「友達に大事なことを話してもらえない部分は似ています(笑)。彼女ができたとかそういう情報はあまり知らなくて、友達の友達から聞くことが多いかも。高校を卒業して7年経っているので10代特有の勢いとか、怖いもの知らずという感覚を忘れてしまっていて、出演が決まってからは高校生をより意識して見るようにしていました。結果的に康太を演じる三河悠冴くんだったり、優斗を演じる萩原利久くんと一緒にいることが一番大切かなと思って、ゲームセンターに行ったり、ホテルで朝まで話したりしてずっと一緒にいました」
「監督から“5人で一緒にいてほしい”と言われたので、本読みが終わった後に5人でご飯を食べたり、撮影が休みの日も一緒に過ごすようにしていました。役作りをするというより一緒にいてお互いを理解することが大切なんだと。空き時間も本当の高校生にみたいに男子同士でここでは言えないようなネタで盛り上がって、女子が遠くから苦笑い(笑)。その関係が面白かったです」
「お互いのことが分かっている中で“ご飯食べればいいのね”という感じで集まって。いくつか決まったセリフはあったんですけど、あとは自由にご飯を食べてと言われて、三河くんが自発的にリードをしてくれたので、みんなそれに乗って演じていました。三河くんが引っ張っていく中で、僕も頑張っていろいろとアプローチをしていった感じです」
「今集まるとただの友達です(笑)。男子メンバーとは今も月に1、2回は会っています。撮影を通して本当に仲良くなりました」
「僕の中で幼馴染ってすごく大きい存在なんです。僕は群馬出身なんですけど、物心ついた時から一緒の親友がいて、言葉に出さないけど応援してくれるのが分かるし、僕がやることによって地元の力にもなるというのを聞くと、“やってやる!”という反骨精神も生まれてくるんです。地元の友達は僕の仕事の原動力です」
「現場では助監督の東條(政利)さんが現場を仕切られていて、とにかく監督と一緒にいい映画を作りたいという気持ちがすごく伝わりました。監督もチャンスをもらって“やるぞ!”っていう気持ちでそれがみんなに伝わっていて、みんなが同じところに向かっている感じがありました。普段、こう演じてほしいと言われることはあまりないのですが、寛子と結婚予定だった彼氏とのあるシーンで、僕的には監督の求めているものを考えて演じていたら、監督から“広稀のままでいいよ。今感じたまま、セリフは気にしなくていいから話して”と言われて、そのまま演じました」
「直樹が寛子に対してというのもあるし、僕から寛子を演じる岡野真也さんに対しての気持ちも掛け合わせて出て来た言葉で話したんですけど、頭は真っ白でした(笑)。監督が求めていたものが他にもあったんじゃないかなという思いがあって、僕的にはあのシーンに心残りがあったのですが、OKが出たので監督的にはきっとOKだったとは思うんですけど。周りの方からは良かったと言っていただきましたが、冷静にちゃんと観れていないシーンです」
「群馬の空気が分かるのは僕しかいないので、群馬の空気を共有できればということにも意識してやっていました。地元という小さな世界の中で生きるいろんなコンプレックスがあると思うので、だからこそ言葉で説明するのでなく僕を見てヒントになってくれればいいなと思いました。地元のここが好きというより群馬に住んでいる人たちが好きなんです。僕にとって切っては切れない人たちがいる。みんな各々好きなことやっているんですけど、忘れちゃいけない感覚を持っていられるし、帰ってくると地元の良さを感じ、その時その時で見える景色も違く感じる。自分でも何でかは分からないんですけど、群馬はすごく大切な存在です」
「始まる前までは負けられないという気持ちもあったし、年上の方との現場より頑張って作っていかなければいけないという思いが強くて不安だったんですけど、終わった後の楽しさとか寂しさは強かったです。撮影が終わる前日は噛み締めながら演じていました。この現場を経験して映画をさらに好きになりました」
「5人の持っている悩みは東京に住んでいると感じにくい悩みだと思うんです。直樹はあまり考えて行動するタイプではいないと思うんですけど、他の4人の悩みは今の高校生が観た時に励みになるんじゃないかと思うし、伝わればいいなと思います。そして、やりたいものがふつふつと湧いてくるんじゃないかと思います。あと男子だけいる時と、女子が入ってくる時の違いが良かったです。女子が入ってくるとちょっとドキマギする、そのピュアな可愛さは誰が観ても面白いと感じてくれると思います(笑)」
「僕自身映画をガッツリやったことがあまりなくて、監督とそんなに年齢も離れていないので勝手に近い感覚だと思っていたのでとても勉強になりましたし、芝居の仕方をまた1つ教えてもらった感じです。この作品は特殊だと思うんですけど“本当の広稀のままでいいよ”って言われたシーンがいくつかありました。その中のひとつ、美紀の失踪した父親を探す優斗と康太の3人のシーンでは、直前まで康太役の三河くんとずっと話しをしていて呼ばれたので、役と自分自身の区別を付けずそのまま演じて。すごく印象に残っていますし、とても好きなシーンでもあります」
「最初、話が本当に難しくて、台本を読んだだけではなかなか理解ができなかったんです。僕の父親役の村上淳さんが“わからないことは全部ここで解決しよう”とおっしゃってくださって、時系列も全部確認して、“やっぱり合ってるんですよね”とか“こう捉えていました”と疑問を解消した上で撮影をする感じだったので、リラックスして臨むことができました。どのシーンもずっと何か起きているシーンばかりだったので、自分から何かをするというよりは、そこで起こったことに向き合おうとしてるけど向き合えない20歳の青年を素直に演じることに意識をしました。大変だったシーンのひとつはフルートを吹くシーン。1ヶ月練習をしてなんとか吹けるようになりました」
「普段はあまりミステリーを読むことがなかったんですけど、横溝正史さんの本を初めて読んで、サスペンスはこんなに面白かったんだと思いました。演じるのはすごく大変でしたけど(笑)。主演の吉岡さんは最終日に10ページ近いセリフを演じられていて、1ヶ月前からずっと台本を読まれていたとおっしゃっていました。そのシーンは鬼気迫るものがあって、とても印象に残っています。「悪魔が来りて笛を吹く」の現場では、いろいろ吸収できるはずだからできる限り吸収してやろうという気持ちでいました。吉岡さんのお芝居も現場にいる姿勢もすごく尊敬していて、たくさん勉強させていただきました。吉岡さんはウィンタースポーツがお好きだそうで、休憩時間にはそういった話もさせていただきました」
「村上さんと母親役の篠原ゆき子さんとの家族のシーンはそんなに多くはなかったんですけど、本番前に3人でいて村上さんが笑わせてくれて、そこで家族になれたかなと思います。現場に入った瞬間から村上さん節というかこんなやり方があったんだ、こんなに細かいところまで見ているんだと本当に勉強になりました。撮影の合間にはオススメの本や映画を教えていただいたり、服のことなどいろいろなお話をさせていただきました」
「今はいただいた役と向き合ってしっかり演じることが大切だと思っているのですが、好青年や恋が実らない役が多いので、誰にも理解してもらえない変わった役柄や人を振り回すような役柄を演じてみたいです」
「「高崎グラフィティ。」は絵から空気が感じ取れる作品だと思うので、そこを感じて観ていただきたいです。「悪魔が来りて笛を吹く」は映像がすごくかっこいいです。キャラクターがとても個性的なので観ていて飽きないと思いますし、お金を持て余した人たちの堕落していく様子が見えると思うので、そこにも注目していただきたいです」
MOVIE
第1回未完成映画予告編対象グランプリ受賞
8月18日(土)シネマテークたかさき、インシネマ高崎にて先行公開
8月25日(土)アップリンク渋谷、イオンシネマ シアタス調布ほか全国公開
TV
8月26日(日)14:00~NHK BSプレミアムにて再放送
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