「本当は、もっと間を空けずに復活すると思っていたので、『やっときたか~』という思いがありました。もしも10年以上空いてしまったら、復活するとしてもキャストを一新されてしまうかも……と心配していたので、今回の復活は本当に嬉しいです。しかも1時間を割いていただいてのスペシャルなので」
「私は、アニメーションの声の仕事は麗子ちゃんしかしていないので、完全に8年ぶりのアフレコはとっても緊張しました…! しかもゲストの声優さんが超豪華! あと、『こち亀』のアフレコはものすごく速いんです。両ちゃんの声って、ものすごく喉を酷使するので、石井さんに何度もやり直しをさせないようにしようという暗黙のチームワークがあって。今回は1時間のスペシャルだったので余計にそういう空気があったし緊張しました。最初の台詞『おはようございます』を言って、ようやくちょっとだけ落ち着きました」
「共演者の方たちと一緒にスタジオに入ったとき、レギュラー陣は自然と、8年前と同じ位置に座ったのが感慨深かったです。石井さんはいつも端っこに座って、その近辺に部長なり私が座る。定位置に座ったことで、8年前にピューって一気にプレイバックして、ホッとしました」
「6月に今回のスペシャルが決まったときから、『8年出してないから両津の声がすぐには出ないだろうな』って、とっても心配されていました。アフレコでも、録って聴いて、録って聴いて、みんなに『どう?』と感想を求めていらした。私たちからすると全然お変わりがないと思うんですけど、石井さんのなかでは違和感があったみたいで、最後まで心配されていました」
「両ちゃんのハチャメチャぶりは相変わらずなんですけど、麗子ちゃんの両ちゃんへの好意は、母性っぽくなってきているなと感じました。以前だったら、ハチャメチャなことをやる両ちゃんに「そんなことをやったらダメ!」「お金なんて貸さない!」と対応していたのに、今回は「両ちゃんらしいわ」と許しちゃったりしているんです。だいぶ両ちゃんに慣れちゃったんでしょうね。だからといって声の出し方を変えるほど私は器用ではないので、意識したのは8年前と変わらず、お嬢様っぽく喋ることを心がけました」
「初めて参加したときは『ちょっと両ちゃん! 何やってんの…!?』と呆れましたけど、自分がこの年齢になると、見ている分には面白いのでウェルカムです。これくらいのパワーのある人が身近にいたら、嬉しくなりますよね。周りは巻き込まれますけど『両ちゃんだからしょうがない』と言わせるキャラクターってすごいと思います。なんだかんだ、両ちゃんが自分で落とし前をつけなきゃいけないオチになっているのもいいですよね」
「秋本先生は流行に敏感な方なので、ストーリーに旬のネタやアイテムを取り入れるところがさすがだなって思います。8年前にはなかった建物も下町にちゃんと描き込まれています。あと、8年ぶりなので、懐かしのキャラクターをなるべくたくさん出していただけたのかな、と感じました。『こち亀』のスペシャルでお約束の特殊刑事課+ゲスト+いつものレギュラーが登場するドタバタを基本に、キュンとする要素、ジーンとする場面があるので、老若男女に響くものになっていると思います。両ちゃんワールドの魅力はジェットコースターのように緩急と起伏のあるストーリー展開。ジェットコースターに1時間乗っている感覚で楽しんでほしいです」
「秋本先生は、連載を休んだことがないんですよね。そしてアトリエがものすごくきれいで、毎回お片付けをきちんとされてからお帰りになるのだとか。そういうルーティーンが確立されている一方で、お忙しいのに、『こち亀』のイベントがあると顔を出してくださるんです。フィギュア、車、銃、バイクなどにもとてもお詳しい。ルーティーンと好奇心と探究心のバランスが、40周年を迎えることができた秘訣なんだと思います」
「なんでも形から入るので、道具を一式揃えても、すぐに飽きちゃうんです。下の娘が高校を卒業して手がかからなくなって、子育て燃え尽き症候群みたいな状態になったこともあり、今は2年前に飼いはじめた犬に気持ちがガーッと向かっています。その子との毎朝の散歩は日課ですけど、まだたった2年ですもんね。犬は生き物なので『飽きた』が通用しないので、できるだけ長く一緒に生活できたらいいなと思ってます」
「長女はアニメーションが大好きなので、彼女から『今期、観たほうがいいよ』というものを教えてもらっています。あと、小林賢太郎さんの大ファンなので、一緒に舞台を見に行ったりもします。本、コミック、小説、映画、演劇など、カルチャー全般は、彼女たちから教えてもらっています。そうでもしないと、世間の流れに取り残されて、LINEもできなかったと思います(笑)」
「石井さんは『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』のあとに入れて欲しいなんておっしゃってましたけど、枠があるならいつでも(笑)。レギュラーが無理だとしても、不定期スペシャルをもうちょっと頻繁にやって、これからも長くやっていけたら嬉しいです」
「びっくりですよね。一生懸命やっている方には申し訳ないですが、だらだら(芸能界に)いただけなので(笑)。うちの事務所は、お祝いごとに関しては、「やりたかったら自分でどうぞ」というスタンスなんです。83年にレコードデビューした【83年組】で、今も芸能活動をしている友だち7人と、大沢逸美ちゃんの声かけでここ3年くらい定期的に会うようになっていて。ランチを食べながら、『35周年で何かやりたいねー』なんて話はしています。事務所がバラバラなので、『どうやったらいいかねえ』なんてアイデアを出しあって、盛り上がってます」
「最初は『うそでしょ?』って。でも秋本先生が残念という言葉は使われていなかったので、前々からお考えだったのかなと思いました。勝手にいつまでも続くものだと思っていましたし、舞台やアニメもあって再盛り上がりのタイミングだったのでとにかくビックリしました」
「取り上げているエピソードは旬のものが多いので、時代みたいなものは感じないですし、懐かしいなとは思いますが、それがまさか40年という歳月が経っているとは。いつ読み返しても面白いですし、不思議といくつになってもその時の自分にマッチする作品なんですよね。そういった作品に声優として出演できていること。ご縁に感謝という言葉しかありません。最初は麗子に合わないというお声をいただくことも当然ありましたが、時間が経ち、だんだんと皆さんの中で麗子ちゃんの絵と私の声をインプットしてくださって今がある。こんなに幸せなことはありません」
「40年間一度もお休みすることなく描き続けてこられた間には、並々ならぬ努力やお気遣いがあったのではないかと思います。今はゆっくり一休みをしていただき、私たちのリクエストの声が届いて、秋本先生のタイミングが合えば、両ちゃんの姿をまた見せてほしいなって思います。とにかく、本当にお疲れ様でした」
Writing:須永貴子/Styling:庵郷子/Hair&Make-up:高橋亜子
衣裳:DHOLIC
TEL:0120-989-002
TV
9月18日(日)9:00~10:00、フジテレビ他にてオンエア
pagetop
page top