「やっぱりいい作品に参加できて良かったなって。原作も人気の作品ですし、兼重淳監督は是枝裕和監督の現場で名助監督って言われていた方なんですが、そういう方の作品に大人になった今、一周回って巡り会えたのも嬉しかったです。ポイントポイントで好きなシーンもたくさんあって、奥さん(川栄李奈)と赤ちゃんと普通に話してるところとか、クライマックスのグラウンドでライバルだった和田(竜星涼)とベンチで話してるところもいいし…あ、高校生のゴルゴと和田の夜の河原のシーンも印象に残っています。良い場面がいっぱいあります」
「まず、病気の役柄ってところでもお芝居をしっかり頑張らないとなって思いました。最初に2週間くらい撮影して、1週間くらい空いてからまた撮影、というスケジュールだったので、間にわりとしっかり体重を落とそうと思ってたんですけど…見た目のこともとても大事だと思っていたので。でも胃がんの中でもいろんな種類があるみたいで、今回描いているのは急激に体力は低下してしまうんだけど痩せすぎないのも症状のひとつだということで、落としたのは5kgくらいでした」
「堀家くんが自分の出番がないときも僕の撮影を見ててくれたりとか、堤さんを交えて話したり、直接コミュニケーションをとる時間を作りましたが、具体的に演技の話はしませんでした。監督が意図して演出していたところもあるでしょうし、僕が堀家くんを意識してなにかをどうこうするっていうより、堀家くんが僕に合わせる方が演じやすいかなとは思ったので、僕は自分なりにやりました」
「なんか“すごい偶然ってたまにあるよな”って、僕も生活していて感じることがありますけど、ありません? ありますよね!! 懐かしい人と急に会ったとき、ネガティブじゃなく、あのときはあんまり話せなかったけど、“今ならしっかりと話すことができる”みたいな気持ちになること」
「ゴルゴはみんながまったく感じないって言ったら嘘になる気持ちを…だからってわざわざ行動に移さなくても良いことも多いですが、そこにいちいち反応してしまっている。特に十代の頃はこの先生のように“頑張れ”とか“努力しろ”ってことを大人に言われがちですけど、そういうとき僕自身も“でもなにをどう頑張ればいいの?”“いやもう結構頑張ってると思うんだけど”って思ってましたし(笑)。彼もそう考えたんだと思うんですよ。でも…劇中、先生は“あいつは継続する力がないんだ”とも言いますよね。今の結果だけを見るんじゃなくて、好きなことを、わかんないんだけど続けてる、続けていくっていうことも、大人になるにつれて大切なことなんだなってわかりますよね。もちろん、そこで逃げる気持ちもとってもわかるし…僕もそういうタイプだったので(笑)。それが29歳になってようやくわかるようになった。当時、全くわからなかったですけど。ゴルゴもそう。わかっていたから、また先生と話したくなったんじゃないかなと思います」
「堤さん! ご一緒できるのがとっても嬉しかった。堤さんの出ていたドラマ『やまとなでしこ』とか、真剣に見ていたので…そういう憧れの存在の方と、先生と生徒という濃い関係で共演できるっていうのは、仕事してきて良かったなって思います(笑)。いやぁ、やっぱ、今でもかっこいいです、堤さん。“どうやったら40代、50代…ずっと第一線で活躍し続けられるんだろう”って…その秘訣を知りたいな、と思いながらご一緒していました」
「最近あまりこういう作品をやっていなくて…個性の強い役柄が多かったので、静かに心に響くような作品に今、このタイミングで出演できて良かったと思います。僕世代なら共感できるところがいっぱいあるだろうし、堤さん世代の方が観るとまたその視点があるなと思いますし。幅広い世代の方に観ていだたきたいです」
「僕はこれから。いよいよこれからです(笑)。よく“いろいろ仕事してるよね”って言われるんですけど、自分的には“いやまだこれからですよ”って思ってる。よく“俳優は30からだ”って言うじゃないですか。ホント、そうだなって。自分もじきに30歳になりますし、まさに“こっからだよな”って、すっごく考える。なので、この『泣くな赤鬼』は自分にとって“よーい、ドン!”の“よーい”ポーズですね(笑)。僕はここから走り出します。そして“柳楽、半端ないよな”って言われるくらいまだまだ頑張りますので、どうぞ応援してください!」
Writing:横澤由香
MOVIE
6月14日(金)公開
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