2012年4月26日更新
昼はほのぼのとしたパパ、月曜夜は凶悪事件を追いかける警視として活躍中の合田雅吏。全く違う役どころを演じるのが楽しく、相乗効果でいい意味で力を抜いて役に向き合えるという。多趣味でもある合田の素顔にも迫る。
癒し系パパとたたき上げ警視。180度違う役を楽しんで演じています
── 小学校のPTAを中心とした母親たちの“たたかい”を描く『七人の敵がいる!』で、主人公、山田陽子(真琴つばさ)の夫・信介を演じる合田雅吏。女性たちの闘いに「冗談みたいだけど、本当にあるんですね」と驚きを隠せない様子。
「PTAの実情はわからないので、客観的に見ると怖いですよね。このお話も、実際にあったできごとをデフォルメしているそうなのですが、台本を読むたびに“こんなことがあるんだ……”と驚いています」
── ファッション誌の編集長としてバリバリ働く陽子にとって、夫・信介は癒しの存在。
「一般的な夫婦とは違って、妻と夫の役割が逆転している感じですね。陽子は仕事でもPTAでも妥協を許さず常に闘っているので、家に帰ったらホッとできる環境をつくってあげたいと信介は考えていると思うんです。だから、夫として癒しの存在になれたらなと思いながら演じています」
── 女同士のドロドロとした闘いとは一転。家でのシーンはホッとできる場。息子・陽介(笹原尚季)とも本当の親子のよう。
「子供は好きなので、自然と仲良くなれました。遊ぶときは思いっきり遊ぶし、悪いことをしたらきちんと叱るようにしています。尚季くんは親戚のおじさんくらいに思ってるんじゃないかな(笑)」
── ドラマのなかでは陽子をはじめ、強い女性が多く登場する。そんな女性はどうかと尋ねると……。
「好きですよ。強くいられるということは、自分の意思、主張がきちんとあるからだと思うんです。自分をしっかり持っている女性は魅力的ですよね。周りにも多いですしね、強い女性は」
── 撮影現場はもちろん女性ばかり。撮影前にメイクルームにいると自然と女子会のような雰囲気になるのだとか。
「僕の出演シーンがあるときは、ほかに男性陣がいないので、周りは本当に女性ばかり。ヘアメイクさんも女性なので、いつも女性に囲まれています(笑)。みなさんの会話を聞きながら楽しんでますよ。でも、あまりにもその場になじみすぎて、僕がいるのに着替えはじめたりするので困りますけど(笑)。真琴さんがとてもタフで現場を盛り上げてくれるので、どんなにタイトなスケジュールでも笑いがたえないし、チームワークがとてもいいので、楽しいですね」
── 和気藹々とした現場とはガラリと異なり、ストーリーはますます泥沼化!? 信介もPTAに参加したり、嫁姑問題も勃発とか。
「撮影も後半戦に入ってきて、信介も癒しだけではいられなくなってきています。あることがきっかけでPTAを手伝うことになり、その中で『子供のためにっていうのは怖い言葉だよね』というセリフがあるのですが、本当にそう思いますね。“子供のため”と言われてしまうと断れないし、言い返すこともできない。“子供”を盾にしてなんでもやっていたら大変なことになるだろうなと感じました。嫁姑問題はPTAとは違って、男は逃げ腰になりますよね(笑)。全65話あるので、さまざまな家族、問題が取り上げられて、見ている人も何かしら共感できたり、思い当たることがあるはず。学校のこと、家族のこと、仕事のこと……この時代に即した問題がたくさん出てくるなかで、陽子を中心にどう解決していくのか、そこに夫である信介がどう協力していけるかを見ていただけたらと思います。家族だけでなく、学校や地域とのかかわり、絆の大切さも感じ取っていただけたら嬉しいです」
── 昼の癒し系パパとはガラリとキャラクターが変わる『ハンチョウ』での城戸章弘。同時にふたつの役を演じるのは大変なのでは。
「撮影に入る前は少し心配でしたが、実際始まってみると切り替えが自然とできているんですよ。全く違う役だからなのかな、『ハンチョウ』の台本を手にすると、すーっと城戸の気持ちになっているんです。気分転換というとヘンかもしれないけれど、違う役をやることでリフレッシュできています」
── 人気シリーズへの出演もさることながら、『水戸黄門』と同じ「パナソニックドラマシアター」枠ということが感慨深いという。
「思い入れのある枠に新たな役で出演出来るのはうれしいですね。自分の中では特別な時間帯(月曜20時)なので、緊張感もあります。『ハンチョウ』も長く続く人気シリーズですが、今回は警視庁と舞台も変わり、メンバーも新しくなっているのでみんなで一から新たなチームをつくっている感じがします。きっと回を追うごとに、安積班のチームワークがさらによくなってくるのでは。僕が演じる城戸は敵ではないけれど、安積班とどういう関わり方をしていくかが自分でも楽しみです」
── 警視ということで、独特なセリフまわしに苦戦しているという。なかでも事件の説明には注意点が多いのだとか。
「容疑者、被害者というのも間違えられないし、名前のイントネーションもことこまかに指示があって。自分のなかで正しいと思っていたことが現場で変わると一瞬パニックになりますね(笑)。それに、説明セリフは単調になってもいけないから、きかせるところと流すところのメリハリが難しいんです。(佐々木)蔵之介さんの芝居を見ながら勉強しています」
── 撮影現場では時間が空くと音楽を聴いたり、短時間の睡眠をとったりしてリフレッシュ。休日、何も考えたくないときは釣りがおすすめだという。
「釣りってただ待っているだけと思っていません? 違うんですよ。釣りの種類にもよりますけど、竿先を常に見ていないといけないし、いろいろと考えながらやらないと釣れないんです。でも、没頭できるから仕事のこととか忘れられてスッキリするんですよ。ドラマのロケで佐渡島に行ったときに、1日休みがあって共演者の方と釣りに行ったんです。そうしたら3人で、1時間半くらいやったらアジが100匹も釣れちゃって。次々かかるので楽しかったな~。ホテルの調理場にお願いして刺身と唐揚げにしてスタッフや共演者に振舞いました」
── 釣り以外にもサッカーや日舞と幅広い趣味をもつ。
「最近は古武道にも興味があって、一度、先生のところに行って技を見せていただいたんです。時間があればきちんと習いたいなと思います」
── 俳優としてのキャリアを着実に重ねながら、役へのアプローチの仕方、そして合田雅吏として少しずつ変化があるという。
「だんだん大人になってきたといってしまえば早いのですが、若いころはわりと自分勝手な部分があったと思うんです。でも、家族ができて、親もだんだん年をとっていき周囲の環境が変わってきたこともあり、周りをちゃんと見れるようになりました。突っ張ってひとりでできるよ!と言っていたのも、素直に“自分ひとりでは何もできない”と思うようにもなりましたし。同じように役に対しても広い視野が持てるようになって、考えすぎないようになった気がします。以前はひとつの役に集中しすぎて、プライベートでも四六時中役のことを考えて行き詰ったこともあって。今は、セリフは覚えていくけれど、どう演じようかとか、役へのプランは現場に入ったらいったん忘れることにしているんです。芝居は相手があって成り立つので、共演者との間で生まれる自然な動き、間を楽しめたらと思っています」
Writing:岩淵美樹
ドラマ『七人の敵がいる!~ママたちのPTA奮闘記~』
毎週月曜日~金曜日 13:30~14:00 フジテレビ系で放送中
小学1年生の息子を持つモード系ファッション誌の編集長・山田陽子(真琴つばさ)。最初の保護者会でPTAの洗礼を受ける。仕事を持ちながらのPTA活動、ママ友、姑、自治会など陽子の前には数々の敵が現れる。陽子だけでなく、さまざまな問題を抱える母親たちの奮闘記。合田は陽子の夫、信介役で出演。(敬称略)
(C)東海テレビ
ドラマ『ハンチョウ~警視庁安積班~』
毎週月曜日 20:00~20:54 TBS系で放送中
佐々木蔵之介主演の人気シリーズ第5弾。神南署から警視庁に舞台をうつし、新たな安積班が結成される。未解決事件、失踪事件、潜入捜査など警視庁ならではの幅広い事件に挑むことに。捜査一課・管理官で情報通の城戸章弘を合田が演じます。(敬称略)
(C)TBS
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