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ミムラ 映画「彼らが本気で編むときは、」完成披露試写会!
同作は、『かもめ食堂』(06)、『めがね』(07)などで日本映画の新しいジャンルを築き、その世界観から女性に圧倒的人気を持つ荻上直子監督の5年振りとなる最新作。
監督と共に脚本も手がけており、優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ、そんなカップルの前に現れた愛を知らない孤独な少女トモの3人が、本当の家族ではないけれど、特別な時間を過ごし、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日が描かれている。
小学生のトモ(柿原りんか)は、母親・ヒロミ(ミムラ)と二人暮らし。
ある日突然ヒロミが家出をしてしまい、独りきりになったトモは、叔父であるマキオ(桐谷健太)の家に向かう。
母の家出は初めてではない。ただ以前と違うのは、マキオはリンコ(生田斗真)という美しい恋人と一緒に暮らしていた。
リンコは、女性への性別適合手術を受けたトランスジェンダー。リンコの美味しい手料理に、安らぎを感じる団らんのひととき。母は決して与えてくれなかった家庭の温もりや、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコの存在に戸惑いながらも、三人での奇妙な共同生活が始まった…。
同作の主人公たちがそれぞれの思いを込めて編み込んでいる編み物に因み、“毛糸”で同作のポスターを制作するプロジェクトが昨秋から行われており、全国100名以上の女性が一目一目編み続けた巨大「編みポスター」がこの度完成。舞台挨拶の前にお披露目イベントが行われ、リンコとマキオそしてトモが仲睦まじく並んで編み物をする姿が立体的に表現された完成作を観てミムラは、「本当にすごい。」と感動しきりの様子。その後も、「リンコさんの花柄の表現がすごい。こういった服着てましたよね。」と笑顔で監督・登壇者たちと話していた。
その後、舞台挨拶が行われ、娘を愛しながらも、シングルマザーの辛さから悩み、弟・マキオへ置き去りにしてしまう・ヒロミを演じたミムラは、「本日はお越しいただきましてありがとうございます。台本を読んだ時からどんな映像になるのか、撮影の現場にいてもすごい作品が出来上がるなと期待しながら今日を迎えられたことを嬉しく思います。荻上監督の作品はお客として観ていて大好きで、オファーをいただいた時に“やった!”と思いました。今回は今までの荻上作品とはちょっと違うテイストも入っていて、どちらかというと私のヒロミはそのパートです。そういった新たな部分も楽しみにしていただければと思います。よろしくお願いします。」と挨拶。
タイトルにちなみ、同作を通して特に本気になった部分は?という質問を受け、「いろいろ自分なりのチャレンジがあったのですが、一番大変だったのが狸寝入り。」と答えたミムラ。「りんかちゃんは聡い子なので、曖昧に話すとそれも養分として吸い取ってしまう。ヒロミは3人(リンコ・マキオ・トモ)の中で異物でいなければいけないので、3人の良い空気の中に別のものが入ってくる違和感を大事にしたいと思った時に、彼女とあまり話さないほうが良いかなと。でも見えるところにいて、“なんだこの人”と思わせておきたくて、なるべく見えるところにいるけれど、しゃべらないで寝ているということをやっていました。」とトモとの関係性から生まれる役作りを話した。
この日は世界三大映画祭のひとつに数えられ、開催67回を誇る歴史と権威を併せ持つ『ベルリン国際映画祭』のパノラマ部門への正式出品、さらにプログラムディレクターがティーンエージャーにぜひとも見せたい映画という強い要望で、ジェネレーション部門でも特別上映が決定したというニュースが発表された。2部門で上映されるという快挙に、登壇者はもちろん、客席からも大きな拍手が沸き上がった。
映画「彼らが本気で編むときは、」は、2/25(土)公開!
ぜひご期待ください。