STAGE
島田惇平 舞台「毛皮のマリー」公開ゲネプロ!
没後35年、死してなお拡大していく寺山修司氏。
その寺山演劇の金字塔で寺山修司氏と母はつ親子をモチーフに描かれた戯曲『毛皮のマリー』。最も美しく、最も文学的なこの作品を青蛾館創立35年の記念に上演する。
今回、青蛾館ではオリジナルの『毛皮のマリー』とは別に、ニューヨークの老舗劇場ラ・ママ公演時にラストシーンなどを、大々的に改訂した、日本では未発表の『毛皮のマリー』を同時上演。演出は寺山修司の片腕で氏の継承者でもある寺山偏陸氏が務める。
島田は、自身の演じる役について「私が今回演じるのは鷄冠詩人と美女の亡霊です。毛皮のマリーという作品についてはご存知の方もおられるでしょうが寺山修司さんが美輪明宏さんの為に書いた作品でして、美輪さんを始め歴代の名優の方々が各役を演じられてきた作品です。その中でも今回演じます鷄冠詩人という役は、初めて作品を読んだ時とても難しい役であると感じました。『詩人は言葉で人を酔わせる酒みたいなもの。場合によっては言葉で人を殺すこともできる』という劇中の詩人達の言葉通り、ある種の役者としてのあるべき姿と言いますか、役者そのものを体現するべき役所だと思ったからです。今回は現代に生きる島田惇平として、その感性として私なりのアプローチを仕掛けてこの鷄冠詩人という役に挑ませて頂いております。いろいろな見方をして頂けたら嬉しいです。また、美女の亡霊としても参加させて頂いております。皆さんどういう美女を想像するか人それぞれでしょうが、この座組みでの毛皮のマリーにおける美女を隅々までお楽しみ下さい。」とコメント。
これからご来場いただくお客様へ向けて、「オリジナルバージョンと未公開バージョン、どちらもとても素晴らしい作品になっているかと思います。毛皮のマリーの様に何度も上演されている作品は例えばシェイクスピアの様に、どの時代に誰が演じるかで全く違う表現方法にもなり得ますし、あるいは難解であったものの理解の助けになる場合もあります。しかし全てに共通して言える事はどれも同じ戯曲であり、同じ作品であるという事です。今の時代を生きる私達がやるからこそ意味のある毛皮のマリーに存分に酔って下さい。」とメッセージを送った。
舞台「毛皮のマリー」は、3/21(木・祝)まで東京芸術劇場シアターウエストで上演。
時代と共に進化してきた「毛皮のマリー」の集大成を、ぜひ劇場でご覧ください。
【あらすじ】
贅沢にしつらえた一室がある。そこに住む「毛皮のマリー」は、中年の男娼である。マリーとともに暮らしている美少年「欣也」はその部屋から出たことがなく、マリーが部屋に放った蝶を捕まえては標本にして暮らしていた。ある日、上の階に越してきた謎の美少女によって、マリーと欣也の関係がかき乱されてゆく。欣也、そしてマリーにはそれぞれ隠された秘密があった…。