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柳楽優弥 映画「ターコイズの空の下で」初日舞台挨拶!
同作は、裕福な家庭に育ち、自堕落な暮らしを送る青年が、ひょんなことからモンゴル人の馬泥棒を相棒に、終戦後に生き別れとなった祖父の娘を探しにモンゴルを旅するロードムービー。
俳優として活躍する一方、音楽・ファッション・アート業界でPVやドキュメンタリーの制作を手掛けるなど映像作家としてキャリアを重ねてきたパリ在住のアーティスト・KENTARO監督のもと2018年にモンゴルで撮影された同作は、日本公開に先立ってオープニング・フィルムとしてワールド・プレミア上映された「第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭」で、FIPRESCI賞(国際映画批評家連盟賞)と観客賞にあたる才能賞をダブル受賞する快挙を果たした。
上映前に行われた舞台挨拶にて柳楽は、「こういった状況の中、お集りいただきありがとうございます。素晴らしい作品が出来上がったので、楽しんでいってください。」と挨拶。
「第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭」での同作への反響について、「ドイツの方が旅行好きみたいで、ロードムービーへのリアクションがすごく良かったです。この作品を観てびっくりするくらい爆笑してくれていました(笑)。旅をしていく中で、うまくいかなかったり、ちょっとしたハプニングみたいなものに共感して寄り添ってもらえた感じがしたので、旅行が好きな方に楽しんでいただけるのかなとドイツでは感じました。」と語った。
先日行われたプレミア上映会の反響については、「映画を観ていただいた方から、“エクセレント!ブリリアント!”と英語で感想をいただいたのが嬉しかったです。」と話した。
ロケ地となったモンゴルに降り立った時の印象は?と聞かれ、「飛行機で日本からウランバートルまで6時間くらい、ウランバートルからゲル生活をするところまで9~10時間くらいかかりました。(ロケ地に近づくにつれて)砂漠地帯になっていくのですが、モンゴルの運転手さんが“道に迷っちゃったよ”と言って拗ねてしまったり、ドタバタでした(笑)。」と笑いを交えて振り返った。
モンゴルでカルチャーショックを受けたか?という質問には、「オオカミと戦うシーンがありまして、監督が“オオカミは自分と戦っているということなんだよ”と言って演出してくれたのですが、そのオオカミがすごく細いリードみたいなものでつながれていて、オオカミがリードを切るんじゃないかと思いました(笑)。」とコメント。それを聞いたKENTARO監督が、“カメラからリードがあまり見えないようにしたかった。ちょっと怖かったね(笑)”と明かした。
また、柳楽はそんなオオカミとの撮影を通じて、「モンゴルの撮影クルーの心強さがあったので、みんなが安心して撮影に挑めたんだなと思いました。」と感謝した。
続いて、柳楽演じるタケシの相棒役を務めた、モンゴル人俳優のアムラ・バルジンヤムさんについて話題があがり、「本当に心強い方でした。モンゴルで大スターなので、みんなが“使いなよ、兄貴!”ってロケ現場を貸してくれるんです。」と裏話を語った。
さらに、この日はアムラさんからのメッセージ動画が公開された。アムラさんから刺激を受けたことは?と問われ、「今なかなか映画館に行けなかったり、ナーバスになってしまう時でも、男気のある人を見ていると自然と力をもらえるというか。実際タケシという役柄は、モンゴルを通してアムラにすごく影響を受けて、向かうべきところが明確になったと思います。動画を観て、改めて尊敬できる人だなと感じました。」と話した。
改めてモンゴルの俳優陣について、「本当にすごい方ばかりで、学ぶことしかなかったです。こんなに素晴らしい俳優さんたちがいっぱい居るんだということが刺激になりましたし、勉強になりました。」と振り返った。
最後に、「物質的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさみたいなものが改めて大切なんだなということを、撮影を通して感じることができたので、そういうところにも注目していただけたら嬉しいです。本日は本当にありがとうございました。」とメッセージを送った。
映画「ターコイズの空の下で」は、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー。
ぜひご覧ください!
【ストーリー】
大企業の経営者・三郎(麿赤兒)を祖父に持ち、贅沢三昧で自堕落な暮らしを送るタケシ(柳楽優弥)。ある日、三郎の所有する競走馬を盗んだ罪で、モンゴル人の男アムラ(バルジンヤム)が逮捕される。第二次世界大戦終了時、モンゴルで捕虜生活を送った三郎には、現地の女性との間に生き別れとなった娘がいた。アムラとの出会いをきっかけに、三郎は行方の分からぬ娘を探すため、タケシをモンゴルへと送り出す。果てしなく広がるターコイズ色の空の下、言葉も通じず、価値観も異なるタケシとアムラの旅が始まった―。
(敬称略)