒だったおかげで現場にもすぐなじめたと思います。同世代が多い現場でもあるので、すごく楽しく過ごしています。第4話の撮影では遊園地に行ったんですが、空き時間を利用してジェットコースターにみんなで乗ったり！　絢ちゃんは絶叫系が苦手なので、共演している健太郎役の冨浦智嗣くん、理沙役の岡本杏理ちゃん、それにマネージャーさんを加えた４人で楽しみました」

── そんなモデルとして、女優として、忙しい毎日を送る本田の息抜きは漫画だとか。

「ブログを読んでくださる方々におすすめの漫画を教えてもらったりして、新しい漫画を開拓してます。今月だけでも30冊は読んでるかも……。本屋さんに行って、ジャケ買いすることもあります。最近読んでおもしろかったのは『神様の言うとおり』という漫画でした。人の感性はみんな違うと思うので、私から“コレ、おすすめです！”ということはあまりないけれど、よかったら読んでみてください」

── 最後にドラマの見どころについて伺ってみた。

「ただの恋愛ものというだけじゃなくて、アクションシーンがあったり、逆境を乗り越えていこうとする女のコの姿も描かれている作品。音楽が大切なキーワードにもなっているので、楽しんでもらえると嬉しいです。まだまだストーリーは続きますが、私としては納得できるラストを迎えます。これから物語も大きく動き出すので楽しみにしてください。きっと、なにか心にひっかかるものがあるはずだから」