「実は、年始あたりからたまたま僕の周りで『仮面ライダー』の話が出ていたんです。『ライダー出身だよね?』とか『ライダーをやったほうがいいよ』と言われる機会が増えて、『今年『仮面ライダー』のオーディションがあったら、ぜひ受けさせてください』と、マネージャーさんにお伝えしました。絶対に落ちるわけにはいかないと思っていたので、最初から受かる気満々で行きました。もちろん歴史ある作品に参加する上でのプレッシャーも徐々に湧き上がってきたのですが、どこか運命的なものを感じていたので、『やっぱりな!』という気持ちも正直ありました。自分でもライバル役をやった瞬間ビビッときたというか。落ち着きと、いい意味でふてぶてしい態度が評価されて(笑)、満場一致で“バッファ”に選んでいただいたそうです。年頭のインタビューで『今年は飛躍の年にしたい』と宣言したのですが、その時はまだ決まっていなかったんです。でも本当にそうなりました。僕の座右の銘は、『根拠のない自信』なんです(笑)」
「“バッファ”のビジュアルを見た瞬間、『カッコいい!』と一気にテンションが上がりました。めちゃくちゃ好きなフォルムだし、ちょっとダーク味もある。主人公のライバル的なポジションで、ぶっきらぼうでイヤなやつなんですが、第5、6話でバックボーンが明かされて、すごく芯の通った熱い男なんだと分かったとき、心の底から吾妻道長のことが好きになりました。トガっているのに可愛さがあるところも、僕としては好きなポイントです」
「今まではどちらかというと、同世代や僕より少し年上の方々に、自分が出ている作品を観ていただくことが多かったと思うのですが、『仮面ライダー』の場合は子どもたちのヒーローでもあるので、作品に対する意識も、おのずと変わってきます。僕も実際に『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』を観て育ってきたので、当時の自分と同じような気持ちで子どもたちが観てくれるんだと思いながら現場に臨むと、いい意味でプレッシャーや責任感を感じます。やっぱり『仮面ライダー』には、男ゴコロってヤツをくすぐられます」
「『仮面ライダー』にはCGが欠かせないのですが、撮影現場では当然ながらCGが付いていない状態で芝居をしているので、監督の説明を聞いて想像するのが何より難しいです。一緒に演じているライダー同士でも、人によってイメージする規模感が変わってくるので。完成した作品を観て『ここはもっと大げさにリアクションしておけばよかったな』と思うこともあるのですが、そういった反省も含めて貴重な経験をさせていただいています。『仮面ライダー』って、アクションも芝居もアフレコも学べる本当にすごい作品なんです。俳優の登竜門と言われているのを、現場に入って改めて実感しました。映像を観ながらアフレコをするのですが、体を使って芝居をするのが当たり前だと思っていたので、声だけで臨場感を出すのが難しくて。この現場は常に学んでいないと前に進めない。5、6話のアフレコを終えた後、あまりの充実感から1分間ぐらいため息をつきました」
「7話目にしてラスボスが出現、デザイアグランプリが最終局面を迎えます。果たして誰が勝ち残り、どんな願いが叶うのか。僕が演じる道長は、仮面ライダーによって退場させられてしまった親友の仇をとることが目的で、自分も仮面ライダーなのに仮面ライダーをぶっ潰すのが願いです。哀しみを背負っている道長をぜひ観ていただきたいです。ちなみに、僕は各エピソードを毎回3回以上は必ず観ています。どんなCGになっているのかじっくり確認したいのと、先々の台本が出来上がっていないなかで演じているので、後から振り返ると『あの時はこうやって演じてのか!』って自分でも発見があります」
「一年前の僕なら『洋服が無限に買える世界になりますように』と書いていた気がしますが(笑)、いまは物騒な世の中になりつつあるからこそ、『平和な世界』と書くと思います。家族でも、恋人でも、親友でも、誰かを愛していたら、争いなんて起きないと思うんです。だからこそ、みんなが愛し合える平和な世界になればと。なんだか僕ヒーローみたいですね(笑)。でも物騒な世の中で自分だけ億万長者になっても楽しくない。平和な世界で、自分の力で、ちやほやされるように頑張りたいと思います。あくまでも、ちやほやされるのは前提で(笑)」
「『仮面ライダーギーツ』は、キャラクターそれぞれにバックボーンがあって、叶えたい願いがあります。道長の場合は復讐心や哀しみからくる願いだし、袮音の場合はお金持ちのお嬢様でありながらも、その分、どこか満たされなさを抱えている。勇気やパワーをもらえるだけでなく、共感したり考えさせられたりする物語になっていると思うので、ぜひ最後まで観ていただきたいです。僕自身も何が起こるか分からないので、今後の展開が楽しみです。これから生身のアクションも増えていくので、ぜひそちらも注目していただけると嬉しいです」
Writing:渡邊玲子/Styling:清水拓郎/Hair&Make-up:菅井彩佳
pagetop
page top