「高校生のときに友達から面白いから読んでみてと薦められて全巻借りたのがきっかけでした。有名な作品だったので、バトルものという予備知識しかなかったのですが、読んでみるとテーマが深くて引き込まれていきましたね。心にぐっとくる名セリフも多く、大人もハマるのがわかりました。好きな作品の映画に出られるのはとても光栄なことです」
「少年誌での連載だったので、気軽に読めるものかなと思っていたんです。でも、人としての倫理観など重いテーマが軸にあるんですよね。今回、映画でも描かれていますが、キメラ(合成獣)の錬金術師、ショウ・タッカー(大泉洋)が、いきすぎた研究の末、ある悲劇が起こるんです。マンガで読んだときもゾッとしましたが、実写になることでより恐怖を感じましたし、『ハガレン』が伝えたいテーマが色濃く出てきていると思いました」
「世界観をとても大切にしていましたし、原作で魅力的なキャラクターもそのまま、そこにいた気がしました。僕はマスタング大佐が好きなのですが、ディーン・フジオカさんが演じられた大佐もビジュアルはもちろんのこと、冷静沈着でありながら仲間のことでは熱くなる強い人物像に魅力を感じました。実写版で素敵だなと思ったのはヒューズ中佐。人のよさそうな感じが佐藤(隆太)さんそのもので、とてもハマっていました。松雪(泰子)さんのラストもカッコよかったです。近くで見ると本当にドキッとするくらい妖艶でした。ファンタジーの世界なので、一歩間違うとコスプレをした人たちが芝居をしているように見えてしまうのですが、CGなど映像のクオリティも高かったので、見ごたえがありました。アルなんてフルCGとは思えないほどリアルで驚きました。映像美も見どころのひとつです」
「エドが真理の扉にたどりつき、やせ細ったアルを見つけるシーンはマンガでも好きな場面のひとつなんです。アルが生きているという仮説が証明されたわけで、旅を続けていく原動力ともなる大切な場面。映画ではどう表現するのだろうかと思っていたのですが、“そうきたか!”とただただ感動しました。映画でぜひチェックしてください。原作を超えるという表現は違うかもしれませんが、実写だからこそできる音や光が加わることで、ワクワク感はより増します。特に錬金術をあやつるシーンは迫力があると思うので、楽しみにしていてください」
「曽利文彦監督はビジュアルにこだわる方なので、衣装合わせを5回くらいして細かく作り上げていきました。性別や年齢がわからない謎が多いキャラなのでどこまで原作に寄せていくかが難しいところなんですが、納得のいくビジュアルになったと思います。ディーンさんには『寒くないですか?』と聞かれましたが(笑)。ラスト、グラトニー(内山信二)と並ぶとインパクトがあると思うので、ホムンクルスの3人にもぜひ注目してください」
「そうですね。イタリアロケに行けなかったことですかね(笑)。僕はCGでの撮影が多かったので。もし次回作があれば、イタリアロケに行けたらいいなと思います。出番も多くなるといいな……」
「僕が観終わってすぐに感じたのは“すごい!”という単純な感想なんですが、映像もキャストの演技も全てがハマっていて、『ハガレン』の世界観が伝わってきました。最初から最後まで現実に戻されることなく、どっぷりハマれると思います。迫力のあるバトルシーンが続くだけでなく、人体錬成や人造人間、キメラをつくりだすことで見えてくる“生と死”だったり、倫理観など深いテーマが掲げられているので考えさせられることも多いと思います。僕のシーンでいえば、燃やさせるところが見どころかな(笑)」
Writing:岩淵美樹
MOVIE
12月1日(金)公開
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