STAGE
島田惇平 舞台「民衆の敵」開幕!
同作は、『人形の家』『ヘッダ・ガブラー』など日本でも人気が高い“近代演劇の父”イプセンの正面から社会問題を扱った異色作。
2016年『るつぼ』でシアターコクーンに初登場した演出家ジョナサン・マンビィと堤真一が再びタッグを組み、この骨太な傑作に挑む。緻密に戯曲を読み解き、社会的テーマを劇場空間や群衆の動きも含めて立体的なドラマに仕立てる演出手腕に注目。
追い詰められた男の告発の果てに何が待ち受けているのだろうか。
漁師・ビョルンソンを演じる島田は、出演にあたって「日本人にも馴染み深いヘンリックイプセンの戯曲をジョナサン氏の元、試行錯誤して形にしました。実力ある俳優陣の演じる各々の人間はとても魅力的であり、その場に実に見事に存在しています。振り付けの黒田育代さんの元作られたムーブメントも一見。忠実に再現された家具や道具、衣装にも注目して頂きたいです。」とコメントを寄せた。
舞台「民衆の敵」は、12/23(日・祝)までBunkamuraシアターコクーンで上演。
ぜひ劇場でお楽しみください。
【STORY】
温泉の発見に盛り上がるノルウェー南部の海岸町。
その発見の功労者となった医師トマス・ストックマン(堤真一)は、その水質が工場の廃液によって汚染されている事実を突き止める。汚染の原因である廃液は妻カトリーネ(安蘭けい)の養父モルテン・ヒール(外山誠二)が経営する製革工場からくるものだった。
トマスは、廃液が温泉に混ざらないように水道管ルートを引き直すよう、実兄かつ市長であるペテル・ストックマン(段田安則)に提案するが、ペテルは工事にかかる莫大な費用を理由に、汚染を隠ぺいするようトマスに持ち掛ける。一刻も早く世間に事実を知らせるべく邁進していた、新聞の編集者ホヴスタ(谷原章介)と若き記者ビリング(赤楚衛二)、市長を快く思っておらず家主組合を率いる印刷屋アスラクセン(大鷹明良)は、当初トマスを支持していたが、補修費用が市民の税金から賄われると知り、手のひらを返す。兄弟の意見は完全に決裂し、徐々にトマスの孤立は深まっていく。カトリーネは夫を支えつつも周囲との関係を取り持とうと努め、長女ペトラ(大西礼芳)は父の意志を擁護する。そしてトマス家に出入りするホルステル船長(木場勝己)もトマスを親身に援助するのだが……。
トマスは市民に真実を伝えるべく民衆集会を開く。しかし、そこで彼は「民衆の敵」であると烙印を押される……。
(敬称略)