法外な金利で金貸しをする闇金融業者と債務者たちの人間模様や社会の闇を描いて話題となった人気マンガ『闇金ウシジマくん』。約6年にわたって続いた実写シリーズは、多くの人に愛される作品となった。この秋、映画Part2に登場した丑嶋〔ウシジマ〕の宿敵・犀原茜〔サイハラアカネ〕が主人公の『闇金ウシジマくん外伝　闇金サイハラさん』がスタートする。闇金「ライノーローン」の新しいメンバーとして加わるのが宮世琉弥演じる硲悠斗〔ハザマユウト〕。役者志望でありながら闇金の世界に足を踏み入れることになった硲をどう演じるのか、楽しみだ。

根はやさしい硲が闇金の世界へ。裏社会でどう変わっていくかも見どころのひとつ

「母が『闇金ウシジマくん』の大ファンでドラマをよく見ていたので、僕以上に出演を喜んでくれました。ファンの方が多く、歴史ある作品に参加するなんて撮影するまでは実感がわきませんでした。夜遅くにマネージャーさんから15話分の台本をいただいて、まずは1～2話を読んでみようと開いてみたのですが、気づけば最後まで読み終わっていました。ストーリーが面白く、次が気になってどんどん読み進めちゃいました。出演が決まったときに『闇金ウシジマくん』のドラマや映画を見たのですが、知らない世界をのぞけるというのが興味深く面白いなと思ったのと、現実では体験できないことだらけなので、台本を読みながらどういう映像になるんだろうとわくわくしました」

「とても優しい人で、まわりに好かれる性格だと思います。役者を目指しているのですが、ひょんなことから犀原さん（高橋メアリージュン）の手下になって、闇金の世界に入っていくんです。役者志望を生かして、犀原さんの指示に従ってさまざまなところに潜入します。怖い人だらけで危険な目にもあいますし、過酷なミッションばかり。裏社会に戸惑い、葛藤しながらもがんばっています。これまでに経験したことのない役なので、大変ではありますけど演じていて楽しいです」

「この作品に限らず色々と考えてはいきますが、ガチガチにかためてはいかないようにしています。自分のなかに引き出しをたくさん用意しておいて、現場で対応できるように準備している感じです。（山口雅俊）監督がイメージしているものもありますし、共演者とのやり取りで変わっていくこともあるので、演じながら硲悠斗をつくり上げていければいいなと考えていました。ただ、アクションシーンは段取りをしっかりと決めておかないとケガをしてしまうので、リハーサルから何度も繰り返し行いました。一度、殴られるシーンでタイミングが合わず、村井役のマキタスポーツさんに本当に殴られそうになってしまって。ちょっとしたズレでぶつかってしまうので、アクションシーンは大変でした。集中力も神経も使いますが、アクションは楽しいので、今後もできたらいいなと思っています」

「作品のなかのお2人はとても怖いですが、撮影以外ではもちろん全然違って、やさしく面白い方たちです。そのギャップにやられました。みなさん、いい作品にしたいという思いが強く、監督からの要望にすぐ対応できる力があってたくさん刺激を受けました。撮影期間中は3人でずっといたので、自然とコミュニケーションが取れるようになったし、信頼関係も築けました。僕は勝手に家族のように思っていました。監督ともよく話をしていて、『役者は声を出せるか出せないかが大事で、うまいヘタを決めるのはそれから』と仰っていたのがすごく印象に残っています。ふとしたときの言葉でしたが、確かにそうだなと励みになりました」

「原作はしっかりと取材をされて描かれているので、リアルですし怖い世界ですよね。演じながら『こうはなりたくない』と、人生の学びになりました。この恐怖心を大事にしていて、犀原さんは怖い存在なんだというのを頭に入れながら演じていました」

「全15話ありますので、まずは1話で登場人物のキャラクターをつかんでほしいです。硲がどんな男なのかも1話でわかると思います。犀原さんのもとでどんな人物になりきって潜入するのか、裏社会でどう生きていくのかも見どころのひとつになりそうです。どのシーンも見逃せないほど面白いので、ぜひチェックしてください」

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Writing：岩淵美樹