── 本作では、新進気鋭のゲーム会社「電算花組」のカリスマ女社長というインパクトのある役柄に挑戦。まず脚本を読んだときにどんな人物をイメージしたのだろうか。

「半田花子は１人のゲームクリエイターであり、若くして会社を立ち上げた女社長でもあります。ゲームが大好きでこの仕事をしているけど、社長という立場から社員の生活にも当然責任を持たなければいけなくて、自分が一番やりたいことよりも社長として会社のため、部下のためを優先して働いている女のコなんです。そんな自分とは反対に、主人公・モモやモモが務める会社『G3』は純粋に自分のやりたいことに一生懸命で情熱をぶつけている。憧れと妬ましさを抱えながら、でも自分の道を信念をもって歩んでいる役どころだと思います」

── 強さと弱さ。憧れと妬み。葛藤を抱えた難しい役へのアプローチ方法とは？

「花子はただ単にイヤな人ではないんです。そこを演じる私が一番理解してあげなきゃダメだと思って取り組みました。若くて、小さくて人からナメられる要素があるキャラクターなので、誰にもあげ足をとられないように常に臨戦態勢。でもその気の強さは自分のためだけじゃないので、部下との絡みのシーンは花子なりの愛情があらわれるように演じたつもり。花子の愛情表現って、部下にボディブローしたりするので特殊ではあるんですが(笑)、それもかわいがってるゆえの行動だと感じてもらえたら嬉しい。照れ隠しというか……彼女なりのスキンシップですよね。つらいことがあっても顔には出さないタイプなので、花子のかわいらしさや等身大の姿をそこでコミカルにみせられたらいいなと思っています」

── マンガが原作となっている点はどうだったのでろうか。

「私自身マンガを読むことが大好きなので、原作がある作品はやっぱり緊張しますね。それがマンガなのでなおさらでした。原作ファンの方は原作に愛を持ってるので、その愛ゆえにハードルが高くなってしまうもの。自分が演じるからには世界観を大切にしたいと思いました。私と花子は偶然にも、背が小さくて、ゲーム好きっていう共通点があったので、助けられた部分は大きいと思います。特に花子はマンガらしいキャラクターなので、演じるときも監督から“キャラっぽく”というリクエストがありました。セリフの言い回しも、自然な感じではなく特徴的に。セリフ自体も専門用語やカタカナが多くて苦労しましたね」

── ドラマ撮影中は多忙を極める。体調管理や長丁場の撮影でのモチベーションの保ち方は？

「病は気からっていうので、体調が悪そうなときは気づかないフリをしてます(笑)。熱がありそうだなと思っても計らない。ちゃんと計ってしまうと改めて病気なんだと思っちゃうから。あと、撮影期間は集中力を切らさないように、小出しに自分にごほうびをあげてるんです。例えば、“今日の撮影が終わったら映画を見に行こう”“帰りにマンガの最新刊を買おう”みたいに。マンガは甘々なラブストーリーよりも、少年マンガの方が好きですね。『マギ』『ドリフターズ』『ハカイジュウ』を読んでます」

── 小さなごほうび作戦のかいもあって(？)、全力で挑んだドラマ『大東京トイボックス』の見どころは？

「夢に向かって全力を尽くすことの素晴らしさ、ときにそれだけでは乗り越えられない壁……。そうやって理想と現実に葛藤しながら前に進んでいく姿を見ていただきたいです。ゲーム好きな人なら、ゲームの作成現場の裏側をのぞけるので、作る側の苦悩など普段は知ることができない部分が見れると思います。花子でいえば、いつも強気でプライドが高いですが、ゆくゆくは弱みを見せるシーンも登場しますので楽しみにしてください！」

── 最後に2014年の抱負もお願いします。

「2013年は新しい作品に取り組めて、自分の引き出しを増やすことができました。昨年、培ったことを基礎として今年はもっと活動を広げられたらと思います。今までやったことがないことに仕事でもプライベートでも挑戦したい。ひとつひとつ自分で納得しながら挑めたら最高ですね」