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2014年11月7日更新

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モデルとして第一線で活躍中の比留川游が柳楽優弥の主演映画『最後の命』でヒロイン・香里を演じる。母親の束縛により心を蝕まれていく難しい役どころにどう挑んでいったのか? 今回のインタビューでは、「何もかも手探りだったし、反省もたくさんある」と語りつつも、充実感に満ちた晴れやかな表情が印象的だった。

自分と向き合うきっかけになる
観た後に余韻のある作品です

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── 本作で本格的な映画デビューを迎えた比留川。脚本を読んだ時点で香里という人物をどう捉えたのだろうか。

「最初に台本をいただいて読んだときに、香里の気持ちが理解できるところもあってすんなり受け入れられました。彼女はコンプレックスをすごく持っていて、自分に自信がないゆえに周りの人に影響されて、精神を病んでしまう。その過程に「なんでこうなっちゃうんだろう?」と疑問に思うこともなく、なんとなくだけど心境が分かったので、香里を理解することについて難しいという感覚はなかったですね。撮影に入る前にも、(松本准平)監督と何度か相談して「このシーンの香里はこの気持ちで臨んでいいですか?」と確認作業を重ねて作っていきました」

── ただ、心情を理解できても、演技に関しては常に手探り。映画を作る現場では分からないことだらけだったともいう。

「最初に作品に入るとき、キャスト同士が脚本を読み合わせる“本読み”があるんですけど、「普通に読んで」と言われてもその“普通に”が分からなくて戸惑いました。どれくらいのテンションで臨めばいいのか分からず、最初は棒読みでしたね。あとで監督にも言われたんですが、「あのときちょっとヤバイかもしれないと焦った」と(笑)。キャスト同士の前に、助監督さんと本読みのやりとりをしていたんですが、助監督さんも棒読みだったのでそれが正解だと勘違いしてしまって。そのあとに主演の柳楽さんと本読みする機会があり、そこで初めて「本読みでもお芝居するんだ!」と学びました。映画の現場は1回1回色んなことをしてみて、掴んでいく感じ。常に手探りだったので、分からないことはとにかく聞くしかない!と開き直っていた部分もあります」

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── 本作に登場する人物は誰しもが心に闇を抱えて、抗い、もがく生き様が静かに描かれている。実際の現場ではどんな雰囲気だったのか聞いてみると…。

「作品の内容のこともあって、いわゆるキャッキャッとした楽しい現場ではなかったと思います。逆に、その雰囲気がみんなが真剣に作品に取り組んでるあらわれだと思うと身が引き締まりました。監督も一つ年上で同世代ならではのやりやすさもありました。演じることの難しさを痛感しながらも、「ツラくてもうやりたくない!」とは一度もならなかったです」

── 主演の柳楽とのエピソードについて聞くと、恥ずかしそうに振り返える。

「一言で言えば、すごい人。あるとき隣に座っていた柳楽さんがセリフを言っていたんですけど、私は普通に話しかけられてると勘違いしてしまって(笑)。そのくらい役に入っている様が自然すぎて。私はそこに気付かなくて、香里ではなくて私のまま『だよね~』なんて相づちを打ってしまったのですが、柳楽さんはそのことにも気づいてないくらい集中していました。私じゃなくて香里に話しかけられたのになぁ…と振り返ると恥ずかしい瞬間がたくさんありました(笑)」

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── こうしてひとつ作品を終えてみて感じたこととは?

「試写で出来上がった作品を観ても、まだまだ冷静にはなれません。自分のお芝居を「もっとこうしておけばよかった」と反省ばかりです。でも、お芝居は楽しかった。自分が他の人になって演じることも楽しかったし、現場の雰囲気も監督や共演者とのやりとりも新鮮でした。モデルとしてのスチールの現場では、スタッフとコミュニケーションは撮影日のけっこう短い時間だったりする。けれど、映画ではプロモーションなどで作品について話す機会もあって、一緒にひとつのものを作り上げている感覚がより強かった。こういったインタビューで作品を撮り終えたあとみんなと会えるのも映画ならではだと思います。もちろんもっと演技のお仕事に挑戦したい気持ちでいっぱい。共演者のみんなが熱くお芝居の話をしているのを聞いていても、キャリアのない私にはまだわからないことだらけ。感心して聞いているだけじゃなくて、その輪に積極的に加われるようになりたいですね」

── 比留川にとって、演技の世界はいつか挑戦したい場でもあった。新しい世界に飛び込むことで得たものは大きかったようだ。

「正直、映像の中で動いている自分にしっくりこない気持ちもあります。でも慣れてなくて当たり前だし、それは「自分がこうありたい」という理想が強すぎて感じていることであって、他人からみたらそんな風に思ってなかったりする。だから気にしなくてもいいかなと思っています。女優の仕事が向いてる向いてないかも自分では分からない。そこは周りの人の評価に委ねようと思っています。演技をやりたい気持ちは2、3年前から大きくなっていたので、こうして本格的に取り組めたことが今は純粋に嬉しい。「演技をやりたい」と実際に口に出していたのも、周りに言うことであとに引けない状況を作るため。自分を動かすために言っていた部分が大きかった。「言ってるのにやってないじゃん」というのが一番かっこ悪いから。なので今回のお話をいただいたときも、次の日に監督に会いに行ったくらい即決でした。年齢を重ねるとだんだん新しいことに挑戦する体力もなくなっていくし、勇気もなくなる。でも今回の挑戦で、ゼロからスタートすることを何年かぶりに経験できました。新しいことにチャレンジして頑張っている自分を嫌いじゃないっていう発見がありましたし」

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── 渾身の思いをもって望んだ『最後の命』。比留川自身はどんなメッセージを感じ、またどのような思いを届けたいのか?

「みんな一人一人、命は一個しか持っていない。つまり、今持っている命が誰にとっても「最後の命」なんだと。それを意識するのと、しないで生きていくのとは大きな差が生まれていく。この作品は、意識して生きていこうというメッセージが込められていると思います。愛や性が描かれている作品だけど、一般的なラブストーリーとは違って、見た後に「私の場合はどうなんだろう?」と自分を投影してみてほしいです。自分と向き合い、深いところを探るきっかけになるんじゃないかなって。観た後に余韻のある映画だと思います」

── 最後に比留川にとってのトラウマを聞いてみた。

「登場人物たちほど深いトラウマじゃないのですが……雨の日がすごく怖いです。前に、雨の日の撮影で思いっきり切りすべって頭を打ったことがあって。それこそヒヨコがピヨピヨと目の前を回るくらい後頭部を強打。本当なら雨の日は足元に水が入らないようにブーツをはきたいけど、ブーツの底はツルツルしているのが多い。それが恐怖で水がしみるのがわかっていながらスニーカーをはいちゃいます。すっごい小さいトラウマで申し訳ないです(笑)」

Writing:長嶺葉月/Hair&Make-up:笹本恭平/Styling:伊藤信子

「スターダストWEB」にて動画配信中!
詳しくは、フューチャーフォンorスマートフォンからアクセス!!
http://stardust-web.mobi/

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INFORMATION

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『最後の命』

11月8日(土)新宿バルト9ほか全国公開

芥川賞作家・中村文則の同名小説を実写映画化。子どもの頃に凄惨な婦女暴行事件に巻きこまれた明瀬桂人(柳楽優弥)と冴木裕一(矢野聖人)。トラウマを抱えたまま成長した桂人は、大人になった現在も人と肌を重ねることに嫌悪感を抱き、最低限の人間関係だけで日々を過ごしていた。そんなある日、桂人のもとに冴木から連絡が入り、2人は数年ぶりに再会するが、その晩、桂人の部屋で顔見知りの女性が殺害される…。映画初出演となる比留川は、母親からの束縛により精神を蝕まれ、入院している桂人の恋人・香里役を演じる。監督は「まだ、人間」でデビューを飾った新鋭・松本准平。


▼公式サイト
http://saigonoinochi.com/

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(C)2014 beachwalkers.

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