「台湾で大ヒットしているというニュースは日本にも届いていましたけど、「やったぞっ」っと、そっと一人でガッツポーズしていたので…だから、この作品がやっと日本のみなさんにも観てもらえるんだと思うと本当に感慨深いですね。普通、自分の出ている映画はちょっと距離を置いて観てしまうものなんですけど、この作品に関しては私、ホントにただのいちファンになってしまっていて(笑)。なんでしょう…本当に素晴らしい映画だと思います!オープニングからどんどんどんどん映画の世界の中に連れて行かれ、出てくる人たちが愛おしくてたまらなくなるんです。後半の甲子園での試合のシーンも、きっと野球を知らない方でも手に汗握ってしまうと思います。時間としては長いほうの作品だと思いますが、 “もっと観たい。まだ観ていたい”って思ってしまう、熱くて、暖かくて、優しくて、強い、とっても魅力のある映画だと思います」
「彼女を見てまず感じるのは“古き良き日本の女性像”、ですよね。でも決して三歩下がって…というだけではない、きちっとした強さがある人で、彼女の「強さ」は彼女の魅力でもあるので大切に演じようと思いました。球児たちのお母さん代わりという部分では、彼らのあの真っすぐな純粋さに引っぱられ、彼らの母でありたいと強く思い、永瀬さんとのシーンも、鬼監督が家族との時間の中でふと見せる人間性のようなものが伝わるシーンになったらいいな、と思いながら演じていました。実際、当時のおふたりは決して裕福な暮らしではなかったようなんですが、それでも奥様は自分の家庭の分を削ってでも球児たちのために…とやりくりしていたようで、大変な生活だったと思いますよ。でもあんなに一生懸命な球児たちと触れ合って、そして彼らを甲子園に連れて行くために全力で指導している夫がいて。やっぱり妻としては支えたいなと思うでしょうね。真っすぐに思いに向かっていく人って素敵ですから」
「“映画を創ること”は万国共通と言いますか、言葉が通じなくても映画を創るという熱のもとに集っている事実は変わらないんだ、ということにすごく感動しました。特に、“全力で創る”というみなさんの姿勢。日本でも台湾でも創る中での制約というのはどうしてもあると思うんですが、そこへのこだわり方や抗い方が非常に熱いというか…見ていて“日本人のほうが制約に対してはちょっと大人しいのかな”と思いました。自分たちの中にやりたいこと、伝えたいことが明確にあるからこそ、彼らは納得いくまで何度でもトライする。ホントにみなさんすっごく粘るんですよ。それってすごくシンプルだけど、一番大事なことなんじゃないかなって思って…私自身ちょっと羨ましくもありましたし、いい刺激をもらいました。とにかく迷いのない現場でしたね。 監督はとてもシャイな方なのであまりいろんなお話はしなかったんですけど、ご自身が俳優でもあるので、演出の言葉、感情を伝える表現がとても的確でわかりやすかったです。永瀬さんとも久しぶりに共演させて頂きましたが、やっぱり圧倒的な存在感をお持ちで、すべてを預けられる方だと再確認しました。なので、ふたりのシーンはもう安心してポッと(笑)、夫婦にならせてもらいました 」
「日本のことや歴史のことを皆さん本当に丁寧にリサーチされていて、セットも細かいところまで感動的に素晴らしかったです。私のお着物も台湾の若い女性のスタッフさんが着せてくださってたんですよ! そういうことひとつひとつからも力をもらって、安心して撮影に臨ませて頂きました。そして、“同じ目標に向かっているとホントに国境を超えられるんだ”という実感は、人間としてもいち役者としてもすごく嬉しい体験でしたね」
「やっぱり最後の甲子園の試合のシーンですね。球児たちはみんな野球が出来ることが第一条件で選ばれた役者さんたちで、その迫力はこの映画に素晴らしい感動を与えてくれています。私も泣きながら応援せずにはいられませんでした、お恥ずかしいですが(笑)。撮影して、野球の練習をして、次のシーンの台詞を覚えて…と、現場でも休むことなく頑張っていた球児たちの真っすぐで力強い姿をぜひ観て頂きたいです」
「“こういう役をやってもらいたい”ってオファーをいただくと毎回、“あ、そんな風に思ってもらえてるんだ。私でお役に立てるかな?”ってどんな役でも嬉しいです。そうですね、流れるようにと言いますか、まぁ私は私ですし(笑)、どんな役もマイペースに楽しんで演じています。もともとあまり役を引きずらないほうというか、ひとつひとつに全力を注ぎつつ淡々と生きておりますので(笑)。終わってコーヒーを一杯飲むとか、ビールをいただくとか。そんなことですぐホッとできちゃうんですよ、私(笑)」
Writing:横澤由香
MOVIE
2015年1月24日(土)公開
日本統治下の1931年、台湾代表として全国高校野球選手権に出場し、準優勝を果たした嘉義農林学校(通称:嘉農=かのう)野球部の実話を描いた台湾映画。pagetop
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