「女性らしいふくよかで肉感のあるスタイルが特徴なので、3kgほど体重を増やして臨みました。衣装も7回くらいフィッティングをしましたね。アクションシーンもありますから、激しい動きに耐えられて、かつラストの魅力を引き立たせる繊細なドレスになるように細部にまでこだわって作っていただきました。ヘアスタイルもこっているので、ヘアメイクを含めて、撮影の日は3時間くらい準備にかかっていたのではないでしょうか。私だけでなく、エンヴィーを演じた本郷(奏多)くん、グラトニーの内山(信二)くんも振り切ってやっていたので、ホムンクルスの3人が集まるととても異様な雰囲気でした。衣装をまとって揃ったときにはお互い『すごいね』なんて言って笑っていましたけど」
「人造人間ですから、いかに人間ではない感じを出すかというところはヘアメイクを含め、綿密にプランニングをして撮影に入りました。声のトーンだったり、動きひとつひとつをシーンごとに曽利(文彦)監督と細かくお話をしていきました。そのなかでも一番大切にしたのが気配のコントロール。存在しているようで、存在していないような不思議な存在感を出せたらいいなと思っていたんです。すっと現れたかと思うと、次の瞬間、振り向いたらいなかったという場面も多いので、気配のあり方、消し方を大切にしていました。ゾッとするというか、そこはかとない恐ろしさを感じてもらえたら嬉しいです」
「ほとんどがCGを使っているので、イマジネーションがとても大切になってくる撮影でした。ほぼ一人で見えない相手と闘うので、大変といえば大変なのですが、どう出来あがってくるのか楽しみでもありました。曽利監督が思い描く絵をキャッチしながら演じるのは、とても面白かったです」
「日本映画でここまでクオリティが高いものは、なかなかないのではと思います。曽利監督が撮影後に『これから素晴らしい作品に仕上げていきます』とおっしゃった通り、みごとに具現化されていました。ファンタジーの世界を存分に楽しめる映像の素晴らしさだけでなく、長編マンガの魅力が2時間のなかにギュッと凝縮されていると思います。人間のおろかさだったり、エドとアルとの兄弟愛だったり……。ストーリー性が高いので、見ごたえ十分です」
「エドとアルの魂の成長が軸になっていて、エドの思いがしっかりと伝わってくるストーリーになっています。エドを演じた山田(涼介)くんの信念が宿った瞳がとても美しく、印象的。あの瞳が全てを物語っていると思います。本田翼さん演じるウィンリィも魅力的でしたし、軍部の人達もとても素敵。ファンタジーの世界を高いクオリティで表現できたことを誇りに思いますし、そこに参加できたこともとても光栄に思っています。曽利監督の熱意、魂を込めた作品が全世界の人に届くことを願っています。私が演じたラストは出てくるたびにゾッとしてもらえたら本望。印象的なセリフもありますし、人造人間として生きてきた切なさも感じていただけたらと思います。ホムンクルスチームはインパクトがありますので、その存在感も楽しんでください」
Writing:岩淵美樹
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