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“小説を音楽にするユニット”として、若い世代を中心に一躍注目を集めるYOASOBI。昨年11月に公開された第1弾楽曲「夜に駆ける」はBillboard Japan Hot 100 などで複数週にわたって1位を獲得し、ストリーミング再生回数は今年9月に2億回を突破。同じく、今年9月に発売されたYOASOBI初の紙書籍「夜に駆けるYOASOBI 小説集」(双葉社)も、発売1週間で重版が決定するなどして、大いに話題となっている。さらに11月13日(金)には、小説集にも収録されているYOASOBI第4弾楽曲の原作小説を原案とした3つのオリジナルショートストーリーから成る映画「たぶん」が劇場公開。夏の大会が自粛で中止となってしまった高校サッカー部のマネージャー江口役を演じた吉田美月喜に、撮影中のエピソードや主題歌を担当するYOASOBIへの印象、「世の中が一変した今だからこそできた」という本作の見どころを語ってもらった。

当たり前が当たり前じゃなくなった今だからこそ生まれた“新たな別れ”を描いた映画になっているんじゃないかなって思います

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―― 今回の映画では小説「たぶん」(しなの 著)のストーリーをモチーフにした、同棲中だったものの、気持ちのすれ違いを感じて別れることになった、大学生カップルの“ササノとカノン”の物語に加えて、恋人同士だが、お互いの気持ちに応えられなくなっている“クロとナリ”による社会人パートと、高校サッカー部の部員とマネージャーとして、実は互いに好意を持つ“川野と江口”による高校生パートが付け加えられた。

「この映画はYOASOBIさんの楽曲の原作になった『たぶん』という小説から生まれた作品なのですが、3組のカップルの『別れ』を描いた作品ではあるものの、どこかほんわかとした不思議な雰囲気が漂っていて、あたたかい印象を受けました。映画ではいろんな世代のいろんな別れが描かれているからこそ、より共感できる部分もあるのかなぁと思いました。特に私が出演した川野と江口のパートは、小説とは違うストーリーなので、台本をいただいた時は『どうやったらオリジナルと同じような雰囲気を出せるかな?』って、実は少し不安な部分もあったんです。でも出来上がった映像を観たら、伊豆の綺麗な風景にも助けられて、まさに青春真っ只中の初々しい感じがすごくよく伝わってきて……。川野役を演じた寄川歌太くんは私よりひとつ年下で、2人ともリアルな高校生だったからこそ、あのナチュラルな雰囲気が出せたんじゃないのかなって思います」

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―― そもそもYOASOBIの楽曲や小説に対して、吉田はどんな印象を抱いていたのか聞いてみた。

「数多くのコンテンツがある中でもYOASOBIさんはいろんなジャンルとコラボしたりしてたくさん露出もされているので、自然と耳にする機会も多かったです。まわりの友達に聞いてもYOASOBIさんのことを知らない子は一人もいないくらいだし。だからこそ、この映画の原案となった原作小説やYOASOBIさんの楽曲『たぶん』の中にある『みんなから愛されている世界観』を崩しちゃいけないなっていうプレッシャーもありました。YOASOBIさんのミュージックビデオのコメント欄を見ていると、『この曲(『たぶん』)が一番好き!』っていう方が結構多くて。私もこの小説や楽曲の雰囲気が大好きなので、その世界観を壊さないように気を配りながらも、映画に登場する3組のカップルそれぞれが、ちょっとずつ違うものを出していけたらいいな……っていうのが、今回自分の中で特に意識した部分です」

―― 江口を演じる上で、Yuki Saito監督からはどんなディレクションを受けたのだろうか。

「とにかく聞き上手な監督で(笑)、オーディションの時から既に、過去の自分自身の別れのエピソードだったりを、割と何でも話せてしまったような記憶があります。なので、江口役をやらせていただけると聞いた時は、『わぁ!やったー!』ってすごく嬉しかったです。きっと監督ご自身が優しくて柔らかい空気をお持ちの方だからだと思うのですが、現場の雰囲気もすごく和気あいあいとしていました。衣裳合わせの時に寄川くんと本読みをやらせていただいたんですが、まさに今のコロナの状況を取り入れた作品でもあるので、川野と江口が携帯のビデオ通話でやりとりする場面が出てくるんです。でも、ビデオ通話をしながらの演技というのは、私も寄川くんも過去に経験したことがなく……。最終的には『きっと伊豆のロケーションで撮るからこそ生まれる感情もあるんじゃない?』『まずはその場で感じるがままにやってみよう!』という話になりました。ビックリするくらいのスケジュール感の中で、一気に『トントントン!』っていろんなことが進んでいきました。スケジュール的にはかなりバタバタでしたけど、素敵な現場だったからこそ、これほどスムーズに出来たんじゃないかな」

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―― 今どきの高校生にしては意外な気もするが、実はプライベートでもビデオ通話の経験がなかったという吉田。撮影前に友だちに協力してもらって練習したというが……。

「友だちに相手役をお願いしてビデオ通話の練習をしてみたんですけど、画面の中に相手の顔だけじゃなくて自分の顔も写るから、つい前髪が気になっちゃったりするんですよね(笑)。だから『本番で上手く演じることができるのかなぁ?』って心配だったんですけど、実際のビデオ通話のシーンの撮影でも寄川くんが電話の向こう側で相手をしてくれたので、あまり意識しないでできました。やってみるまではいろいろ不安でしたが、やれば意外とできるもんなんだなぁ、ビデオ通話って画期的だなぁって思いました。でもやっぱりちょっと恥ずかしいから、プライベートではたぶん使わないと思います(笑)」

―― 映画の中では、ビデオ通話をしていた二人がその後、リアルで対面する胸キュンエピソードも描かれる。ビデオ通話とリアルな対面の芝居は、どう演じ分けたのだろうか。

「江口はまさか川野が直接会いに来てくれるなんて思ってもいないわけだから、サプライズ感も味わえるというか、ある意味理想的なシチュエーションとも言えますし、余計キュンとしちゃいますよね(笑)。考えずに衝動的に動いてしまえる高校生らしさも感じられて、私自身『いいなぁ~江口!』って思いながら、お芝居しているような部分もありました(笑)。私自身は、三日間撮影に参加させていただいたんですが、一日目は東京で、二日目と三日目は伊豆に行ったんです。東京の撮影時にちょうど台風が直撃していたので『大丈夫かなぁ』って思っていて。結果的には“ササノとカノン”の心情的には雨がピッタリで、今となっては高校生パートの伊豆のシーンとの対比もあって良かったなって思えるんですけど、当日は『明日本当に晴れるのかなぁ』って、不安でいっぱいでした。でもいざ蓋を開けたら二日間連続ですごくきれいに晴れて。一日目は夕日が落ちるときにちょっと雲がかかっていて、紫色っぽくも見えて、さらに二日目には、雲が一切かかっていないきれいな夕日も見られました。『両方の夕日を見る機会なんてなかなかないよ!』って、現地の方も驚いていたくらいだったので、本当に良かったなぁって思いました。あんなにきれいな景色の中でお芝居ができるなんて、すごく贅沢なこと。あのシーンは、ぜひスクリーンで観ていただきたいです」

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―― 本作に対し「新しい日常の中で様々な変化がある今だからこそリアルに共感できる」とコメントを寄せていた吉田。まさに今だからこそ体現できた部分もあるという。

「この映画の中で描かれる“別れ”は、ある種大きく変わってしまった世の中の情勢がもたらす新しい別れというか、今の時代を生きている私たちだからこそ感じられる、新たな恋の障害とも言えるんじゃないかと思います。もしこれが今じゃなかったら、どこかファンタジーになってしまうような気もするんですけど、『たぶん』に出てくる3組のカップルの別れはソーシャルディスタンスの世の中でリアルに起きていることでもある。この映画を通じてすごく自然な形で新しい別れを体感できるところは、ある種の強みでもあって……。まさにこの時代だからこそ生まれた“新たな別れ”を描いた映画になっているんじゃないかなって思います」


Writing:渡邊玲子

インフォメーション

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(C)ソニー・ミュージックエンタテインメント

MOVIE

『たぶん』

11月13日(金)公開


小説を音楽にするユニットYOASOBI、原作小説初の映像化。
大学生カップルで同棲をしていたが気持ちのズレを感じ、別れを選んだササノとカノン、夏の大会が自粛で中止となってしまった高校生サッカー部員・川野とマネージャー江口、そして社会人で恋人同士だがお互いの気持ちに応えられなくなっているクロとナリ。
新星個性派キャストが紡ぐ3組の男女の"最も切ない別れ"と"新しい一歩の物語"を主題歌となるYOASOBIの「たぶん」が切なく彩る。

【ササノとカノン】
大きな物音で目覚めるカノン。別れたササノが部屋を整理しに帰ってきていた。同棲を始めた時、「私たちは変わらない」そう思っていたのに些細なことで少しずつ“ズレ”を感じ、別れを選んだ二人。大学はオンライン授業になり、就職活動を控える中、将来を真剣に考えるカノンと楽観的なササノ。どうしてこうなったの? 悪いのは彼なのか、私なのか。たぶん……。

【川野と江口】
サッカー部の川野とマネージャーの江口はビデオ通話をしていた。今頃、最後の大会を迎えているはずだったが、今年は自粛により中止に。努力が報われないまま、憂鬱な受験の話をしていた。通話を切ると川野のラインにチームメイトから江口が東京へ引っ越すと知らされる。3 年間チームと自分を支えてくれていた江口のことを思い、気づくと川野は自転車で走り出していた……。

【クロとナリ】
インテリアデザイナーのナリは彼氏のクロとなかなか連絡が取れず、直接家を訪ねる。インターホンを押すとクロが出迎えるも、玄関にはヒールの靴が。アリサと名乗る女性は編集の仕事をするクロの元同僚。オススメのDVD を届けにきたという。クロのことが大好きなナリは動揺を隠せずその場で言い合いになってしまう。こんなにも好きなのに……。

▼公式サイト
https://monogatary.com/tabun_movie



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