STAGE
2012年10月1日更新
2004年12月公開に公開された映画「銀色のエンゼル」。あれから8年、監督だった鈴井貴之さんが演出する舞台「樹海」に出演することになった佐藤めぐみ。8年間の成長、舞台への想いなどを聞いてみました。
舞台では、その役を生きられるのが幸せ。「あー、生きてる」って実感します。
── 今回、鈴井さんと8年ぶりにお仕事をすると思うのですが、いかがですか?
「全然変わっていなかったですね。前は映画の監督で今回は舞台の演出なので、その部分ではちょっと違いますね。演出のスピードがとにかく早いのでびっくりしてます。今回はポンポンとアイデアも浮かんでくるみたいで、(共演者の)みなさんがアドリブをいろいろやるから、それいいねってことでいろいろ取り入れるんですが、どんどん鈴井さんがそれに乗っかってかなりスピーディーな稽古で、鈴井さんのイマジネーションがいっぱい膨らんでいるみたいです。楽しいです。」
── 成長した部分を鈴井さんに見せたいなという気持ちもあると思うんですが、8年間でここは成長したなと思う部分はありますか?
「多少自分でも意見を言えるようになって、役のことを考えたりとか、自分から提案とかできるようになりました。映画の時もコメディー要素は少しあって、それに比べると今回はそういう要素がだいぶあるのでコメディーチックなものもできるよという部分は見てもらえると思います。」
── 今回舞台の出演が決まったと聞いたとき、どんな気持ちでしたか?
「まずマネージャーさんからこういう話があるよと聞いたとき、鈴井さんと言う文字を見てやりますと即答しました。10年間他に一緒に仕事をしたことはなかったので、見ていてくれたんだ、忘れられていないんだと思いました。鈴井さん的にも今回の作品はきっと思い入れのある大切な舞台だと思うので、その舞台に出してもらうのはすごく嬉しくて、光栄だなと思って、これは死ぬ気で頑張らないとなと思いました。」
── 今回、4人という少人数の舞台なんですが、他の舞台と違う部分はありますか?
「まずは台詞が多いことに最初びっくりして、覚えるのが大変だなと思ったのと、キャラが一人一人たっていないと舞台がもたないので、いつも以上に役についていろいろ考えなくてはと思いましたね。女子が一人だし、年代的にも20代一人なので、それ特有の、色を濃くしていかなくてはと今考えています。」
── 演じる女の子の役は自分に近いですか?
「まずは、東大なんで、その部分は全然違いますね(笑)。最初は接点ないと思っていたんですが、台詞を言っていくうちに、プライベートでも友達と話をしている時、同じこと言ってるかもと思うときがあったりしたので、もしかして近いのかもしれないないですね。」
── 舞台の魅力はどう感じていますか?
「ノンストップで2時間なら2時間、その役を生きられるのが幸せで、「あー、生きてる」って思うし、それだけに集中できるのが魅力ですね。毎回、お客さんの空気も違うので、そういう部分はいい意味で影響していると思うし、毎回拍手ももらえるので、お客さんの顔を実際見て、この人達にちゃんと届けられていると確認しながらできるので、実感になります。」
── プライベードで舞台もたくさん見られていますが、どんな風に他の方が演じているものを見ていますか?
「その時の自分の課題によって変わっているんですけど、台詞を言っている時に体をどうしているのかな?といつも見てるんです。お芝居だと思うと、動きを止めて台詞を言ってしまうんですが、上手い方は、ずーっと普段やるようなことをやりながら台詞を言っているので、そういうところを見ていますね。体制や角度で与える印象も違うし、なんでこれ背中向けて台詞言うのかなと感じながら、演出家さんは何を見せたいんだろう、と考えつつも、たまに脇を見たりして、楽しんでいます。あとは、台詞を何しながら聞いているんだろうという部分が気になります。となると普段からでも、人の動きを見るようにはなりましたね。」
── 舞台を見ることは自分が演じる上でも生かされていますか?
「目に見えてというわけではないんですが、最近はいろんなものを見ていて、その中で、蓄積されたものはあるんで、少しずつ参考にしています。やっぱり舞台に出ている人のパワーはすごいじゃないですか?それをもらいに行ってるというのもありますね。失敗できない状況で演じている人達のパワーをもらって、自分も頑張ろうとやる気を出す為にいくのもあります。」
── 現場はどんな感じで稽古していますか?
「本読みはなくて、ほとんど立ち稽古で、この間初めて通したんですが、今日くらいから鈴井さんも細かく止めてさらに細かいディテールをつけてくれると思います。今まではとりあえず流れを作るためにも、一気に20?30ページやっていて、立って、通してやりながら毎回お互いにアドリブを出して、改善しながらやってますね。稽古だからだと思うんですが、すごい自由で楽しいですね。みなさん舞台の出演が豊富な方々なので、アドリブにどんどん返しているんです。私はツンケンする役なので、客観的に見ているんですが、その様が面白くて…。実験しながら、とりあえずみんなで出せるものを出している状態ですね。 毎回違う場所に立ったり、角度も違うので、ここまで自由にやって許されるんだなと、なるべく自分もそれを見習って、振り幅がでるように工夫をしたりしています。」
── 公演の初日は緊張するタイプですか?
「私は、初日だけでなく、毎回緊張しますね。舞台に出て、一言目を発したらだんだん緊張がほぐれてくるんですけど。今まで最後に登場することが多くて、みんなが温まったところに出てくるので、いつもみんな爽やかな顔している中、私だけすごく緊張しているんです。でも今回、一番最初に出るんです。今までしたことない経験なので、それが新しい扉です。本番前は出演者、できれば演出家の方も絶対目を合わせてコンタクトをとっておく、お願いしますという挨拶は絶対しますね。」
── 忙しい毎日だと思いますが、息抜きはしていますか?
「ずーっと同じことを考えていると頭の中が色あせてくるので、友達と会って全然違う話をして、脳をリフレッシュして、新しいことを入れられるようにしていますね。休みの日は稽古中できなかったことをいろいろやろうと思って、詰め込みすぎてしまうんで、けっこう忙しいです。今回のお休みも整体に行ったり、美容院に行ったり、友達にあったり充実していました。本当は24時間、うちでゴロゴロしていたいんですが、自分の武器をなるべく持ちたいと思うんで、ついいろいろなことをしてしまいますね。でも、アクティブでない日もありますよ。本当に何もしない日もあるんで、自分の中で、バランスをとっています。」
── 最近、興味を持っていることはありますか?
「最近、全然英語の勉強ができていないので、勉強したいですね。時間があったら、英語をしっかり勉強したいです。そしてまた、留学に行きたいです。アメリカの人は、自分のことをすごく大事にするし、自分に自信を持っている人が多いし、チャレンジすることを褒めてくれるので、すごくポジティブな気分になります。自分の取り柄をみんな持っていて、私もそういう部分を持ちたいなという意識改革もあったし、私もここは自信をもってできるんですという部分はどこなのかなと考えられるきっかけになりました。留学していた時は、見るもの全部が新鮮で刺激的だし、切符を買えたこと、郵便を送れたことだけでも涙がでるほど感動して、活性化されましたね。日本に帰ってきれからは今までは凝り固まってたものがねじが一本とれて自由に考えられるようになって、仕事のことを考えたくないときは考えずに自分を甘やかしてあげられるようになったし、逆にやらなくてはやらなきゃと切りかえられて、自分に素直になれるように楽になれましたね。」
── 今後挑戦してみたい役はありますか?
「相反するものなんですが、作品的には『ソウ』のように心理戦の作品をやってみたいというのがひとつで、あと大恋愛をする役を久しぶりに演じてみたいです。死ぬ程愛し、愛されたいです(笑)。今年は舞台が多かったので、私的にはすごく満足なんですが、映像のお仕事もたくさんやっていきたいですね。舞台で培ったものを映像でも試してみたいと今、思っています。」
── 最後に、今回の舞台の見所を最後に教えてください。
「4人すごい色が濃いんですが、どれか一つ少しでも自分に当てはまるところがあると思うんで、そういうのを見つけるのが面白いと思います。わかりやすくて、面白い舞台なので、気軽に来てほしいです。いろんな飛び道具もあり、相当笑えるので、お楽しみに!私はそうとう嫌な役です(笑)。」
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「樹海~SEA of THE TREE~」
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それぞれの事情を抱え、自殺の名所・「樹海」に迷い込んだ3人の男とひとりの女。
ところがーリュックサックいっぱいの食糧を抱えてきた者、ここは自分の陣地だから自分以外はここでは死なせないと主張する者、などそれぞれの様子がおかしい。そのうち彼らは、「私が死のうと思ったわけ」と題したプレゼン大会をはじめる。それぞれの理由を聞いているうちに4人は気づいてしまう。本当に死ぬ気はなかったのではないか…と。しかし、彼らが迷い込んだのは「樹海」、一度足を踏み入れたら二度とはでられぬ「樹海」。はたして4人の運命は?!
東京公演:10月6日(土)~11(木)ル テアトル銀座 by PARCO
名古屋公演:10月13日(土)、14日(日)名鉄ホール
大阪公演:10月20日(土)、21(日)イオン化粧品 シアターBRAVA!
▼公式サイト
http://jukai-stage.jp/
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