MOVIE
太賀 主演映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」書店イベント!
同作は、「ひゃくはち」「95」など数々の青春小説を手がける早見和真さんの同名小説を気鋭の映像作家・廣原暁さんが映画化。
将来に希望を見出せないまま、ただ何となく日々を過ごしていた高校生たち。彼らの行くあてもない“高校最後の旅”を描く青春ロードムービーとなっている。
太賀は、人情深いお調子者・又八を演じる。
早見さんとのトークセッションとなった今回のイベント。「僕が以前出演させていただいた『ひゃくはち』という映画が早見さん原作で、約10年前なのですが、今回はそれ以来になります。」と出会いを語る太賀に、早見さんから「当時『ひゃくはち』の主演が太賀という話も出ていた。」と明かされると、「当時僕は中学3年生ぐらいで、修学旅行の帰りに撮影という感じでしたので、まさか早見さんが覚えていてくださっているとか太賀主演の話があったなんて全く知りもしなかったです。なんで(主演が)斎藤嘉樹じゃなくて俺にしてくれなかったのだろうと思いますが(笑)、そこはぐっと堪えて…(笑)。素直にすごく嬉しいです。」と話した。
同作出演の経緯について聞かれると、「撮影の1年前ぐらいにプロデューサーの永井拓郎さんから脚本が送られてきまして、廣原さんのことは僕の勉強不足で認識できていなかったのですが、永井さんで早見さんの原作ということで、僕は即決でやりたいという風に思いました。(高校生役をやるということに対しては、)あまりそこに抵抗というか気負いは無かったです。脚本を読んだ時、素直に又八という役に対してすごく眩しくて魅力的だなと思えたし、自分から近い役だなという認識もあって、これはやれそうな気がするという自信がありました。」と明かした。
話題は太賀の同級生でもあり、同作でも共演者している染谷将太さんの話に。高校生当時の染谷さんに対しての心境を聞かれた太賀は、「僕の周りでは1番最初に日の目を浴びた存在で、羨ましくもあって、悔しくもあって、その当時は焦りもありました。それで色々と上手くいかなくなった時期も今思えばあるのですが、それに関して今は気が楽になっています。というのも、比べてもしょうがないということに気付いたというか、どう足掻いても彼にはなれないので。周りの同世代の役者に対して、その人たちが演じている役に嫉妬していたと思うんです。それは彼らだからできた役ですし、選ばれるべくして選ばれたと思うと、今自分のやっている仕事も選ばれるべくして選ばれているという大事なところを見逃していたんじゃないかなと思ったことがあって、そういう意味で役との巡り合わせは縁なんじゃないかいかとドシッと構えられるようになりました。」と語った。
初報試写の感想では、「正直めちゃくちゃホッとしました。現場で主役としての在り方を考えてはいたのですが、正解は無いんじゃないかと思って、自分は又八を全うすればいいという結論に至って、あまり周りのことを考えていなかったんです。又八として生きられればいいなと思っていたので、目の前にあるシチュエーションにいかに躍動できるか、瞬間瞬間をいかに楽しめるかというアプロ―チをとったので、完成した時の予想を全く立てていなくて、いざクランクアップしてどんな映画になるのか恐くて仕方無かったです。でも、映画を観た時にしっかり廣原監督が全てを拾っていてくれた気がして、ホッとしました。」と振り返った。
試写後、握手を交わしたと話す2人。太賀は、「今回の映画の撮影に入るにあたって、原作を読まずにやらせてもらいました。それには自分なりの決意表明があって、又八という役を脚本で読んだ時に守りに入りたくないと思って、今自分が持ち合わせているもの全てでぶち当たってみたかったというのがありました。廣原監督も商業1本目で、僕も主人公を演じるのは多くないので、1つの正念場なんじゃないかと感じていて、それで臨ませてもらいました。映画が出来上がって、その後に原作を読ませてもらって、早見さんの前で言うのもあれなのですが、原作の為に映画を作っているということではないというのが僕の中ではあって、でも全ての始まりは原作で、答え合わせじゃないですけど、この中に詰まっているものをドキドキしながら読みました。自分勝手ですが、ここでもホッとしました。びっくりするぐらい話が違って本当にびっくりしたのですが、でも原作と映画は全く別物だけど、どちらも『ポンチョに夜明けの風はらませて』であるという一貫したものがある気がして、試写室を出た後に早見さんが握手をしてくれた時にそういうことだったのかなと思いました。」と笑顔を見せた。
太賀主演映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」は、10/28(土)新宿武蔵野館ほか順次ロードショー!
誰もが“あの頃”を思い出し、バカバカしさに笑って、切なさにグッとくる、青春覚醒ロードムービーにぜひご期待ください。
【ストーリー】
ただ何となく日々を過ごしていた高校生の又八(太賀)、ジン(中村蒼)、ジャンボ(矢本悠馬)。卒業を間近に控え、ジンは一流大学への進学を目指し、ジャンボは実家のとんかつ屋を継ぐことを決めていたが、又八だけは何も進路を決められずにいた。
“このありふれた日常から少しだけでも抜け出したい”そんな思いを胸に、彼らはジャンボの父親の愛車セルシオに乗って海に向かう。旅の途中でグラビアアイドルの愛(佐津川愛美)、風俗嬢のマリア(阿部純子)ら刺激的な“大人たち”と出会いながら、普段では味わえないハチャメチャな体験をする3人。一方、置いてけぼりをくらい、又八と約束した卒業ライブに向けてギターの練習に明け暮れる中田(染谷将太)。
彼らの「青春」が、今ようやく動き出す――。
(敬称略)