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市原隼人 「かわさきPARAフェス2017夏」出演!

市原隼人が8/20(日)ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場で開催されたイベント「かわさきPARAフェス2017夏」に出演した。

川崎市では、一人ひとりが尊重され、能力を発揮することができるまちづくりを進めていくことが重要であると考え、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機としての取り組み「かわさきパラムーブメント(※)」を実施。同イベントでは、この取り組みを広く知っていただくとともに、親しみ、楽しんでいただくことを目的としたパラスポーツ体験、音楽ライブ、トークイベントが催された。

市原は、同イベントの「かわさき×PARA☆DO! スペシャルステージ」に出演。出演ドラマ「君に捧げるエンブレム」で車いすバスケ選手のモデルとなった元Jリーガーであり、現在は車いすバスケ日本代表アシスタントコーチを務める京谷和幸さんと共に登場し、「川崎出身でラゾーナ川崎プラザに来ることがあるので不思議な感覚です。ここに居させていただけるきっかけとなったドラマと車いすバスケットボールに関わる全ての方に感謝しています。今日はよろしくお願いします。」と挨拶した。

その後、ドラマ「君に捧げるエンブレム」の話題となり、「健常者ではない役をやったのが始めてでした。僕が演じた向井大隼は骨肉種という病を患っていて、その病とどう向き合うか、どう受け止めるか、そして作品を通して誰に何を伝えればいいのかという覚悟が必要でした。それと同時に車いすバスケも始めてだったので、きちんとプレーできるかというプレッシャーもありました。」と出演が決まった当時の心境を語った。

撮影について、「実際の選手の方々の協力を得て出演もしていただいて、いろいろなお話を聞きながら演じました。大事な大会で負けてしまうというシーンがあって、“また来年頑張ろうぜ”と声をかけられるのですが、僕のセリフで“先のことなんて分かんねえよ”というのがあるんです。本当は泣いてはいけないシーンなのですが、涙が止まらなくなって(セリフが)出なくなってしまったことがありました。選手たちにはいろいろなドラマがあって、車いすバスケに支えられたり助けられたりしている方がたくさんいる。だからプレーをしている時は、“ここは俺の居場所だから絶対に渡したくない”という目をしていて、それは試合を観ていただければ分かると思います。不安なことや孤独に思うことがたくさんあって、でも車いすバスケに出会って変わったという方を見ていて、本当に素晴らしいスポーツなんだと感じました。」と熱い思いを語った。

また、京谷さんからの“ドラマ撮影に行った時、市原さんがカメラに映っていないところでも車いすバスケを本気でやっていて、こういうのがプロなんだと思った”という言葉を受け、「感動をフィルムに残すのが役者。本番が本番ではなく、それまでのプロセスが大切で、その努力によって本番で肩の力が抜けてポロっと出る形が良いと思っています。」と持論を展開すると、京谷さん、そしてMCを務められた田中ウルヴェ京さん(ソウル五輪シンクロ銅メダリスト。現、パラアスリート・オリンピック選手のメンタルトレーナー)が、“その考え方はスポーツも一緒。選手たちの前で話しをしてもらいたい”と懇願していた。

さらに、川崎市の“かわさきパラムーブメント”取り組みについて、「どんどん広がっていけばいいなと思います。最初から100%って絶対無理なんです。大事なのは1%からコツコツ積み上げること。車いすバスケという競技があることだったり、こういった生活をしている方がいるといった、いろいろな世界を見る勇気と努力を持っていただけたら嬉しいです。」と賛同した。

トークイベント終盤では、プロ車いすバスケットボール選手で日本代表エースの香西宏昭さんも登場。それぞれの立場から仕事・自分との向き合い方を話し、「現場が始まるとプレッシャーを感じたり、感情を保てなくなって“本当の自分は?”とか“何のためにやっているのか”と思うことがあります。その時に思うのは、根源が絶対にあるということ。僕はお客様に喜んでいただいたり、絆の架け橋になりたいというのが役者が始まった根源。その上で昔は、良いバイクや車に乗って、贅沢な時間を過ごしたいというのが夢でしたが、今は本気で泣けて、笑えて、悔しがって、物事の根源を大切にし続けるのが夢になりました。そう思った瞬間に全てが楽しくなってきて、でも楽しむにはスキルが必要で、こんなに素晴らしくて楽しむチャンスのある仕事だったと気づけてから、自分が変わりました。」と語った。

そして最後に、「まずは香西選手の名前を覚えていただきたいです。そして、“美味しいご飯を食べに行こう”とか“旅行に行こう”とかいろいろな楽しみ方があると思いますが、その中にパラスポーツ、車いすバスケを入れていただけたら。そしてこれからも、そんな方々を支える川崎であってほしいですし、人それぞれの違いを認めた上で笑い合えるような街になっていただけたらと思います。本日はありがとうございました。」とメッセージを送った。

トークイベントの前に市原は、車いすバスケの体験コーナーにも登場。「見て楽しいと思っていただけたら、選手とかチームとかに興味を持っていただきたいです。今日は久しぶりでちゃんとできるか分からないですが(笑)、一緒に楽しみたいです。」と話し、パラリンピック車いすバスケットボール元日本代表で、ドラマ「君に捧げるエンブレム」で監修をされた三宅克己さんと共にドリブルやパス、フリースローそして難易度の高いランニングシュートなどを実演した。

(※)かわさきパラムーブメント
障害のある人などが生き生きと暮らす上での障壁となっている、意識や社会環境のバリアを取り除くこと、新しい技術でこれらの課題に立ち向かうことを「ムーブメント」として展開。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、さらに2024年の市制100周年へとつなげていく。
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