「時代劇が初めてだったので着物に慣れるのがまず大変でしたし、鏡に映る自分に違和感もありました。でも、着物のおかげで尚(しょう)へのスイッチが入る気がして、衣装って役作りにおいて大切なツールだと改めて感じました。現場では衣装を着て動くようにしていて、体になじませていました」
「体を動かすのは好きですし得意なほうですが、竹刀や剣を使うのは初めてだったので、苦労はしました。動きの基礎や剣の持ち方からはじめていきましたが、剣を持つだけでも筋肉痛になってしまうほど。意外と重いんですね、剣って。慣れるまでは大変でしたが、相手(斬られる役)はプロの方なので動きがなめらかで、僕が強くなれたような気がして楽しかったです(笑)」
「ワンカットで撮ると言われたときは、とても驚いてできるのかなって多少は不安でした。もちろん流れは把握していましたが、カット割りに合わせて練習していたので……。撮影前の緊張感はものすごくて、でもアドレナリンが出たのか体が勝手に動いてくれてなんとかやりきりました。小さなミスはあったと思うのですが、続けないといけないので気にしている暇もなく進むだけでした。7分くらい長回しをしていたそうですが、体感としてはもっと長く感じたかもしれません」
「昔の人は強いなと思いました。命をかけて闘うことは覚悟がいることなので、誰かを守るためといってもなかなか踏み出せないものですよね。でも、尚はこれまで出会った人たちや愛する人のために進んでいく。その強さや成長を表現できたらいいなと思って演じました。『赤い影』と並行して撮影をしていたので、感情の切り替えが難しいときもありましたが、監督が演者に寄り添ってくださる方だったので話をしながら尚を作り上げることができました」
「竜を演じた寛一郎くんとは同世代なので、一緒にいて楽しかったです。彼は年下ですけど、落ち着いていて常にリラックスして現場にいる姿が素敵だなと感じています。僕はすぐ力んじゃうんので、そこは見習いたいと思いました。共演者はほとんどが先輩だったので、なかなかお話はできませんでしたが、芝居を見て勉強をさせていただきました」
「どうでしょうか……。色々な現場を経験することで、さまざまな考え方に触れることができているので、引き出しは増えていっていると思います。役者ってどんな経験も生かせる職業だから、毎日が勉強であり成長できるチャンスがある。だから休みの日も家で過ごすよりは外に出て人と会って話をしたり、旅行に行ったり常に動いていますね」
「現実にはできないことができるのが役者、芝居のいいところで、特に時代劇は役者ならではの特権な気がします。昔の人たちがどんな思いで生活していたかは想像でしかないけれど、着物を着て剣を持って闘うというのはなかなかできない経験なので、興味深かったし楽しかったです。またやってみたいと思いました」
「自分のためではなく、大事な人のためにという原動力があることで人は強くなれると思いました。きっと尚の気持ちに共感してもらえるのではないかと思います。もちろん、アクションシーンもぜひ楽しみにしていてください。『赤い影』を観ていない人でも楽しめますし、もちろん観てからがおすすめですが……。どちらから観ても新たな発見があったりするので、『赤い影』『青い影』の両方を観ることをおすすめします!」
Writing:岩淵美樹
MOVIE
11月15日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほか公開
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