EVENT
「STARDUST DIRECTORS film fes. 2019」開催!
同イベントは、『フォルトゥナの瞳』監督の三木孝浩、『君は月夜に光り輝く』『そして、生きる』監督の月川翔をはじめとする、スターダストに所属する監督の作品上映およびショートフィルムコンペティション作品あわせて計11作品を上映し、サプライズゲストを招いてのティーチインを実施。
開会舞台挨拶では月川が司会進行をつとめ、「今年で3回目を迎えました。1回目はチケットが売れ残ったら自分たちで買い取りましょうかという話をしていたのですが(笑)、今年はすぐに売り切れたということで、本当にありがとうございます。スターダストに所属している監督の作品や、昨年から始まった短編のコンペティションに応募していただいた新人の監督さんの作品など、いろいろな作品に出会っていただけたら嬉しいです。」と挨拶。
第1部にて『坂道のアポロン』を上映した三木は、「音楽ものということで、やはりスクリーンの大音量で観るというのは気持ちがいいですね。中川(大志)くんのキャスティングは、プロデューサーから、ドラムをやったことがあるらしいという話を小耳にはさんで決めさせていただきました。最初、どれくらいできるか見てみましょうという話になって、(中川がドラムを叩いたところ)8ビートができるかなといった感じだったので、そこから練習をしていただきました。曲が決まるのがギリギリだったので、半年くらいは基礎練習をやっていましたね。また、ディーン(フジオカ)さんがジャズバーで歌唱するシーンは、ご本人も音楽をやられているので凄くノリノリでやっていただきました。事前にレコーディングしたものを流しながら撮影したのですが、ご本人が曲の雰囲気を意識しながら歌ってくれていました。」と撮影の裏話を明かした。
今年も、若手監督発掘のために広く一般から短編作品を募集するショートフィルムコンペティションを開催し、上位5作品をスクリーンで上映。審査に参加してくださったお客様と審査員による評点の結果、八重樫風雅監督による『灯台の子』が<STARDUST賞>に決定した。
その後、第2部にて『SWAN SONG』、『あのときのFlavor...』、『RISE UP』を上映。
落合賢は『SWAN SONG』制作の経緯について、「LDHさんと「SHORTSHORTS」さんがタッグを組んで7本の短編を作る『CINEMA FIGHTERS』という企画があり、楽曲をもとに1作品ずつ作っていくという形で僕もこの作品を制作させていただきました。ちょうど二年前くらいに岩ちゃん(岩田剛典さん)と桜庭(ななみ)さんと冬の寒い中長岡へ行って撮影しまして、街並みはCGでいろいろ合成しましたが、実際に雪の街の中で撮っていたので、毎日撮影が大変だったことを覚えています。」と笑顔で回想した。
『あのときのFlavor...』についてYuki Saitoは、「最初はショートショートフィルムフェスティバルで撮った作品が、ネスレさん主催のネスレアミューズ映画祭でグランプリを取らせていただいて、その副賞としてネスレさんのコーヒーを題材としたショートフィルムを撮るというのがスタートでした。作品としては、僕は映画監督を志して8年くらいアメリカで留学をしていたのですが、留学を終えて故郷の成田に降り立ったときの心境みたいなものをそのまま作品にすると恥ずかしいので、自分の思いを、ニューヨークのブロードウェイで女優を目指す役という形で芦名星さんに託して、物語を作っていったという感じです。“ハリウッドで監督やってたんでしょ。すごい”と友達から言われるけど、実際には“住んでいただけだし”みたいな(笑)。その複雑な悶々とした感情があのときは強かったので、そういう思いを詰め込みました。」と作品に込めた思いを語った。
中島良は『RISE UP』について、「石川県の白山市を舞台に映画を撮ってほしいというお話をいただいて、オリジナルでストーリーを書かせていただきました。現地にパラグライダー場がありまして、パラグライダーという要素と、目の見えない方が写真を撮るというストーリーを組み合わせています。実際にパラグライダーを体験しましたが、空酔いになりました(笑)。また、若いキャストは撮影がタイトだったのですが、空き時間に、(仲野)太賀くんが自分の携帯電話で映画を作るんだと言って、林(遣都)くんと山下(リオ)さんを主演にして別のストーリーを休み時間に撮っていましたね。」と当時を振り返った。
また、『RISE UP』の制作に、ティーチインにて司会進行を担当した瀬田なつきが関わっていたことが話題にあがった。瀬田はキャストが自主制作していた映画の存在を知っていたようで、「ホラー系でした。(DVDなどの)特典とかになるのかなと思っていましたが、特に入ってないですよね(笑)。編集した思い出はあります。」と明かしていた。
『響-HIBIKI-』を上映した月川は、「動物園で響が凛夏に“おかえり”と言うシーンは、平手(友梨奈)さんが上を向いた表情が良くて、あれは上を向いてくださいと言ったわけではなく、平手さんから出てきた芝居です。平手さんに全然瞬きもしていないしすごくよかったと話したら、“考えて演技をしていないから、わからない”と言っていてそのあとの演技がやりづらくなってしまったんですよ(笑)。その思い出のシーンですね。」と撮影を振り返り、「今日初めて『響-HIBIKI-』を観たという方がかなりいて、この映画祭をやってよかったなと思いました。この作品に興味を持っていない方とちゃんと出会えたことが嬉しいです。」と観客に向けてメッセージを送った。
そして最後に、閉会舞台挨拶にて三木は、「3回目ということで、お客さんとのコミュニケーションもどこか緊張する感じではなくて、リラックスして関係性を築けていると感じました。こういった大事な場をまた4回目、5回目と続けていきたいですし、そのためには僕らもより良い作品を作り続けていかなければいけないと思っています。この場所があるから、もっと頑張ろうと思える僕らにとって大切なイベントになりつつあると思っていますので、ぜひまた来年も開催できたら嬉しいです。また一緒に映画を楽しんでいただけたらと思います。今日はありがとうございました。」と感謝を述べ、イベントを締めくくった。